連続対談企画㉘『“演劇”のある生活』[8月放送分](BS松竹東急プロデューサー・湯浅敦士×カンフェティ編集長・吉田祥二)

連続対談企画㉘『“演劇”のある生活』[8月放送分](BS松竹東急プロデューサー・湯浅敦士×カンフェティ編集長・吉田祥二)

第28回 無料放送局『BS松竹東急』 8月の演劇・音楽ラインナップをご紹介!

 BS松竹東急は、映画・歌舞伎・一般演劇などのエンターテインメントを通じて人々に感動を届けてきた松竹グループと、渋谷をはじめとした街づくりによって、人々の豊かな暮らしの基盤を構築してきた東急グループがコラボレーションして、2022年3月26日に開局した放送局。編成コンセプトに、『誰もが楽しめて親しみやすい歌舞伎や劇場文化』を掲げている。
 また演劇以外にも、映画・オリジナルドラマなど、あらゆるジャンルの番組を編成し放送する無料総合編成チャンネルとして、上質感やワクワク感をお届けするという……、なんとも謎に包まれた放送局である。
 この企画では、かねてより親交のあったBS松竹東急の湯浅プロデューサーを迎え、カンフェティ編集長の吉田とともにBS松竹東急のラインナップを紹介しながら、ざっくばらんと各々が思う演劇について月いちペースで語っていく、そういう対談企画である。

※過去回はリンク先にて公開中!

(第1回~第27回)

(第1回)2022年4月のラインナップ
(第2回)2022年5月のラインナップ
(第3回)2022年6月のラインナップ
(第4回)2022年7月のラインナップ
(第5回)2022年8月のラインナップ
(第6回)2022年9月のラインナップ
(第7回)2022年10月のラインナップ
(第8回)2022年11月のラインナップ
(第9回)2022年12月のラインナップ
(第10回)2023年1月のラインナップ
(第11回)2023年2月のラインナップ
(第12回)2023年3月のラインナップ
(第13回)2023年4月のラインナップ
(第14回)2023年5月のラインナップ
(第15回)2023年6月のラインナップ
(第16回)2023年7月のラインナップ
(第17回)2023年8月のラインナップ
(第18回)2023年9月のラインナップ
(第19回)2023年10月のラインナップ
(第20回)2023年11月のラインナップ
(第21回)2023年12月のラインナップ
(第22回)2024年1月のラインナップ
(第23回)2024年1月後半~2月前半のラインナップ
(第24回)2024年2月後半~3月のラインナップ
(第25回)2024年4月のラインナップ
(第26回)2024年6月のラインナップ
(第27回)2024年7月のラインナップ

8月のラインナップはこちら!

日曜ゴールデンシアター
8月4日(日)夜7時~
歌舞伎『義経千本桜 鳥居前』(平成30年1月・浅草公会堂)
   『与話情浮名横櫛』(平成17年4月・歌舞伎座)

8月11日(日・祝)夜7時~
ゴダイゴコンサート『Godiego 40th Anniversary Live』

湯浅「さて、8月のラインナップ紹介となりました」

吉田「作品が少ないですね」

湯浅「夏ですからね、スポーツ編成等で休止が多い月でございます」

吉田「オリンピックイヤー真っ只中ですもんね。注目競技や選手もいますが、時差の関係でなかなか観たい競技をリアルタイムで観戦するのは難しいですよね。
 でも、どんな競技であれ、世界一を目指して戦う選手の闘志は心を打ちます。若い頃よりも、歳を重ねてより感動が増している気がします」

湯浅「残念ながら、弊社ではオリンピック中継はございません!(笑) でもきっとこの対談が公開されている頃には日本勢が大活躍しているでしょうね!」

吉田「はい! きっとそうですね」

湯浅「さあ、そんな中ですが、まず4日は歌舞伎をお送りします。
 『義経千本桜 鳥居前』は有名な演目ですね。源平の合戦の世を舞台にした名作です。中村隼人さんが初めて荒事の役柄に挑戦したフレッシュな舞台でもありますので、そちらにもご注目いただければと思います!」

8月4日(日)夜7時~
歌舞伎『義経千本桜 鳥居前』(平成30年1月・浅草公会堂)
『与話情浮名横櫛』平成17年4月・歌舞伎座)

