勘違いから全面抗争へ!?  同じ舞台で挑む2連続上演 上質なワンシチュエーションコメディ お客さまファーストで届ける本気の笑い

 俳優・佐野瑞樹がプロデュースするワンシチュエーションコメディを軸とした演劇プロジェクト「sitcomLab」。今年3本目となる第12弾公演は『かげきなデイリープレイス』『ご町内デュエル』の2作品連続上演で、いずれも「犬山集会所」を舞台に、勘違いやすれ違いから大騒動へと発展する作品。
 「sitcomLab」主宰の佐野瑞樹、「sitcomLab」のコアメンバーでもある岩田裕耳と木村公一に公演に向けての意気込みを聞いた。

―――2023年にスタートしたsitcomLabですが、早くも今回が第12弾になります。

木村「あっという間ですね」

岩田「年3回ぐらいやりましたよね」

佐野「うん、多い時で年4回やりました」

―――2027年の公演スケジュールも発表されていて、新作や3作連続公演など、来年も怒涛の公演ラッシュになりますね。

佐野「はい、もう情報が出ています。ぜひチェックしていただければと思います」

―――今回は『かげきなデイリープレイス』と『ご町内デュエル』の2作品連続上演となりますが、この組み合わせに決めた背景を教えてください。

岩田「『かげきなデイリープレイス』は、2024年演劇集団イヌッコロさんの解散公演の1回きりなんですよ」

木村「初めての再演ですね。『ご町内デュエル』はこれまで何度も上演しています」

佐野「単純に『かげきなデイリープレイス』と『ご町内デュエル』は、『犬山集会所』という、全く同じ場所で巻き起こる物語で、これまでも2本連続上演というスタイルでやってきましたが、セットは同じだけど場所の設定はちょっと違うみたいな形だったのが、今回は場所はもちろん、僕たち3人が演じる役も一緒で、いずれやってみたいなとずっと思ってたんですよ。で、ちょうどこの10月のタイミングがぴったりかなと思って決めました」

岩田「これまでのsitcomLab公演でも、この作品とこの作品で同じ登場人物が出てくるというのが割とあって、今回、2週間劇場を押さえたから『じゃあ、どの組み合わせで行こうか』と話をして、『かげきなデイリープレイス』もまだ再演されてないし、ということで決まりました」

―――今回は皆さん両作品に出演されるんですよね。

佐野・木村・岩田「そうなんです!!」

岩田「昨今sitcomLabで、お芝居以外のことにいろいろと風呂敷を広げていて、”劇場に来たら楽しい”をコンセプトに、『開演前にあれをやろう!これをやろう!』とやっていくうちに、最近はその度合いが行き過ぎているというか(苦笑)」

佐野「ちょっと度を超えちゃったね(笑)」

岩田「今年2月の2本連続上演では、メンバーを半分に割って、片方は出ていない状態だったんですけど、今回は別現場の仕事がある平井くん以外は全員2作品に出演することになって、暇な人間が1人もいない状態での2連続上演は初めてなんです。だから最近はグッズ製作や開演前のゲームネタの心配ばかりしてますね。前回公演は1作品だったので、稽古をしながら雑務も出来たんですけど、2作品を同時進行で稽古していくとなると、『雑務をどこでやるの?』となるわけで」

木村「早く終わらせないと稽古に入れないですからね」

佐野「まさに本末転倒です(笑)。でもそこを楽しんでもらいたいと思っていて。10年、20年前と比べると、チケット代はすごく上がってるじゃないですか。でもそれってこちら側の都合で、お客さんにはあまり関係のない話で。じゃあ倍くらいの金額を払って来ていただいたからには、その分楽しいものを提供しなきゃとは思いますよね。だからこそ稽古前の10月が我々的には”勝負”でして、メンバーと会えばずっとアイデア出しをしてる感じでしたね。先日もメンバーと慰安旅行に行った時も、ずっとその話をしていました」

岩田「慰安旅行が慰安になってない(笑)」

―――初めて観劇される方に向けて、それぞれの作品のあらすじと、皆さんの役どころを教えていただけますか。

佐野「『かげきなデイリープレイス』は、超簡単に言うと、怖いヤクザの方々がなぜか演劇をしなくちゃいけなくなるお話です。当然演劇なんてやったことがないから、プロの人を雇うわけですよ。その人たちには、自分たちがヤクザであることは秘密にしているんですけど、そこから嘘やすれ違いが始まって、途中からなぜか過激になっていってしまう。果たして無事に公演できるのかというお話です。『ご町内デュエル』は、同じヤクザの方々が、今度はご町内で起こった”ゴミ出し問題”で揉めるんです。そこにとある劇団が稽古をしに犬山集会所へ来ていて、ちょっと小狡いご町内の方が、その劇団を『自分たちの用心棒だ』と言ったことで、ヤクザたちが劇団員を”余所の組の構成員”と勘違いしてしまう、劇団側はヤクザたちを”ライバル劇団”と勘違いする。お互いの勘違いから、おかしな方向にどんどん進んで、最終的には全面抗争にまで発展していくというコメディです」

岩田「ヤクザの2人組として、木村さんが兄貴分、僕が弟分をやります」

木村「キャラクターとしては”大馬鹿”と”馬鹿”です」

―――ちなみにどちらが大馬鹿ポジションですか?

