おてんば娘と用心棒たち! 運命の渦へ巻き込む疾走劇 一度では追いつかない! 何度でも観たい魅惑の舞台

おてんば娘と用心棒たち! 運命の渦へ巻き込む疾走劇 一度では追いつかない! 何度でも観たい魅惑の舞台

 森勇介主宰「プロダクションピエロ」の2026年を締め括る時代活劇『傍目八目放浪記』が11月に上演される。人と妖怪が共存する平安時代を舞台に、種族を超えた愛や絆を描いていく。作品を代表して物語の中心を担う3人、髙橋彩香・渡部大稀・下前祐貴に話を聞いた。


≪個性豊かなキャラクターがたくさん出てくるということは、魅力ある役者さんがいっぱい出演するということ≫

―――高橋さんと下前さんは、過去に森さんが手掛けるプロダクションピエロ作品に出演されていますが、その魅力とは?

高橋「今年の4月、『黄昏の光』に出演しました。出演者が多いのにそれぞれのキャラがすごく濃いから、観ている方も理解しやすくて、事前知識がなくても入り込みやすい作品だと思ったのが第一印象です。今作も日替わりのキャストさんで話が変わったりするので、何回でも観たくなる仕掛けが魅力だと思います」

下前「僕は昨年の11月、『令和でサムライ』に出演しました。刀の帯刀が許された高校生の物語で、コメディかつ個性豊かな役者さんがいっぱいで。そのときがピエロ作品初参加で、台本を読んだ時の第一印象は、これは正気ですか?と。ダブルチームの方々によってストーリーの進み方が違って、お客さまは何回も観たい気持ちになると思うんですけど、我々としては物語が2倍!? “この流れの本編は共通のストーリーで次どっちだっけ?”、“今日このシーンは出るんだっけ?”と、混乱しそうでした」

(一同笑)

下前「でも僕らはお客さまに“何回も観てほしい”という気持ちでやっているので、そういう意味ではとても楽しんでもらえるところが魅力です。このアプローチの仕方はすごく素敵な印象です」

―――この作品は、人と妖怪が存在する混沌とした時代ファンタジーですが、台本を読んだ感想などお聞かせください。

高橋「人間と妖怪が交差するとはどういう感じなのかと思っていましたが、初めて読んだ時の印象は、妖怪だからわからないではなくて、妖怪にも人間味があって、それぞれの背景や考えに感情移入してしまいました。すごく入り込みやすい内容で、人間の闇深さや欲望も深く描かれていて、結局“怖いのは妖怪じゃなくて人間だよね”と」

下前「本当にその通りで、これは森さんの台本だからこそ。個性豊かなキャラクターがたくさん出てくるということは、魅力ある役者さんがいっぱい出演するということ。そこは見どころになると思います。
 人間と妖怪のお話に加えて殺陣も盛りだくさん。それをどうやっていい塩梅で1つの作品として完成させるか。どう向かっていくのか、自分はどんなものになっていくのか。みんなでいっぱい話し合うと思うと今から稽古が楽しみです。今から何してやろうかと考えてしまいます」

渡部「殺陣がとにかく多い作品かもしれないというのが第一印象です。僕の役は荒々しい感じのキャラクターで、対する水瀬(みなせ)がクールなタイプ。その対比を意識して色々出していけたら。それがとても楽しみです」

≪3人のイメージは赤、黄、青⁉≫

―――先に渡部さんにお聞きしますが、「珍しい役どころ」とSNSで投稿されていましたね。

渡部「僕は身長が小さめなので荒々しい役を振られることが割と少なくて。全く苦手ではなく、得意な方ではあるとは思っていて、それをお客さまに見せることができるのがすごく楽しみで、SNSで煽らせていただきました(笑)」

―――特技としてアクロバットをあげていらしていますが、どう演じていこうと思っていますか?

渡部「僕が演じる火卯我(ひゅうが)は、強い奴と戦いたくて旅をしている、しかも指名手配犯という役柄です。荒々しくはあるけど、台本を読むと可愛らしいシーンがちょくちょくあって、役なりのギャップをどう出していこうか、どう面白くしていこうか、どこまでやっていいのかな?と思っています」

森プロデューサー「うちは基本的にNGないです!」

(一同笑)

渡部「3人のコンビ感も含めて稽古中に色々挑戦していきたいと思います」

―――ビジュアル撮影もあったそうですが、手応えはいかがでしたか?

