毛利亘宏が主宰する劇団少年社中。その第42回公演『テンペスト』が年明けに開幕する。今年6月、9月と行われてきた少年社中25周年を記念した公演のフィナーレを飾る本作。井俣太良ら劇団員は勿論、鈴木拡樹ら豪華キャストが集う。そこには15周年記念公演『贋作・好色一代男』、『モマの火星探検記』で主役を演じた矢崎広の名前も並んだ。
矢崎「劇団員の皆さんには及ばずとも、僕も少年社中には並々ならぬ想いがあります。主宰の毛利さんは役者を愛し、演劇を愛している方。物腰は柔らかいのですが、とてつもなく熱いものを内に秘めていて、言葉では説明できない求心力があります。そんな毛利さんのもとに集った少年社中は、名前の通り少年のような心を持った方々で、壮大なファンタジーの中に、人間の核心を突くようなテーマが隠されている。その作風に僕自身もずっと惹かれています」
今作では、シェイクスピアの『テンペスト』を上演する劇団「虎煌遊戯」内の人間関係と、劇中劇が絡み合う二重構造で物語が描かれる。
客演の1人である本田礼生は、東映ムビ×ステ『仁義なき幕末』シリーズなどで毛利の現場は経験しているが、意外にも少年社中には初出演となる。本田「この記念すべきタイミングでの初参加に恐縮していますが、劇団員の方はもちろん、客演の方々との共演がとても楽しみで、こんなにありがたいチャンスはないです。矢崎さんとは別作品でも共演していますが、今作がこれまでで一番関係性の深い役柄になりそうなので、思い切りぶつかり合ってお芝居がしたいと思います」
コロナ禍にも負けず、結成して四半世紀を迎えた少年社中。客演として参加する2人もいっそう気合が入る。
矢崎「25周年を共に歩んでいらっしゃったファンの方々もいれば、僕をきっかけに社中を知ってくださった方、今回初参加の礼生くんをきっかけに初めて社中を観に来る方もいらっしゃるんじゃないかと思います。たくさんの方々に共に25周年を盛り上げていただけたら、少年社中の魅力を知っていただけたら嬉しいです」
本田「まだ稽古前ですが、取材などを通じて毛利さん、鈴木さん、矢崎さんらとお話しさせていただいているだけでも自分の中で気持ちが高ぶっていて、稽古が始まったら一体どうなってしまうんだろうなと（笑）。この高ぶりを表現に生かして、文字通り“テンペスト= 嵐”を起こして行けたらと思います」
（取材・文：通崎千穂 撮影：間野真由美 ヘアメイク：城本麻紀 スタイリスト：小田優士）
矢崎 広さん
「いろんな稽古の日々が思い浮かびます。演劇への向き合い方が深まった年でした。最近気付いたんですが、ご一緒した演出家の方々、今回の毛利さんも含めて1975年、76年と年代が皆さん同じで。どの方もタイプは全く違えど魂が震えるような経験を何度もさせてもらいました。この年代の先輩達に何かあるのではと勝手に思っている今日この頃です」
本田礼生さん
「いろんなジャンルの演劇に携わらせていただいたことですね。濃密な時間ってあっという間に感じることが多いと思うのですが、今年は1本目の舞台が3、4年前の出来事のように感じるくらい演劇が濃密な1年で、ある種とてもバランスの取れたいろんな演劇に触れられた年でした。2023年が一番良い1年だったなと思う反面、毎年最良の年を更新していきたいと思っているので、2024年のハードルが上がってしまいましたね（笑）」
プロフィール
矢崎 広（やざき・ひろし）
1987年7月10日生まれ、山形県出身。ミュージカル『空色勾玉』でデビュー。以降、舞台・ドラマ・映画と幅広く活躍。毛利亘宏が脚本・演出を務めた、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ 初代・土方歳三役を演じた。近年の主な出演に、舞台『鬼滅の刃』シリーズ 煉獄杏寿郎役、ミュージカル『ダーウィン・ヤング 悪の起源』ニース・ヤング役、舞台『アメリカの時計』リー・ボーム役、映画『仁義なき幕末 – 龍馬死闘篇-』高梨明役など。
本田礼生（ほんだ・れお）
1992年10月28日生まれ、愛媛県出身。ブレイクダンス、アクロバットを得意とし、数々の舞台で、その実力を発揮している。主な出演に、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ 斑鳩三角役、舞台『刀剣乱舞』シリーズ 一期一振役、舞台『鬼滅の刃』シリーズ 冨岡義勇役など。2016年よりTHE CONVOY の公演に出演している。
公演情報
少年社中 25周年記念ファイナル 第42回公演『テンペスト』
日：2024年1月6日（土）～21日（日） ※他、大阪公演あり
場：サンシャイン劇場
料：一般9,500円
U-19［19歳以下］2,000円 ※要身分証明書提示
社中ありがと割［1/12・15・16・19 19:00］8,500円（全席指定・税込）
HP：http://www.shachu.com/tempest/
問：少年社中 mail：info@shachu.com