木村「僕です(笑)」

佐野「『本当に何もわかってない大バカ(木村)』と、『ちょっとわかってるけどズレちゃってるバカ(岩田)』です」

木村「理不尽なお願いをされてお芝居をしなくちゃいけなくなるのに、途中から楽しくなって本気になっちゃうんですよね、バカだから(笑)」

―――佐野さんの役どころは?

佐野「僕はさらに上層部の若頭で、この2人を苦しめる側になります」

岩田「親分に睨まれないようにしつつ、部下とも上手くやらなきゃいけないという板挟みになる形ですね」

佐野「僕が演じる若頭は、とてもクールで頭が良くて、腕っ節がめちゃくちゃ強くてカッコいい役なんです。だから、今ちょっと身体を絞ろうと思っています。それと『かげきなデイリープレイス』で、ものすごい激しい立ち回りがあるんです。しかも相手が、殺陣師でもある春見謙心くんと”1対1″のバトルで、相手はものすごい強い殺し屋。そして僕が演じるのは喧嘩最強のヤクザ。まさか殺陣師と1対1でアクションをやるとは思わなかったですけど、ものすごい気合が入ってます。結構な分量のアクションになるので、ぜひ観てもらいたいです」

―――木村さんは『かげきなデイリープレイス』で主演を務められますね。

木村「2作品やること自体は、お客さんに喜んでいただけるなら嬉しいですし、大変さは感じないんですけど、『かげきなデイリープレイス』の再演は初めてというところで、瑞樹さんから散々『次、お前が主演だからな』とプレッシャーをいただいています(笑)」

―――「主演です」と言われたときの率直なお気持ちは?

木村「役者としての嬉しさはもちろんあるんですけど、sitcomLabでの僕の立ち位置として主演をやるとは思っていなかったので、『座組を引っ張っていけるかな』という不安はありました」

佐野「いや、大丈夫です。”座長弁当”を出してくれるみたいなので、それで引っ張っていけると思います(笑)」

木村「そういうところでは、全力で引っ張っていきたいと思います(笑)」

岩田「外堀を埋めて周りから固めていくのが得意ですからね(笑)」

―――役作りや設定の面で、今回ならではのエピソードはありますか?

佐野「『ご町内デュエル』で僕の妹役で奥田こころさんが出演するんですけど、年齢が”30歳”離れてるんですよ。しかもお父さんが僕の1歳年下と聞いて、やばっと思って相当若作りしないといけなくなりました。一応『老けてくれ』とは頼んでるんですけど(笑)」

木村「妹に『老けてくれ』は本末転倒ですよ(笑)」

佐野「とりあえず妹には35歳くらいまで老けてもらって、俺が40歳ぐらいまで若返ればちょうどいいかなって」

岩田「瑞樹さんが若返ると、見た目と言う意味で若頭と部下という立場のバランスが崩れてしまうので、僕らもアンチエイジング頑張らないといけなくなるんですよ」

―――本編以外にも、スピンオフやイベントが盛りだくさんですね。

木村「今回は両作品とも本編の中に歌って踊るシーンがある上に、終演後のスピンオフ(ポストクレジットショー)で15分ほど歌って踊るスペクタクルショーがあって、さらには11月28日(土)の夜に両作品のキャストが登場するイベント『サタデーラボフィーバー~夜な夜Night~』もあるので、ものすごい稽古量になります」

佐野「『~夜な夜Night~』は前回から始まったんですけど、ライブパート、トークパート、抽選会があって、ペンライトやうちわを振ってもらったり、コール&レスポンスをしてもらったりする余興です。役者の表現力を最大限に生かしたもので、悲鳴と笑いが入り交じってます。ちなみに黄色い悲鳴じゃなくて、驚きの悲鳴です(笑)」

木村「前回が大好評で『次も絶対やってくれ!!』という要望をたくさんいただいたので、やめるにやめられない(笑)」

岩田「『~夜な夜Night~』も、開演前のゲームも、やったら評判がいいから、後に引けなくなって、本編以外にやることが徐々に積み重なっていくんですよね」

佐野「普段小劇場のお芝居を観ているお客さんの中には、うちわやペンライトの文化がない方も多いので、『初めてペンライトを振って楽しかった』と言ってもらえて。何かを解放させちゃったよね(笑)」

