新プロジェクト旗揚げ公演に豪華声優陣が出演 舞台初脚本の正木郁による朗読劇 既にチームワークは仕上がり済⁉

新プロジェクト旗揚げ公演に豪華声優陣が出演 舞台初脚本の正木郁による朗読劇 既にチームワークは仕上がり済⁉

 正木郁とhabotan.が立ち上げた新規エンターテイメントプロジェクト「LOG project」の旗揚げ公演、朗読劇『源 -minamoto- 白赤の旗幟(はくせきのきし)』が11月8日・9日の両日、TOKYO FMホールにて上演される。
 源平合戦が舞台。実録として語り継がれる日本史の世界を、エンターテインメントとして表現する立体的な朗読劇を展開。企画・脚本に正木郁、演出に井上正大がそれぞれ務め、蒼井翔太、伊波杏樹、林勇、逢坂良太/正木郁(Wキャスト)、高橋広樹、野島裕史という様々なジャンルで活躍する豪華声優陣が出演する。
 顔合わせと読み合わせを終えた直後、本作に出演する蒼井翔太(巴御前役)、伊波杏樹(平清盛役)、林勇(源義仲役)に話を伺った。


―――宜しく御願いします。まず出演のオファーが来た時、どのようなお気持ちでしたか。

蒼井「LOG projectさんの旗揚げ公演ということで、お声がけをいただいた時は本当に光栄に思いましたし、オファー当時は全キャストが決まっていなかったので、どなたと共演できるのかなとすごくワクワクしている段階でした。物語自体も“戦もの”ということもあって、僕自身も学生時代に勉強してきたものと照らし合わせ、どういった物語になるのか、楽しみにしながらこの日を迎えました」

伊波「とても驚きました。名だたる声優さんの中で、私が何を発揮して、この作品に花を咲かせたり言葉を紡いでいくのか、そして物語をお客様へ届けていくのかというところに真摯に向き合い、少しでも多く学びがある作品に仕上がるのが理想なのかなと感じています。歴史には、調べれば調べるほど諸説みたいなことが多くある中で、この本の中のファンタジーとしての面白みを感じてもらえるのか、企画・脚本を務める正木さんの手によってどういった化学反応を起こせるかというところを、稽古を含めて本番を楽しんでいきたいなと思いました」

林「本当に嬉しかったですね。旗揚げ公演というのは、今回のメンバーでどのような個性のあるチームにするのかを色付ける一番最初のきっかけとなる舞台なので、すごく重い責任を感じつつも、今日顔合わせと読み合わせをさせていただいて、皆さんが個性豊かなお芝居をアプローチされていて、僕も負けじと楽しんでやらせていただきました。本当に本番が楽しみです」

―――ちなみに旗揚げ公演の経験はございますか。

蒼井「初めてです」

林「僕も初めてです」

伊波「私は何度かあります。先程林さんも話されていましたが、色付けや個性がより光輝く場所だとも思うし、旗揚げ公演だからこその自由もたくさん生まれると思うんですよ。きっと個性を大事にしてくれる作品に仕上がるでしょうし、そこが1つの輪になるといいなと思います」

蒼井「旗揚げ公演って、時とタイミングが合わないとなかなか関われませんが、伊波さんのような何度も経験があることは凄いことだと思いますし、僕も今回の旗揚げ公演がものすごい大事な瞬間なんだとお話を聞いて感じました」

林「旗揚げ女優さんだね」

伊波「なにそれ! 見出しが“旗揚げ女優”になっちゃったらどうするの‼」

一同「(笑)」

伊波「でもこれでお2人も“旗揚げ俳優”という肩書きが出来ましたね」

―――先程台本の読み合わせがありましたが、どのような感想を持たれましたか。

林「皆さん“個”が強くて。特に高橋(広樹)さんは、これでもかというほどの“個”でした」

伊波「私も高橋さんのお芝居を隣で聞いていて、ワクワクするほど楽しかったです。家で1人で台本を読んでいると、お固めな役作りになりがちだったんですけど、今日の読み合わせで自分の役に、より面白味とアイデアが増すなと思いました」

林「次のセリフが楽しみになるようなお芝居をされていて、さすが先輩だなと思いましたね。それに座組ならではの自由度もあって、会話を重ねながら遊び心もあって、その瞬間にしか出ないユーモアもたくさん見つけられたし、出来上がるにつれて締まってくるといいなと感じました」

