連続対談企画㉕『“演劇”のある生活』[4月放送分](BS松竹東急プロデューサー・湯浅敦士×カンフェティ編集長・吉田祥二)

連続対談企画㉕『“演劇”のある生活』[4月放送分](BS松竹東急プロデューサー・湯浅敦士×カンフェティ編集長・吉田祥二)

第25回 無料放送局『BS松竹東急』 4月の演劇・音楽ラインナップをご紹介!

 BS松竹東急は、映画・歌舞伎・一般演劇などのエンターテインメントを通じて人々に感動を届けてきた松竹グループと、渋谷をはじめとした街づくりによって、人々の豊かな暮らしの基盤を構築してきた東急グループがコラボレーションして、2022年3月26日に開局した放送局。編成コンセプトに、『誰もが楽しめて親しみやすい歌舞伎や劇場文化』を掲げている。
 また演劇以外にも、映画・オリジナルドラマなど、あらゆるジャンルの番組を編成し放送する無料総合編成チャンネルとして、上質感やワクワク感をお届けするという……、なんとも謎に包まれた放送局である。
 この企画では、かねてより親交のあったBS松竹東急の湯浅プロデューサーを迎え、カンフェティ編集長の吉田とともにBS松竹東急のラインナップを紹介しながら、ざっくばらんと各々が思う演劇について月いちペースで語っていく、そういう対談企画である。

※過去回はリンク先にて公開中!

(第1回~第24回)

(第1回)2022年4月のラインナップ
(第2回)2022年5月のラインナップ
(第3回)2022年6月のラインナップ
(第4回)2022年7月のラインナップ
(第5回)2022年8月のラインナップ
(第6回)2022年9月のラインナップ
(第7回)2022年10月のラインナップ
(第8回)2022年11月のラインナップ
(第9回)2022年12月のラインナップ
(第10回)2023年1月のラインナップ
(第11回)2023年2月のラインナップ
(第12回)2023年3月のラインナップ
(第13回)2023年4月のラインナップ
(第14回)2023年5月のラインナップ
(第15回)2023年6月のラインナップ
(第16回)2023年7月のラインナップ
(第17回)2023年8月のラインナップ
(第18回)2023年9月のラインナップ
(第19回)2023年10月のラインナップ
(第20回)2023年11月のラインナップ
(第21回)2023年12月のラインナップ
(第22回)2024年1月のラインナップ
(第23回)2024年1月後半~2月前半のラインナップ
(第24回)2024年2月後半~3月のラインナップ

4月のラインナップはこちら!

日曜ゴールデンシアター ほか
4月7日(日)夜7時~
『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』

4月14日(日)夜7時~
『舟木一夫スペシャルコンサート2019』

4月21日(日)夜7時~
歌舞伎『馬盗人』(平成22年7月・新橋演舞場)
   『梶原平三誉石切』(平成25年5月・歌舞伎座)

4月28日(日)夜7時~
伊東四朗一座 ~帰ってきた座長奮闘公演~『喜劇 俺たちに品格はない』

湯浅「4月になりましたね、BS松竹東急も開局2年を迎えて、3年目がスタートしました」

吉田「3年目突入おめでとうございます! 映画・歌舞伎・舞台やオリジナルドラマに加え、完全無料とは思えない番組ラインナップがますます充実していってますよね!」

湯浅「この2年でスポーツ中継が始まったり、音楽編成も始まったりと……最後発の放送局として時に大胆に、時に手探りで……いろいろと試してきましたが、そんななかの4月改編も迎えました」

吉田「舞台業界しか知らないので興味深いのですが、放送局における改編時期というのは、やっぱり一大イベントというか、1つの大きな節目なんですか?」

湯浅「基本的に放送局では1クール(3ヶ月)ごとに、改編があります。ただ1月と7月の改編は例えばドラマの内容が変わるとか、小規模なものであるケースが多いです。
 一方で、4月・10月という上期・下期と呼ばれるタイミングでは大きな改編をします。無料放送局の最大の売り物はやはり”番組”であり、広告収入が主たる収入源である以上、多くの方に視聴いただく必要があるのは当然で、このタイミングで大きな目玉や花火を各局一堂に用意することで話題作り=視聴誘引みたいなことにつなげようというところがあるのではないでしょうか」

