連続対談企画㉙『“演劇”のある生活』[9月放送分](BS松竹東急プロデューサー・湯浅敦士×カンフェティ編集長・吉田祥二)

連続対談企画㉙『“演劇”のある生活』[9月放送分](BS松竹東急プロデューサー・湯浅敦士×カンフェティ編集長・吉田祥二)

第29回 無料放送局『BS松竹東急』 9月の演劇・音楽ラインナップをご紹介!

 BS松竹東急は、映画・歌舞伎・一般演劇などのエンターテインメントを通じて人々に感動を届けてきた松竹グループと、渋谷をはじめとした街づくりによって、人々の豊かな暮らしの基盤を構築してきた東急グループがコラボレーションして、2022年3月26日に開局した放送局。編成コンセプトに、『誰もが楽しめて親しみやすい歌舞伎や劇場文化』を掲げている。
 また演劇以外にも、映画・オリジナルドラマなど、あらゆるジャンルの番組を編成し放送する無料総合編成チャンネルとして、上質感やワクワク感をお届けするという……、なんとも謎に包まれた放送局である。
 この企画では、かねてより親交のあったBS松竹東急の湯浅プロデューサーを迎え、カンフェティ編集長の吉田とともにBS松竹東急のラインナップを紹介しながら、ざっくばらんと各々が思う演劇について月いちペースで語っていく、そういう対談企画である。

※過去回はリンク先にて公開中!

(第1回~第28回)

(第1回)2022年4月のラインナップ
(第2回)2022年5月のラインナップ
(第3回)2022年6月のラインナップ
(第4回)2022年7月のラインナップ
(第5回)2022年8月のラインナップ
(第6回)2022年9月のラインナップ
(第7回)2022年10月のラインナップ
(第8回)2022年11月のラインナップ
(第9回)2022年12月のラインナップ
(第10回)2023年1月のラインナップ
(第11回)2023年2月のラインナップ
(第12回)2023年3月のラインナップ
(第13回)2023年4月のラインナップ
(第14回)2023年5月のラインナップ
(第15回)2023年6月のラインナップ
(第16回)2023年7月のラインナップ
(第17回)2023年8月のラインナップ
(第18回)2023年9月のラインナップ
(第19回)2023年10月のラインナップ
(第20回)2023年11月のラインナップ
(第21回)2023年12月のラインナップ
(第22回)2024年1月のラインナップ
(第23回)2024年1月後半~2月前半のラインナップ
(第24回)2024年2月後半~3月のラインナップ
(第25回)2024年4月のラインナップ
(第26回)2024年6月のラインナップ
(第27回)2024年7月のラインナップ
(第28回)2024年8月のラインナップ

9月のラインナップはこちら!

日曜ゴールデンシアター
9月1日(日) 夜7時~
沢田研二LIVE2022-2023『まだまだ一生懸命』

9月8日(日) 夜7時~
LUNA SEA The End of the Dream ZEPP TOUR 2012『降臨』

9月15日(日) 夜7時~
歌舞伎『奥州安達原 環宮明御殿の場』(平成18年1月・歌舞伎座)

湯浅「さて9月ですね。思えば、今年もあと4ヶ月……本当ですか?」

吉田「梅雨の前から始まった長い真夏の暑さもようやく落ち着いてくる頃ですね。この数ヶ月、本当に暑すぎてちゃんと頭が働いてなかった気がします。。が、これから年末に向けて、自分を取り戻して、覚醒して、いろいろと頑張っていきたいと思います。我が社も20周年の真っ最中なので! 一方で、地味に10数年ぶりに物書き的なことも始めています。日記レベルですが」