木村「常連のお客さんが、他の団体の公演を観に行くと『お芝居しかなくて寂しい』と言い出すくらいで」

佐野「開演した瞬間から終わった後まで異常な賑わいになるので、sitcomLab公演を初めて観劇された人は『なんですか、この幸せ空間は!!』とびっくりされることが多いです」

―――sitcomLab公演といえば、公演後のファンクラブイベントや配信などで、興行収支や動員数といった興行の裏側を公開されていますが、先日配信した『おしとおせ!限界ノンカノン』の収支動員結果報告で、1演目の単体として初めて1,000人を超えたそうですね。

佐野「新作でしたし、劇場も大きくなりましたが、ちゃんと結果を出すことが出来ました。目標である『動員3,000人』に向けてこれからも突き進みたいですし、いい流れを断ち切らないためにも、今回の主演に全てがかかっていると言っても過言ではありません」

木村「確かに団体としていい風が吹いているので、この流れを切らないようにしないといけません。風神と呼ばれてるのに風を切るのはありえないですからね(笑)」

岩田「でも瑞樹さんは『3,000人達成したら、演劇を趣味みたいにして海外に行く』と言っているんですよ。我々としては国内にいてほしいから、2,800人くらいになったら逆風を吹かせてネガティブキャンペーンしようかと(笑)」

佐野「2,500人を超えたら少し考えます(笑)。でも、とにかくまずは目の前の公演ですね」

―――いい流れに乗るには、一人でも多く両作品を観劇していただきたいですよね。

佐野「A席のチケットが3,000円で、両方観ても6,000円ですし、『おごりチケット(多くの人に観てもらうため、有志の方がチケット代を前払いし、観劇したい人が無料で観劇できるチケット支援システム)』や『学生を対象とした無料招待』など間口を広く用意しています。それにヤクザ役は僕ら3人以外に、もう2人組員がいるんですけど、その組員は『かげきなデイリープレイス』しか出ないので、『ご町内デュエル』のみ観劇される方は、『かげきなデイリープレイス』を観に来ないと、組の全貌が見えないんですよ。『かげきなデイリープレイス』で組の全貌をまず観てから、『ご町内デュエル』に行ってもらえると嬉しいです」

―――最後に、公演を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

佐野「sitcomLabのモットーは”来たら楽しい”です。お芝居はどちらも90分で、ひたすら笑って楽しめるコメディになっていまして、『人間とはこう生きるべきだ』みたいなメッセージは一切ございません(笑)。観終わった後に『クソ笑った!』と楽しんで、お楽しみ企画も含めて劇場の雰囲気を丸ごと味わって欲しいです」

岩田「お芝居以外のコンテンツもたくさん用意していますが、我々は『sitcomLab』と名乗っている以上、どこよりも上質なシチュエーションコメディをお届けしたいと思っています。決して片手間でやってるわけではなく、面白いのはマストですから、当たり前に面白いシチュエーションコメディを作ってお待ちしていますので、怖がらずにぜひ遊びに来てください」

木村「劇団としていい風が吹いているタイミングで主演を拝命しましたので、この風を止めないように全力で挑みます。作品が面白いのは当たり前で、安心して笑いに来ていただける作品に仕上げます。”来たら楽しい”というお客様ファーストの精神で皆さまをお迎えしますので、全力で楽しむ準備をしてご来場ください。劇場でお待ちしております!」

(取材・文&撮影:冨岡弘行)

プロフィール

佐野瑞樹(さの・みずき)
sitcomLab主宰。1993年にミュージカル『美少女戦士セーラームーン』で初舞台。その後、 数々の話題の舞台・ミュージカル・ドラマに出演し、高い評価を得る。2011年、弟の大樹と兄弟プロデュースユニット「WBB」を結成。2013年、 舞台『川崎ガリバー』で初演出。その後も、多くの公演で執筆や演出を手掛ける。sitcomLabでは脚本・演出・出演・主宰を務める。

岩田裕耳(いわた・ゆうじ)
1982年11月7日生まれ、東京都出身。主な出演作に、世田谷シルク『青い鳥』、劇団新劇団『僕はダーウィン賞をとりたいと思った』、『苦闘のラブリーロバー』、『恋するアンチヒーロー』など。

木村公一(きむら・こういち)
1981年9月5日生まれ、東京都出身。主な出演作に、舞台『みんなのうた』、『スペーストラベロイド』、『いさめ!池田屋シアター』、『ハッピーハードラック』、『おしとおせ!限界ノンカノン』など。

公演情報

sitcomLab 第12弾『かげきなデイリープレイス』/『ご町内デュエル』

日:2026年11月26日(木)~12月6日(日) 
場:シアター・アルファ東京
料:プラチナ席[特典付]15,000円 S席[特典付]5,000円 S席[特典付]ポストクレジットショー付6,000円 A席3,000円(全席指定・税込)
HP:https://sitcomlab-fc.com 
問:sitcomLab mail:info.hanipro@gmail.com

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