吉田「舞台業界も参考にするべきものはある気がしますね。何か自分たちでユーザーを意識した盛り上がりを作るのは重要なことな気がします」

湯浅「最近の推し活ブームから、11月4日が『いい推しの日』だったりしますが、そんなかたちで、演劇にまつわる記念日を制定して、舞台に関わる人や愛する観客含めてその日を祝うようなことから始めるのも、そもそも演劇に興味のない方にも訴求できる気がしますね。
 それではまず、舞台や音楽を毎週お送りしている日曜ゴールデンシアターです! 4月改編に伴い、少しだけ開始時間が遅くなり、4月からは夜7時からの放送となります!」

吉田「午後7時からって、いわゆるテレビのゴールデンタイムですよね。より幅広い世代に楽しめる番組を期待しています!」

湯浅「そして最後にピックアップしますが……昨年単発番組として制作しました『お酢きびと』のレギュラー化も、この4月改編で決定しました!!」

吉田「おめでとうございます! 湯浅さん肝いりの企画ですもんね。これで酢ブームの到来、間違いなしですね!」

湯浅「確信しています! それでは改めて日曜ゴールデンシアターのラインナップです。
 4月7日は三谷幸喜さんの作・演出でおくる『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』です」

吉田「本作は、若かりし日のシャーロック・ホームズが誰もが知る名探偵になるまでの物語です。三谷幸喜さんの作品は話題作ばかりですが、柿澤勇人さん、佐藤二朗さん、広瀬アリスさんと出演者も豪華、笑いもふんだんに取り入れられていて、舞台初心者でも楽しく最後まで観られるエンターテインメント作品です!」

湯浅「ホームズはまだ20代の若者。人間としても探偵としても未完成のシャーロックが直面する、人生最初で最大の試練とは? お楽しみください!」

4月7日(日)夜7時~
『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』

湯浅「そして、14日には舟木一夫さんのコンサートを放送します」

吉田「昨年末もこちらの対談でご紹介しましたが、舟木さんと言えば、橋幸夫さん・西郷輝彦さんとともに“御三家”と呼ばれ、『高校三年生』などの学園ソングで人気を博しました。今でも精力的にコンサート活動をされていて、心に残る歌声で根強いファンがいますよね。
 芸能生活60周年を迎えられ、今もコンサートで絶賛全国をツアーで回っていらっしゃいます。今年2~9月までのスケジュールをHPで見たのですが、とても80歳で回れる回数ではなく、本当に舟木さんのパワフルさを感じます」

湯浅「おっしゃるとおりで、なんと今年で80歳! 本当に精力的ですよね。是非コンサート映像をご覧になって、実際の公演も足を運んでみてはいかがでしょうか?」

4月14日(日)夜7時~
『舟木一夫スペシャルコンサート2019』

湯浅「毎月必ず1本は放送している歌舞伎ですが、4月は『馬盗人』(平成22年7月・新橋演舞場)と『梶原平三誉石切』(平成25年5月・歌舞伎座)をお送りします。
 『馬盗人』は、歌舞伎ではお馴染みの小道具の馬が曲に合わせて踊ったり大活躍するお伽噺のような舞踊劇。
 一方で「梶原平三誉石切』は源氏の重臣として知られる梶原景時が、平家に仕えていた頃の物語。その当時もひそかに、景時は源氏に心を寄せていたというエピソードを描いた時代物の名作です」

4月21日(日)夜7時~
歌舞伎『馬盗人』(平成22年7月・新橋演舞場)・『梶原平三誉石切』(平成25年5月・歌舞伎座)

湯浅「そして、28日は、伊東四朗一座 ~帰ってきた座長奮闘公演~『喜劇 俺たちに品格はない』です」

吉田「2004年、当初は“伊東四朗一座”として旗揚げし、1回限りの公演で解散するはずが大きな反響を呼んで、その後定期的に公演が行われるようになりますが、伊東さんが参加しない場合は三宅裕司さんが座長となり“熱海五郎一座”として上演。この公演は久々に伊東さんが座長として帰ってきた記念公演で、タイトルもチラシも、本当に秀逸です」

湯浅「今年には新橋演舞場シリーズも10回目を迎えており、伊東四朗さんのゲスト出演も発表されましたよね」

吉田「東京喜劇『スマイル フォーエバー ~ちょいワル淑女と愛の魔法~』ですね。タイトルとチラシビジュアルのギャップが最高です!」

4月28日(日)夜7時~
伊東四朗一座 ~帰ってきた座長奮闘公演~『喜劇 俺たちに品格はない』

大好評につき、
この春レギュラー化が決定!
毎週木曜夕方6時~
お酢偏愛番組「お酢きびと」

吉田「楽しみです!」

湯浅「さらに追加”お酢きびと”も続々……!? 放送は毎週木曜の夕方6時から放送で、放送後はTVerでの見逃し配信も行いますので、是非是非チェックしてみてください」