吉田「中村隼人さんは、歌舞伎の古典作品からスーパー歌舞伎のような新しい作品まで意欲的に取り組んでいる若手人気俳優ですね。
 また、『義経千本桜』は見所が満載の通し狂言です。通しではなくても、1つの場を独立した芝居として上演されることも多い名作で、特に初心者の方にはオススメな演目ですね」

湯浅「もう1作品は『与話情浮名横櫛』です。『よわなさけうきなのよこぐし』と読みます。江戸狂言らしい粋な風情のなかで男女の数奇な運命を退廃美豊かに描いた作品で、昭和歌謡『お富さん』も大ヒットしたお富と与三郎の物語です」

吉田「春日八郎さんの“死んだはずだよ お富さん♪”ですよね。私でギリギリうっすら記憶があるレベルなので、湯浅さんは世代的に聴いたことないですよね。でもこの歌の元ネタが歌舞伎の演目だとはさすがに知りませんでした。改めて歌詞を読んでみると、まさに風情と数奇さを感じさせるフレーズが随所にあって、時代こそ違いますが、世にも奇妙な男女の恋話と捉えれば、今の若い人たちにも面白く感じられる演目だと思います」

湯浅「仁左衛門さんが与三郎、玉三郎さんがお富を演じます」

湯浅「続いて、11日はゴダイゴのコンサートです」

吉田「ゴダイゴは、1976年にキーボーディストのミッキー吉野さんが中心となって結成された日米混合の5人組ロックバンドです。
 1978年にテレビドラマ『西遊記』の主題歌『モンキー・マジック』と、エンディング・テーマ『ガンダーラ』が爆発的ヒット。
 1985年に一時活動休止するも、結成30周年にあたる2006年に奈良・東大寺で全盛期メンバーによるコンサートが開催され、再始動を宣言。高度なテクニックに裏打ちされたポップなメロディで、今も世代を超えて愛されるバンドですね」

8月11日(日・祝)夜7時~
ゴダイゴコンサート『Godiego 40th Anniversary Live』

湯浅「今年は『銀河鉄道999』のヒットから45年、来年はバンド結成50周年となるゴダイゴ。現在ツアー中でもありまして、そのタイミングでの放送となります」

吉田「50周年なんですね! この前もテレビで名曲を披露するゴダイゴを観ましたが、パワフルで熱気があって、年齢を全く感じさせないパフォーマンスでした。
 小さい頃、『西遊記』を毎回楽しみに観ていて、テレビから流れてくる独創的なサウンドと歌詞の世界観に、幼心にも感性をくすぐられるものがありましたね。

湯浅「今回は、そんなゴダイゴが40周年を記念して公演したコンサートを無料初放送でお届けします」

湯浅「そして、以下フリートークです!」

吉田「そういえば、完全に私事なんですが、神奈川県大磯にある、うちの実家の讃岐うどん屋が8月末で、25年の歴史に幕を下ろすんです。
 私の両親が香川県出身で親戚が高松でうどん屋をやっていたこともあり、もともと一緒に劇団をやっていた兄が店主で、両親も手伝う形で手打ち讃岐うどん屋を開業したのが1999年のことでした。地元の人はもちろん、これまで多くの舞台人や、大磯に住む著名人たちにも愛されたお店でした」

湯浅「今調べたら、大磯駅からも徒歩数分くらいですよね。8月末までに行きますね」

吉田「私も閉店までには数回は行こうと思っています」

湯浅「ちなみに僕は岡山県出身で、前前職が岡山・香川エリアを対象とする放送局だったこともあり、香川には何度も訪れたことがあります。うどんにはちょっとうるさいところもありますが、おすすめのメニューは何ですか?」

吉田「“かけだし”と”ざるだし”とそれぞれでおすすめはありますが……でも人気なのはカレーうどんです(笑)。あと、“うどんすき”(うどんと様々な具材を煮ながら食べる寄せ鍋)もあります!」

