ミュージカル界の金字塔『レ・ミゼラブル』のクリエイターチームが手掛けた『ミス・サイゴン』。ベトナム戦争末期を舞台に、運命的な出会いをしてしまった少女と米兵の恋を中心に、人々の人間模様が多彩なミュージカルナンバーで描かれていく。生きることへの執念を体現した存在・エンジニア役を演じ続ける駒田一が、作品や役と向き合い続ける原動力と魅力を語ってくれた。
「悲惨な戦争の時代を生き抜いた人たちの話なので、作品自体の熱量が高いですし、生きるとは、恋とは、親子の愛とは、という様々なテーマが見事に音楽に乗せられていて、他のミュージカル作品に比べても格段にナンバーの音域が広く、キーが高いんです。歌う方は大変ですが、それによって客席に届くものも多いと思います。音楽を聴くだけで必ず何かを受け取ってもらえる最高峰のミュージカルなので、初めて作品に触れる方は、まず多彩で美しいミュージカルナンバーを聴くんだ、という気持ちで観てくださったら必ず楽しんでいただけると思います。
僕は、作品の狂言回し的な面もあるエンジニア役を2014年から演じていますが、今回は『レ・ミゼラブル』でもずっと一緒にやってきたクリストファー・キーが新たに演出に加わってくれたことが大きくて。エンジニア役のトリプルキャスト、東山義久くん、桐山照史くん、僕、それぞれが三者三様で全く違うエンジニアなんですよ。もちろん作品が突き進んでいく方向は一緒ですが、そこに行き着くまでに様々な道があっていいという考え方なので、僕自身も表情や声色を含め、これまでとは全く違うエンジニアになっています。特に周りが大きく動いているエネルギーのなかで、敢えて同調しない、動かないエネルギーを発してくれと言われているので、何度も観てくださっている方には、新たな発見も楽しんでいただきたいですね。
重い話ではありますが、歴史を風化させず、更にエンタメとしてお届けするには、生き延びる為なら手段を選ばないエンジニアでありつつ、お客様に語り掛ける時には空気をほぐす表現、その行き来を意識しています。ありがたいことに『ミス・サイゴン』をはじめ『レ・ミゼラブル』、『ダンス オブ ヴァンパイア』など長く出演させてもらっている作品が多いですが、常に『これがダメなら次はない』という気持ちで臨んでいるので、前をなぞることは決してしません。作品自体も息長く世界中で演じられ続けていますが、2026年の今、日本で作っている『ミス・サイゴン』が、時代に即してどんどん進化した、世界で1番新しい『ミス・サイゴン』なんです。その最も新しい作品の全容を是非劇場で体感してください! お待ちしています」
(取材・文:橘 涼香 撮影:立川賢一)
プロフィール
駒田 一(こまだ・はじめ)
1964年生まれ、愛知県出身。いずみたく主宰のミュージカル劇団「フォーリーズ」で活動を開始。1990年に退団後は、ミュージカル『ラ・マンチャの男』のサンチョ・パンサ役、『レ・ミゼラブル』のテナルディエ役、『ダンス オブ ヴァンパイア』のクコール役など、日本ミュージカルの作品で大役を演じ続けている。2015年度、第41回菊田一夫演劇賞 演劇賞を受賞。2014年から演じる、ミュージカル『ミス・サイゴン』エンジニア役では、現在最もキャリアを重ねる俳優として活躍中。
公演情報
ミュージカル『ミス・サイゴン』
日:2026年10月16日(金)~11月29日(日)
場:東急シアターオーブ
料:【土日祝日・千穐楽】S席19,000円 A席13,000円 B席7,000円
【平日】S席18,000円 A席12,000円 B席6,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.tohostage.com/miss_saigon
問:東宝テレザーブ tel.0570-00-7777(11:00~17:00)
先着限定!【平日】S席18,000円 → 18,000円 +カンフェティポイント付き!