蒼井「充実した読み合わせでした。先程から出ている“色付け”ということも、1回目の読み合わせを経て、『もっとこう色付けられるな』とか『もっとテンポ感を作っていけたら、みんなも楽しんでもらえるんだろうな』と思いましたね。僕と林さんの組み合わせも楽しんでいただきたいですし、杏ちゃんは舞台女優としても可愛い役やトリッキーな役を多く見てきましたけれども、今回のようなずっしりとした役を演じるのを僕はまだ見たことがないので、読み合わせをしてワクワクしましたし、演者1人ひとりの粒の大きさがさらに尖っていけたらいいなと思いました。それとヒロ(野島裕史)さんの語りも本当に素晴らしかったです」

―――今回正木さんが初めて舞台の脚本を担当します。台本を読んでみての感想を教えていただけますか。

林「僕も本当に歴史が苦手な人間で、“源”がいっぱい出てきますが、セリフだと覚えられるんですよね」

伊波「わかります! 私も苦戦するだろうと思いつつも、調べていくとすごく面白くて、歴史というのがいろんな形で語り継がれている理由が分かります。きっと正木さん自身も、様々な諸説を読み解きながら作り上げてきた本だと思うし、今後どういう風に挑戦していこうか考えている一方で、演者としても平宗盛役で出演するので、すごく大変だろうなと思います」

蒼井「勇さんが演じる源義仲の“真っすぐさ”とちょっと憎めない“可愛さ”はきっと好きになってくれるだろうなと思いましたし、僕と杏ちゃんに関しては、とある“切り替え”がすごく重要になっています。この物語の数ある大切な中の1つでもあって、その切り替えで『おっ!』と思っていただけるのと、笑っていただけると思いますので、稽古でしっかりと作り上げていきたいです」

―――実は正木さんから皆さんへの質問を預かっていまして、「自分のキャラクターでなくてもいいので、『このセリフは好き』『このセリフはグッとくる』というのがあったら教えてください』とのことです。

林「劇中で義仲が好きだと伝えるシーンが好きです。僕自身はめちゃくちゃ照れ屋ですが、義仲は恥ずかしさを1ミリも感じさせず、潔く堂々と言うところがとてもカッコいいですね」

伊波「ある種の母性としての言葉並べがすごく好きだなと思いました。包み込む暖かさとどこか強い圧だけではない部分で、この本に暖かい火を灯せたらいいなと思いながら今日の読み合わせでセリフを紡いでいました。その包み込む言葉たちが、もっとふくよかになり、この本自体を包み込めるような大らかさに変わってくれるように、平清盛を演じてみたいなと思っています」

蒼井「ネタバレになるので具体的には話せませんが、物語の序盤と終盤、義仲に対して出てくる“5文字の言葉”が出てくるんです。それは巴御前として義仲へのしっかりとした思いを伝えられる2人にしか使わない言葉で、しっかりその5文字を心を込めたいなと思っていますし、それはどんな言葉なのかは、アンテナを張って聞いているお客様なら絶対にわかると思います」

―――その5文字の言葉、とても気になるところです。さて、本作の演出に俳優の井上正大さんが務められます。蒼井さんと伊波さんは舞台での共演経験がありますが、林さんは初めてになるのでしょうか。

林「はい、今回が初めましてになります」

蒼井「プライベートでも友達ですが、演出を受けるのは今回が初めてで、勇さんと同じ立ち位置ではあります。どんな演出をされるのかすごく楽しみです」

林「今日は特別に施しは受けなかったですけど」

一同「(笑)」

伊波「井上さんの演出を見ると、独創性があって、珍しいものを取り入れることが上手な方だなと思っています。今日も実は“とある装置”が稽古場にあって、これまでずっと役者をやってきて、いろいろなものを見てきたつもりだったんですけど、生まれて初めて見る装置が稽古場の隅に置いてあるんです。本当にビックリしました」

蒼井「あれか!」

林「あったね~!」

伊波「みんなで体現をメインでやるような舞台ではなく、役者と本が向き合う朗読劇で、あの装置を使ってどういう見せ方にするのか、井上さん自体の“うまい風の吹かし方”の飛び道具になっているんじゃないかなと思います」

林「たしかその装置って、風吹いていたよね」

伊波「うまいこと言って‼」

蒼井「あの装置、本番でも使うんだよね。風もそうですけど、“飛ばす”というのも好きじゃないですか。あの人ドローンが好きなんですよ」

伊波「少年が好きそうな機械全般、大好きなイメージがあるね」

林「これは大事なキーワードになりますね。もしかしたらその装置が飛ぶかもしれませんから」

伊波「だとしたら! 客席、気を付けてください!」

―――装置が飛ぶ?