湯浅「物書き的なこと……ですか?」

吉田「はい、日記のアプリがあるじゃないですか?あれに、書き留める程度ですけど……」

湯浅「それはカンフェティ20周年にかこつけた、社史的な関連ですか?」

吉田「いえ、全く関係なくて……昔やっていた創作的なものです」

湯浅「戯曲ですか……!」

吉田「アイデアを書き留めるレベルですけど、会社を始めてから本当に書くのはやめていたので、自分で面白いと思ったことを書き留めて、いずれ形になったらと思っています」

湯浅「形になりましたら、ぜひ一緒に上演しましょう!」

吉田「いいですね!」

湯浅「実際、物語って何かしら思いや危機感など、背景にないと……書けると思ってもなかなか進まないものだと思います。筆が進むということは素敵なことだと思います!楽しみです」

湯浅「そんな中で9月のラインナップですが、1日には沢田研二さんのライブを放送します」

吉田「沢田研二さんは、19歳の時にザ・タイガースのボーカリストとしてデビュー。バンド解散後はソロ活動を開始し、『勝手にしやがれ』『時の過ぎゆくままに』『TOKIO』など数多くのヒット曲を世に送り出し、70~80年代の日本のトップミュージシャンとして活躍。ジュリーの愛称で親しまれ、カッコよくて妖艶で、パラシュートを付けたり、スケスケ衣装などの派手なパフォーマンスで一世を風靡しました。現在も精力的にコンサート活動をされていて、今年も全国ツアー 沢田研二 LIVE 2024『甲辰 静かなる岩』が開催中で、追加公演が行われるほど人気を博しています」

9月8日(日) 夜7時~
LUNA SEA
The End of the Dream ZEPP TOUR 2012『降臨』

湯浅「そして8日はLUNA SEAのライブです!」

吉田「LUNA SEAといえば、1989年に結成されたRYUICHI、SUGIZO、INORAN、J、真矢の5人組のヴィジュアル系ロックバンドです。ちょうど私が思春期の頃にブームを巻き起こした人気バンドで、今もなお男女問わず熱狂的なファンが多いです。ボーカルの河村隆一さんは、ソロ活動で舞台出演もされており、個人的には、主役を務められたミュージカル『嵐が丘』でのヒースクリフ役は今も強く印象に残っています」

湯浅「今年はLUNA SEA 35周年ツアーの真っ最中で、来年2月には東京ドーム公演も予定されています」

吉田「劇団でも、メンバーを入れ替えながら、長年続く劇団はあって、道半ばで劇団をやめてしまった自分にとっては、心からリスペクトしていますが、LUNA SEAのように結成当時からメンバーが変わらず35年という歳月を重ねて、しかも新たな魅力を発信しつづけるというのは、並大抵のことではないです。本当に強い絆を感じますね」

9月15日(日) 夜7時~
歌舞伎『奥州安達原 環宮明御殿の場』
(平成18年1月・歌舞伎座)

湯浅「続いて、15日は歌舞伎ですね。『奥州安達原 環宮明御殿の場』は、前九年の役で八幡太郎義家に敗れた奥州の安倍一族が復讐を図る物語で上演頻度が高いこの『環宮明御殿の場』は、親子の情愛と葛藤を描いた作品です」

吉田「平安時代末期。源頼義と安部頼時が戦ったその後の話で、頼義の息子八幡太郎義家と、義家を親の仇と狙う安部貞任、宗任。今に置き換えて考えると、親の仇を子が討つというのはあくまで物語上の出来事でしかピンとこないですが、安達原の鬼女伝説や、猟師の亡霊が動物霊の責め苦に苦しむ善知鳥の伝説などを織り交ぜ、一大スペクタクルとして楽しめる時代物ですね」