湯浅「うどん屋さんの出汁で作るカレーってどうしてあんなに美味しいんですかね? 今、ホームページを見てますが、うどんすき、なんかすごいですね、食べ放題!」

吉田「豪華なんです! ぜひ!」

湯浅「あ! ホームページの下のほうにお兄さんの写真載ってますが、そこはかとなく吉田さんに似てますね」

吉田「6歳上なんですが、元々役者を目指していたこともあって、今も若々しいです。あと8月は花火大会もあるのでそれに合わせて訪れるもいいかもしれません!」

湯浅「7月26日、8月9日、8月17日と3回も打ち上げあるんですね! 15分程度……!」

吉田「サクッと見るには良いかと思います」

湯浅「夏を感じますね……!」

吉田「夏は大磯へ! 大磯ロングビーチもあるので……!」

湯浅「ビーチは暑そうだ…!(笑) でも夏の思い出候補として前向きに調整したいと思います」

吉田「ぜひ!」

湯浅「余談ですけど、特に僕は食生活や宗教にとかくこだわりのようなものはない人間ですが、最近仕事柄でいわゆる“プラントベース”というものを調べています」

吉田「プラントベース……?」

湯浅「植物由来の食品のことで、昨今、大手企業が開発に乗り出しているみたいです。今年のパリ五輪で提供される食品の6~7割近くがプラントベースだという記事も出ていて。来年、大阪万博を控える日本でも、この流れがさらに加速するのかなあと思っています」

吉田「例えば豆腐ハンバーグみたいなことですか?」

湯浅「そうです、そうです。いわゆるダイズですね。弊社があるビルの1階にやたら(金額が)高めのコメダ珈琲さんがあるのですが、『KOMEDA IS □』という店名でこれは何と読むんだろうと思っていたところ、『コメダイズ』と読むそうで。プラントベースに特化したコメダ珈琲さんだから、通常より少し高めなんだそうです。ハンバーガーなんかも大豆で作っているらしくて」

吉田「なるほど」

湯浅「ともすれば、ヴィーガンというと少しだけ日本人は過激なイメージがあるやもですが、プラントベースはどちらかというと、健康志向やタンパク質摂取、カロリー制限など、ジムなどに通われている方などにも人気だそうです」

吉田「確かにジムに通って行くと、そこでサンプル品とか、コマーシャル動画とか、プラントベース系のCMが最近よく流れますよね」

湯浅「話が一瞬飛ぶんですが、今年の夏はインドに行こうとしていて、宗教上の理由での食文化みたいなものも調べているんですけど、牛が食べられないとか、豚が食べられないとかあるなかで驚いたのは『親子を一緒に食べてはいけない』宗教があるんです」

吉田「どういうことですか?」

湯浅「さっき、お兄さんのうどん屋さんのメニューを見ていて思い出したのですが、まさに親子丼は食べられないです」

吉田「初めて聞きました。他人丼って知ってますか?」

湯浅「何でしたっけ?」

吉田「牛肉や豚肉を卵でとじたやつです。他人丼だったらいいってことですよね?」

湯浅「おそらく……そうだと思います! ただよくよく考えたら確かに残酷かなと思いました。そのほかだと、チーズバーガー(牛乳と牛肉)や鮭いくら丼も絶対にだめだそうです。   
 話が脱線しましたが、こんな感じでいろんな食文化、食生活を調べる毎日です」

吉田「ぜひ、新番組を企画してください(笑)」

湯浅「それでは次回は9月ですね。良い夏をお互い過ごしましょう!」

吉田「ぜひ、大磯へ!(笑)」

湯浅「……暑そうだ!」

プロフィール

湯浅敦士(ゆあさ・あつし)
日本大学芸術学部演劇学科卒。他局を経て、2021年にBS松竹東急に入社。BS松竹東急の演劇や音楽の編成、お酢偏愛番組『お酢きびと』などのプロデューサーを担当。プライベートでも舞台の脚本を手掛けるなど、演劇を愛する気持ちに満ちている。

吉田祥二(よしだ・しょうじ)
シアター情報誌[カンフェティ]編集長。早稲田大学第一文学部卒。在学中に劇団を旗揚げし、以来約10年に渡って同劇団の主宰・脚本家・演出家を務める。2004年に「エンタテインメントを、もっと身近なものに。」を理念に掲げ、ロングランプランニング株式会社を起業。趣味は登山(縦走)。

【放送局】 BS松竹東急(BS260ch/総合編成無料放送)
【局公式Twitter】 @BS260_official

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