吉田「インド料理やもつ焼きなど、あまり酢のイメージがない料理にも実は酢の存在があって、観て楽しいだけでなく、酢の新たな可能性も教えてくれて、教養も身につく素敵な番組ですよね」

湯浅「ありがとうございます! また4月28日(日)にはニコニコ超会議の松竹ブースにて、『須田亜香里 の出張!ちょい足酢レシピ』というイベントをします! よかったら遊びに来てくださいね!
 それでは、以下、フリートークです」

吉田「4月から難波に大阪事務所ができました! 関西の演劇シーンも、さらに盛り上げていきたいと思います」

湯浅「これで大阪に遊びに行ったときにはカンフェティさんの事務所に泊まれますね!」

吉田「私はいませんが……担当に言っておきますね! なんば駅の近くです」

湯浅「立地、むちゃくちゃいいですね! ちなみに、どうして関西支社を設置したんですか?」

吉田「もともと関西の主催者様とはやりとりはあったのですが、よりエンターテインメントを広げていくために、大阪にも拠点を置いて腰を据えて、ということですね」

湯浅「具体的にどういう展開を関西で行われるんですか?」

吉田「2月には、先行してカンフェティ関西版を創刊しました。東京での事業展開と大きくは変わりませんが、関西の演劇シーンを応援したい気持ちです!
 あと何より私が奈良出身で、演劇に目覚めたのも関西、ということも大きいです」

湯浅「相変わらずの演劇応援愛ですね、それで関西支社まで作ってしまうとは……。関西で面白い劇団がいたら是非是非教えて下さいね」

吉田「そういえば、4月からはBS松竹東急では新卒の方は入るんですか?」

湯浅「まだそこまでの体力はないのかもしれません。今いる人間も全員中途採用で、やはりしばらくは経験者採用が続くのだと思います。なかなか新人を育てるほどの余裕が各社員ともにないのが実情なのではないでしょうか。カンフェティさんはどうですか?」

吉田「今年は1人、新卒の採用でした」

湯浅「さすがですね」

吉田「即戦力という意味では中途の方も大切ですが、やっぱり若い人の発想だったり、エンタメ業界が大きく様変わりしている中で、そういったものをキャッチしている新しい世代がいることで、サービスのブラッシュアップにも繋がるので、積極的に若い人を採用する傾向はありますね」

湯浅「最近、ファンビジネスや企業のファン化に向けた動きに注力している企業が多いと思いますが、社内の人間が自社のファンになることがまずいちばん大事だと思ってます。
 自分の会社を愛してもないのに、『他人や他企業にファンになってください……!』は、さすがに無理があると思うんです。そういう意味で、新卒の方にとってはやっぱり最初に就職した企業は特別なところがあると思いますし、迎える企業側も大切に育てたいという思いが、若いこともあいまって、中途の方に比べて強いのではないでしょうか」

吉田「そうですね。責任重大ですが、弊社は若い女性社員も多くアットホームな社風なので、一緒に楽しくやっていけたらと思います」

湯浅「それでは採用情報でも掲載しておきますか!(笑)」

吉田「(笑)」

湯浅「……というところで、本日はここまでということで、新しい年度が始まりましたが引き続きよろしくお願いします!」

吉田「よろしくお願いします!」

プロフィール

湯浅敦士(ゆあさ・あつし)
日本大学芸術学部演劇学科卒。他局を経て、2021年にBS松竹東急に入社。BS松竹東急の演劇編成、週末ミライシアターなどのプロデューサーを担当。プライベートでも舞台の脚本を手掛けるなど、演劇を愛する気持ちに満ちている。

吉田祥二(よしだしょうじ)
シアター情報誌[カンフェティ]編集長。早稲田大学第一文学部卒。在学中に劇団を旗揚げし、以来約10年に渡って同劇団の主宰・脚本家・演出家を務める。2004年に「エンタテインメントを、もっと身近なものに。」を理念に掲げ、ロングランプランニング株式会社を起業。趣味は登山(縦走)。

【放送局】 BS松竹東急(BS260ch/総合編成無料放送)
【局公式Twitter】 @BS260_official

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