
2023年に全幕世界初演された『かぐや姫』は、Noism Company Niigata芸術総監督 金森穣が演出・振付を手掛けたオリジナル作で、この度約3年ぶりの再演を果たす。
「創作が始まった時から穣さんの振付を見てきて、だからこそ自分が翁をできるのか心配でした。それに翁は年を重ねた方が演じる役だと思っていたので、最初は戸惑いの方が強ったですね」と話すのは、ソリストの岡崎隼也。再演にあたり、金森より翁役に指名された。
翁はかぐや姫を見つけ、育ての親となる物語のキーパーソン。第1幕初演では故 飯田宗孝(元東京バレエ団団長)が、全幕世界初演では木村和夫と、ベテラン勢が演じてきた。
「穣さんには今までと全く違った翁でいいと言われていて。必要以上にお年寄りっぽくしなくていい、振付でフォルムに丸みを持たせるということです。実際、ジャンプは思いきり飛んで、脚はここまで上げてと、凄くアクティブにアップデートされています」
振付は、金森考案のNoismバレエやNoismメソッドが加味される。クラシック・バレエとは身体性が違い、バレエダンサーには手強いところでもあるが。
「実は初演の時に1週間弱、新潟に滞在してNoismで勉強させてもらいました。Noismメソッドは重心が低く、振付にもそれが入ってくる。腕の使い方も背中から伸ばすクラシック・バレエとは違い、胸から開いたりする。クラシックは決められたフォルムがあるので、そこに固執し過ぎることが多いけど、改めて気づかされる部分がありました」
新潟では、新作の創作を見学する機会にも恵まれた。自身で振付も積極的に行い、ダンサーが創作を手がける「コレオグラフィック・プロジェクト」でも自作を頻繫に発表している。それだけに岡崎は、「振付の引き出しは自分が経験したものからしか出てこない、だからいい刺激になりました」と振り返る。
今回初役での挑戦で、新たな翁像をどう体現するのだろう。
「飯田さんや木村さんとは違うものにしなければという気持ちが強くあります。おふたりの翁を見て、やはりダンサーによって全く変わるものなんだなと感じました。初演から観ているお客さんの中には翁のイメージが出来上がっている部分もあると思うので、いい意味で裏切っていけたら。この翁ちょっと違うなではなく、この翁もいいなと思ってもらえたらいいですね」
(取材・文:小野寺悦子 撮影:平賀正明)


(ハッシュド・マッシュ・フライ・芋煮など)
ハッシュド
ザクザク食感が好きです。
プロフィール

岡崎隼也(おかざき・じゅんや)
和歌山県和歌山市出身。9歳からモダン・ダンスを習い始め、14歳でクラシック・バレエとコンテンポラリー・ダンスを始める。2008年3月、東京バレエ団に入団。同年『ドナウの娘』で初舞台を踏む。2016年4月、ソリストに昇進。主なレパートリーに、アンナ=マリー・ホームズ版『海賊』パシャ/ビルバント、レオニード・ラヴロフスキー版『ジゼル』ヒラリオン/パ・ド・ユイットなど。
公演情報

東京バレエ団『かぐや姫』全3幕
日:2026年5月5日(火・祝)・6日(水・振休) 場:東京文化会館
料:S席16,000円 A席13,000円 B席10,000円 C席8,000円 D席6,000円 E席4,000円 ※他、各種割引あり。詳細は下記HPにて(全席指定・税込)
HP:https://thetokyoballet.com
問:NBSチケットセンター tel.03-3791-8888(平日10:00~16:00/土日祝休)
