東京マハロを主宰する矢島弘一が書き下ろした、舞台『母、2メートル先を行く』。とある田舎町を舞台に、母と娘と憎めない人たちの物語を描き出す。
「2年ほど前に、講談社さんから『新作でやりましょう』とありがたいお声掛けをいただいたのがきっかけで、今回の公演へと至りました。自分に何が書けるのかを考える中で、母と娘の物語を書きたい、と。以前に東京マハロで『スープラに乗って』という作品を上演したのですが、それは血が繋がっていない親子の物語でした。なので今回は、血が繋がっていて父親もいる。そうした家族の物語を作りたいという思いがありました」
主人公のソラは立ち食い蕎麦屋でバイトをしている。蕎麦屋を舞台に選んだ理由を尋ねると……。
「僕は、どの作品も、『弱い人の味方になる』『弱い人が弱いままでも生きられる社会になってほしい』という思いを脚本に落とし込めたらいいなと思って書いています。立ち食い蕎麦屋というのは、経済的にも安上がりで、お腹いっぱいになるので、ある意味では余裕のない人たちが集っている場所なのかなというところからスタートしました。今回は、休憩なしの2幕で展開します。1幕は田舎のとある町、2幕は東京を舞台にしていますので、蕎麦屋は後半には出てこないのですが、そうした明確に場面を分けるというのも、今回、初の試みです」
母・シズを演じるのは田中美里。そして、娘・ソラを佐竹桃華が演じる。
「佐竹さんとは以前もご一緒していますが、才能の塊のような俳優さんです。今回どういう色になるのかすごく楽しみです。美里さんとはプライベートではお付き合いがあるのですが、お仕事をするのは初めて。優しい雰囲気を持っている方なので、おふたりの相性も良いのではないかと思います」
東京マハロの劇団員に加え、橋本祥平、陳内将ら豪華キャストが顔を揃える。
「橋本さんと陳内さんは、物語のキーとなる役柄を演じてくれます。橋本さんが演じる三条ケインはミュージシャンです。かっこいいけど、実はダサいというキャラクターなので、いろいろな面を見せてくれると思います。陳内さんが演じる清太郎は、最後にソラに丸をつけてあげられる役どころ。おふたりがどのようなお芝居をしてくださるのか、今からとても楽しみにしています」
(取材・文:嶋田真己 撮影:間野真由美)
プロフィール
矢島弘一(やじま・こういち)
劇団「東京マハロ」主宰・脚本・演出。2006年に劇団「東京マハロ」旗揚げ。2016年、TBS『毒島ゆり子のせきらら日記』でテレビ脚本デビュー。同作で第35回向田邦子賞を受賞し、確かな筆致と人物描写の巧みさが高く評価されている。TBS『コウノドリ~命についてのすべてのこと~』など民放のドラマをはじめ、『ハルカの光』、『風よ あらしよ』、『東京の雪男』、『やさしい猫』などのNHK ドラマの脚本を担当。『六人の嘘つきな大学生』では初の映画脚本を担当。最新作は、フジテレビ『夫婦別姓刑事』。2026年5月、劇団「東京マハロ」20周年記念公演を本多劇場で上演した。
公演情報
東京マハロ×講談社『母、2メートル先を行く』
日:2026年11月18日(水)〜29日(日)
場:東京芸術劇場 シアターウエスト
料:8,800円 学割チケット5,000円 ※要学生証提示(全席指定・税込)
HP:https://www.polepole2022.com/project/mother2m/
問:polepole https://www.polepole2022.com/contact/
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