
2025年5月、洋画吹替や名作アニメ黎明期を支えたレジェンド声優たちと制作スタッフが一同に会し、制作現場の裏話や知られざる声優の一面が披露され、大盛況のうちに幕を閉じた画期的トークショー、待望の第2弾が上演される。
今回は熱狂のアニメブームをつくった1970年~80年代の名作を支えた豪華声優が集結! ここでしか聞けないストーリーが今、明かされる。企画とプロデュースは国民的アニメ『サザエさん』磯野ワカメ役や『ドラえもん』源静香役などの人気キャラクターを長年担った野村道子。本公演に向けた意気込みを語ってくれた。
―――昨年の初公演の反響はいかがでしたか?
「お客さんの反応はとても良かったですね。洋画吹替やアニメのアフレコ現場の舞台裏の知られざる話をみなさんとても興味深く聞いていらっしゃいました。客席には若い声優の方も結構いらしていて、公演後にはご挨拶に見えた方で楽屋がごった返していましたね(笑)。
この公演が実現するまで3年かかりました。2024年には『ドラえもん』で長らくご一緒した大山のぶ代さんや小原乃梨子さん、『ルパン三世』峰不二子役の増山江威子さん、『忍者ハットリくん』の堀絢子さんといった声優界の黎明期を築いてきた方々が続けて亡くなってしまって本当にショックでした。みなさんには出演をお願いしようと思っていただけに、どうしようかと途方に暮れました。
それでも羽佐間道夫さんや野沢雅子さんといった声優界を代表する方々が出演を快諾してくださり、洋画吹替やアニメのアフレコが始まったばかりの当時の貴重な話を聞くことができました。できればBSかCSで放送してくれたらと売り込んだのですが、洋画の濡れ場のシーンのアフレコ裏話など内容が大人過ぎて放送できない内容もあって、それは叶いませんでしたが(笑)、お客さんはとても喜んでくれました。
またマコ(野沢雅子)なんかは、洋画もアニメも含めてずっと少年役が多かったわけですよ。『ゲゲゲの鬼太郎』、『銀河鉄道999』、『ドラゴンボール』とかほとんどの主役を演じていたけど、それぞれどうやって演じ分けていたの?とか。『鉄腕アトム』のアトムを演じた清水マリさんは、アトムの印象が強すぎてなかなか他の役につくのが難しかった。そういった苦労話に加えて、子育てしている時期には、声優仲間で子どもを預けあったり、スタジオ近くの託児所に子ども預けてきたまま、忘れて帰宅してしまったりという裏話も聞くことができました」
―――まさに貴重な話が聞ける機会ですね。
「こういった話は当事者以外は知らないわけで、本人たちから語られない限りは表には一切出ない。でもそこには今後の声優界やアニメ界にとっても大事なエッセンスが入っていると思うのです。それらを残しておきたいというのが本公演の一番の目的だと言えます。
またこの公演には台本が基本ありません。ほとんど私がアドリブで聞きたいことを聞きます。一緒に仕事をしてきているので、『あの時はこうだったよね?』という話がお互いできるわけですよ。みなさんとてもお忙しい方ばかりですが、快く出演してくださるのも、そういったご縁や絆みたいなものがあるからかも知れませんね。みなさんとても楽しんでくれて、公演が終わっても楽屋でずっと喋りっぱなしでした(笑)」
―――2回目となる今回は。
「前回の夜の部がアニメ黎明期の話が多かったのに対し、今回はその続きというか、アニメ隆盛期に入ってからの現場の話を声優とプロデューサー、音響監督の立場から聞けたらなと思っています。同じ話を2回するのは嫌なので、出演者を変えて2部構成でおこないます。
昼の部では神谷明さんと千葉繁さんで『北斗の拳』の話、一龍齋春水さんと神谷さんで『シティーハンター』の話を考えています。また『名探偵コナン』や『シティーハンター』、『金田一少年の事件簿』など人気アニメを手掛けたテレビプロデューサーの諏訪道彦さんには、人気作の作り方など聞くつもりです。
夜の部では、三ツ矢雄二さん、柴田秀勝さん、小山茉美さんとで、『マジンガーZ』をはじめとするロボットアニメや戦隊モノの話や、朗読劇についての話を。音響監督の三間雅文さんには将来のアニメ業界がどうなっていくかみたいな話が出来ればいいなと思います」
―――長らく声優の第一線で活躍されてきました。
「私が声の仕事を始めた時はまだ声優という言葉が浸透していなくて、『声優をしています』と言うと、『あぁ、スーパーにお勤めですか』と返されたこともあったぐらいです(笑)。