湯浅「歴史もそこまで詳しいとは……さすがですね」

吉田「むちゃくちゃ調べました(笑)」

湯浅「ありがとうございます。……なので、諸説あり、ということしておきますね。気になった方はぜひ、ご自分でお調べください」

吉田「ありがとうございます!」

湯浅「ちなみに、知り合いの岩手県出身の方が大変楽しみだ!って言っていましたけど……」

吉田「東北の豪族が安倍一族なので、その関係ですかね!」

湯浅「……一応、これも諸説あり、としておきましょう!(笑)」

吉田「はい!」

湯浅「そして、以下フリートークです!今年は花火は見ましたか?先日、お呼ばれして、隅田川の花火大会、ばっちり見てきました!」

吉田「場所はどのあたりからですか?」

湯浅「知り合いが会場近くに住んでいらっしゃったので、スカイツリーの真下くらいから見ました。なんとも貴重な体験でした」

吉田「まだ行ってませんが、大磯の港から上がる花火大会は行こうかなと思っています」

湯浅「いいですね! あと最近だと、名古屋で開催された世界コスプレサミットに行ってきました! 世界各国のコスプレイヤーが名古屋に集結。舞台では、各国の代表が寸劇まじりに衣装を披露するイベントで、今年は日本がグランプリしていました。本当に素敵なパフォマーンスでした!」

吉田「国によっての特徴とかはあるんですか?」

湯浅「それが特に……なく、アメリカやイギリスだけでなく、インドやサウジアラビアといった国の方が参加されていて、日本のアニメ・ゲーム文化がこんなにも世界に届いていたんだな、と再認識する機会でした。個人的にはヨコオタロウ氏が審査員で参加されていて、思わず声をあげました」

吉田「豪華ですね!」

湯浅「名古屋市長などもコスプレしていたりとあるのですが、全体的にやっぱり鳥山明先生のこともあってか、ドラゴンボールをはじめとした、鳥山先生の作品コスプレが目立ちました。夜にはインドネシアやベトナムのオーガナイザーと呼ばれる仕事をされている人とも知り合いになれまして、今月はインドに行くのですが、ますます海外への興味が湧きました」

吉田「気軽に各国の人が集ってイベントとして楽しめるという場は、各々の世界が広がるという意味でも素敵なことですね。舞台業界でも、公演とは別にそういう催しがもっと行われるといいなと思いました。そういうのがあれば、かしこまらずにみんな楽しむこともできるんだろうなと」

湯浅「最後には大須商店街という商店街でパレードを行っていたのですが、一堂に世界中のコスプレイヤーが大須観音に集まり、そこから商店街を練り歩きます。観光客等が商店街の脇にずら~っと並んで、写真を撮影したり、手を降ったり……。一般人でも自分が主役になれる、という普通の観光では当然ありえないことを商店街ぐるみで行われているということが本当にすばらしいことだと思いましたし、参加された外国の方も、きっと日本をもっと好きになってくれたんじゃないかと、思いました。蚊帳の外の人間ではありますが……(笑)来年は出場してみたいと妄想レベルで思っています!」

吉田「何をやるんですか?」

湯浅「決まっていませんが、顔が見えないやつにします!」

吉田「そうですね、僕がやるとしてもそうします(笑)」

湯浅「そんなところで、9月が終われば、10月……早いものですね」

吉田「はい……ですね(笑)」

湯浅「それでは、また、10月よろしくお願いします!」

吉田「よろしくお願いします!」

プロフィール

湯浅敦士(ゆあさ・あつし)
日本大学芸術学部演劇学科卒。他局を経て、2021年にBS松竹東急に入社。BS松竹東急の演劇や音楽の編成、お酢偏愛番組『お酢きびと』などのプロデューサーを担当。プライベートでも舞台の脚本を手掛けるなど、演劇を愛する気持ちに満ちている。

吉田祥二(よしだ・しょうじ)
シアター情報誌[カンフェティ]編集長。早稲田大学第一文学部卒。在学中に劇団を旗揚げし、以来約10年に渡って同劇団の主宰・脚本家・演出家を務める。2004年に「エンタテインメントを、もっと身近なものに。」を理念に掲げ、ロングランプランニング株式会社を起業。趣味は登山(縦走)。

【放送局】 BS松竹東急(BS260ch/総合編成無料放送)
【局公式Twitter】 @BS260_official

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