渡部「すごくカッコイイ。火卯我は火なので、赤を基調にした衣裳で、髪も上げて。あの雰囲気の衣裳とヘアメイクで火卯我を演じたら、すごく面白いものになるのではと。撮影では、台本を読んだイメージで色々なポーズをして挑みました」

―――高橋さんが演じる風美(ふみ)役についてはいかがですか?

高橋「おてんば娘ということなので、元気で一生懸命生きている女の子という印象です。まずは私自身が舞台上で一生懸命生きようと思いました。
 物語的には火卯我と水瀬に出会って、そこから波乱が沸き起こるので、お客さまも私と同じ目線で一緒に物語に巻き込まれて欲しいと思っていて、物語の入口になれるように風美を演じたいです。誰かの為にというよりは、自分のやりたいことへ真っ直ぐに走っていくのが風美。そしていろんなキャラクターと出会ってく中で少しずつ変化し、心変わりのシーンもあるので、丁寧にそして自由に演じていきたいです」

―――少し自分に似ているイメージですか?

高橋「そうですね。みんなこの生き方をして欲しいと思うくらい真っ直ぐな子で、共感もして欲しいですね」

―――高橋さんの身体能力を活かせるところはあるのでしょうか?

高橋「ボディーガード2人を雇っている状態なので私の殺陣はなさそうですが、聞くところによるとオープニングに和風の華やかなダンスがあるそうです」

―――今までとは違う役どころになりそうですね。

高橋「以前のピエロさんの作品では、おしとやかで清楚な女の子だったので、そのギャップをまずは森プロデューサーに見せたいと思っています! こっちもできるぞと(笑)。衣裳も和洋折衷の華やかでカラフルなので、衣裳を着て全員揃うのが楽しみです」

―――そして下前さんはクールなイメージの水瀬役、凄腕の剣士で真面目そうです。

下前「自分の中に信念を持ち、きっと悩みながらいろんな街を旅している剣士で、そんな中で2人に出会います。その出会いから水瀬というキャラクターの心情がどう変化していくのか、そこが見どころかなと思っています。
 前に出演した時は、火卯我みたいに“熱くて戦い大好き、トップを取るぜ!”みたいな感じの役だったんです。今回はそれとは違う面をお見せできるので楽しみですね。水瀬に向き合いながらこの3人、そして物語を紡ぐみなさんと素敵な作品を作っていきたいです」

―――水瀬のイメージカラーは青とのことですね。

下前「水のような鮮やかで綺麗な衣裳です。役的にはあまり自己主張せず口数は少ないタイプですが、売られた喧嘩は買うし、自分の腕に自信を持っているので、そういう熱い面も持ち合わせています。
 ビジュアル撮影では、落ち着いたポーズとして目線や剣の構えとかを、めっちゃレクチャーしてもらいながら撮影しました。剣の使い方が我流の火卯我に対して、水瀬は道場出身らしく基本の型に忠実で誠実に演じていけたら」

≪人間として役としても距離を縮めることが挑戦≫

―――とっても出演者が多く、興味深い妖怪もたくさん見受けられます。気になったキャラはいますか?

渡部「僕は酒吞童子。闘うキャラで火卯我と似た部分があるので、絶対に戦いそうと思ったら戦わないようなので残念(笑)。同じようなキャラでも全然違ったものになると思うので、稽古中に色々やりあって研究したいです」

高橋「沖田桃果さんが演じる巫女の咲耶(さくや)の衣裳がとても可愛くて、撮影中にずっと可愛いと桃果さんに囁いていました。しかも剣を持って動けそうで、とっても楽しみにしています」

下前「僕は陰陽師の滑(かつ)ですね。あの占い師で陰陽師の滑をどうアプローチしていらっしゃるのか、かなり楽しみです!」

―――ありがとうございます、そして自分的見どころを含め挑戦だなと思うところは?