当時の洋画の吹替現場の環境は決していいとは言えなくて、雨漏りのするスタジオで、マイク1本で20人が入れ替わりで吹き込んでいたこともありました。しかも生放送でしたから、放送が終わって次の番組が始まる2分間で入れ替わらないといけない。それは大変でしたよ。
でもそこから収録技術も発達していって、そのうち映像ではなく、絵コンテに声をあてるようになっていって時代の変化に驚いています。その中でアニメ人気と共に声優にも脚光が集まるようになり、イベントでもお客さんをたくさん呼べるようになり、中には音楽ライブをおこなう人もいる。もちろん、アニメのキャラクターの力を借りて、”○○の声優”という冠がつくことでいろいろなことができるようになったわけです。
なぜ声優だけのイベントにたくさんのお客さんが来てくださるようになったのか。そういう時代の変化を出演者のみなさんがどう感じているのかを聞きたいなと思います」

―――野村さんご自身に影響を与えたアニメ作品はありますか?
「やっぱり『ドラえもん』ですよね。26~7年も静香ちゃんを演じてきて、どこに行ってもその話ができるわけです。子ども時代に『ドラえもん』を観て育って、父親世代になった方から『僕の初恋の人は静香ちゃんでした』と言われることも多々ありました。なので今、静香ちゃんを演じてきたお返しを頂いていると言えますね。声優のみなさんもきっとそれぞれ大切な作品があると思うので、是非聞いてみたいと思います!」
―――洋画やアニメの他にもゲームや配信、舞台やイベントなど声優の方が活躍する場が増えていることについては。
「とても良いことだと思います。仕事を頂けるというのは有難いことですよ。でも声優は影の役者として顔出しは一切しませんという方も多かった昔と違い、今はルックスだけでなく、歌や踊りなども求められるという意味では大変ですけどね。最近はアイドルの方もアニメに出たいという人も増えていて、業界の境界線が以前ほど高くなくなってきているかもしれません。
私はもう現場には出ていませんが、制作現場がどう変わってきていて、何が求められているのかなどもプロデューサーの諏訪さんや音響監督の三間さんに聞いてみたいと思います」
―――改めて本公演を通じて野村さんが発信したいこととはなんでしょう?
「こういう時代を経て今があるということを伝えたいですね。前回は声優を目指しているという方もいらしていたので、声優になるには?というトピックを設けてみました。今回はプロデューサー視点として諏訪さんにどうしたら長寿番組を作れるのかを聞いてみたいですし、三間さんには今の声優の気質や求められる資質について質問してみたいです。特に今回は全員現役の声優なので、昔と比較した今の話が聞けそうなので、より幅が広がると思います」
―――最後に読者の方にメッセージをお願いします。
「これから出演者の方と打ち合わせした内容を反映したプログラムにしようと思います。全員参加のミニドラマや歌のステージもあるかもしれません。普通のトークショーではなく、バラエティーに富んだすっごく楽しいものにするので、是非いらしてください!」
(取材・文&撮影:小笠原大介)
プロフィール

野村道子(のむら・みちこ)
1938年3月31日、神奈川県生まれ。声優として国民的アニメ『サザエさん』磯ワカメ役、『ドラえもん』源静香役を長年にわたって演じる。現在は若手声優の育成のほか、イベントのプロデュースにも取り組む。主な出演作品に、アニメ『昆虫物語 みなしごハッチ』アーヤ役、『バビル二世』由美子、『みつばちマーヤの冒険』マーヤ役、『さるとびエッちゃん』エッちゃん役など。
公演情報
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声優伝2~声の宝石箱~
日:2026年10月31日(土)14:00/18:00開演
場:練馬文化センター 小ホール
料:各回チケット7,500円 通しチケット14,000円(全席指定・税込)
HP:https://x.com/seiyuden_pr
問:オフィス・デュオ / 東北新社 mail:seiyuden2026@tfc.co.jp
18名限定! 各回チケット7,500円→6,100円+カンフェティポイント付き!