渡部「やはり殺陣じゃないかな。火卯我は我流なので、普通の剣さばきじゃない振りが多そうです。水瀬ともすぐ喧嘩するので、我流VS正統派の戦いは観ていて面白くなると思います」

高橋「風美はずっと喧嘩をしているこの2人に動じず、どんな妖怪に会っても物怖じしない性格ですが、私はけっこう人見知りなので、稽古場でどれだけ役者さんたちと距離詰められるか。人間として役としても距離を縮めることが挑戦です、頑張ります」

下前「普段はテンションが高いキャラクターを演じることが多く、久しぶりに落ち着いた役を演じるので、その部分と殺陣をどうやって綺麗に見せられるか。僕は殺陣の経験が少ないので、自分との戦いが挑戦だと思っています」

―――お聞きしていると2人がヒロインを守る立場のようなので、2人の共闘を期待してしまいます。

下前「そのあたりは本番をお楽しみに!」

渡部「実は風美しか妖怪が見えないんですよ。僕たちは霊感がないので妖怪が襲ってきた時に見えないんです、用心棒なのに(笑)」

下前「見えない中で殺陣をやるのは難しいですよね。その表現をどうしていくのかも見どころになると思います」

森「過去に『陰陽師、はやりました。』という作品がありまして、それが平安時代初期を時代背景にした物語で、今作と同じ時代を背景にした物語です。続編ではありませんが、その作品に出ていた妖怪などが今作にも出てきます。
『陰陽師、はやりました。』を観たことがある方は、ちょっと楽しめる要素があると思います」

≪みなさんと一緒に盛り上げていきたい≫

―――この作品は様々な能力で戦う世界線ですが、それにちなんで、自分が持っているサバイバルな能力を教えてください。

高橋「私はめちゃくちゃ負けず嫌いなので、その負けたくない気持ちだけで走れる時があります。心が折れそうでも、”見返してやりたい”で走れる。その気持ちが根底にあるおかげで転ばずに来れています。諦めない理由は、負けたくない! 絶対諦めない能力!」

渡部「なんとかなる!でここまで来ました。ピンチでも失敗してもやらかしても、生きてさえいれば、なんとかなる!! 前向きな心ですね」

下前「みんな前向き! なんだろう……寝ますね。寝て忘れる。よく寝て回復。どこでも寝れる能力⁉ だけど起きたら動きたい、動くことが好きですね。スポーツもずっとやっていたので、それで生命のバランスをとっていました。回復ヒーラー能力ということで!」

―――このお仕事には必要な能力ばかりいただきました、ありがとうございます! では最後にメッセージをお願いいたします。

下前「エンタメとして、1つの作品として、様々な受け取り方ができるお話です。大好きになってもらえるように、絶対にそういう作品にしたい気持ちです。みなさんと一緒に盛り上げていけたら嬉しいです」

渡部「面白いと思った感覚をお客さまにも伝わるように、殺陣しかり、ダンスもお芝居もしっかり頑張っていきたいと思います。お楽しみに!」

高橋「華やかなビジュアルや殺陣があり、まず目で楽しめる作品です。そして人間と妖怪が共存する世界で、ここっていうタイミングで心が動くシーンがあります。人間ドラマとしても楽しめるので、目で楽しんで、心で楽しんで、全身で受け取れる作品になるよう頑張ります。ぜひいらしてください」

(取材・文&撮影:谷中理音)

プロフィール

髙橋彩香(たかはし・さやか)
2001年11月22日生まれ、長野県出身。AKB48のメンバーを経て、卒業後は舞台出演やアーティストなど活躍の幅を広げている。2024年に初のオリジナルソロ曲「空色」をリリース。近年の出演作に、舞台『黄昏の光』、『アイディール・セミナー/Final session -Replay-』、『松本のオフィーリア』など。

渡部大稀(わたべ・ひろき)
1997年2月11日生まれ、福島県出身。テレビ・映画・舞台で活躍中。主な出演作に、舞台『ソードアート・オンライン-DIVE TO STAGE-』、『新撰組!幕末維新伝~誠の戦友~』、演戯 『ヴィジュアルプリズン -月世饗宴-』など。

下前祐貴(しもまえ・ゆうき)
1996年8月14日生まれ、京都府出身。声優・俳優として活躍中。主な出演作に、多次元アイドルプロジェクト『UniteUp!』桂ほまれ役、ドラマ『anone』、舞台『夕凪の街 桜の国』、プロダクションピエロ第7回本公演『令和でサムライ』など。

公演情報

プロダクションピエロ 第8回本公演『傍目八目放浪記』

日:2026年11月11日(水)~15日(日) 
場:新宿村LIVE
料:S席[特典付]7,500円 特典付き通常席6,500円 通常席5,500円(全席指定・税込)
HP:https://productionpierrot.com
問:プロダクションピエロ mail:troupepierrot@gmail.com

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