蒼井「あの大きさが飛んだら怖いよね」

―――その装置が何なのか全くわかりません(苦笑)。

林「きっとわからないでしょう(笑)」

伊波「私たちは、舞台上で言葉や音、息遣い1つひとつと向き合いますけど、お客様はそれ以上の楽しみも待っているような感じがするので、きっとワクワクしてもらえると思います」

―――結局その装置が何なのかわかりませんでしたが、本番が楽しみになりました。続いて本作の見どころや注目ポイントを教えていただけますか。

林「全体を通して非常に分かりやすくて、変化球みたいなところもあったりします。それにファンタジックな要素と現実世界な要素とのさじ加減がとても絶妙で、いい配分で作られている作品だなと感じました。歴史を学びつつも、あっと驚くような雰囲気も楽しめたりするので、きっと観ている人も楽しめる作品になっているところが見どころですね」

伊波「役柄的には男性とはいえ、女性キャストは私1人ということもあって、いろいろと背負うものがあるだろうなという心持ちで読み合わせに参加しまして、今は皆さんとのバランスを見ながら、しっかり調和しつつ、物語のシーンを作っていきたいと感じています。私としても、作品に向けても、チャレンジングな部分を任されているので、そこにしっかりとトライしていけたらいいなと思っております」

蒼井「既に公式サイトやSNSで、ビジュアルやPVが公開されていますが、ビジュアル撮影では各々の役柄をまとったポージングや表情を撮っていただきました。朗読劇を聞いていただいて、いい意味でギャップが生まれる人もいるでしょうし、こういうストーリーになるからこの表情になっているんだという楽しみ方も出来るかと思います。それに音楽はZAQさんが手掛けられているということで、素敵な音楽に仕上がると思いますので、音楽との融合というところにも注目してください」

―――先程蒼井さんがお話されていた衣装は本番でも着用されるとのことですが、実際に着てみての感想はいかがでしたか。

伊波「重厚感がありました。朗読劇というと、シックだったり統一感のあるシンプルなイメージがあるかなと思いますが、しっかりと重みのある帯をガッと締めてもらうような絢爛豪華さという意味では驚きましたね。それに衣装が統一されてるわけでもないところも面白くて、この3人だけでも全然違うんですよ」

蒼井「フィッティングの時も、ニュアンスやフィーリングで『これが合う』とか『このアイテムはこっちにしたい』とか、事細かに決められていて、スタイリストさんの思いも背負っている感じはしましたね」

林「僕なんか、とんでもなく長い襟足を付けられました。本当は予定になかったそうでしたが、ちょっとワイルドっぽく見えるからという理由だそうで、学生の時にギャル男をやってたので、襟足を付けた時はつい昔のことを思い出しました」

一同「(笑)」

林「野性味に溢れた感じで、ポーズも何パターンか撮って、ああいう衣装を着ると、気持ちが出来上がっていくというか、コスプレをされている人の心理に近いものがあると感じたりして、今までの自分では出せないものを衣装によって引き出してもらえた感覚はありました」

―――本作では“風の加護”“大地の加護”など“加護”という特殊能力のような力が存在します。もし1つだけ“加護”を使えるとしたらどのような力が欲しいですか?

林「“肝臓が強くなる加護”ですね」

一同「(笑)」

蒼井「それは自分で加護できますから(笑)」

伊波「それなら“酒の加護”の方がいいかも」

林「それでお願いします‼」

一同「(笑)」

蒼井「加護ということはある意味“特殊能力”でもあるんですけど、そう考えると僕だったら“癒しの加護”をすでに受けてるかな」

伊波「めちゃくちゃぴったり!」

林「自分で言っちゃっているよ!」

伊波「私は昔から“水の加護”に憧れています。ファンタジーの世界で水の能力を持っている人ってカッコいいんですよ」

蒼井「僕も“水の加護”に憧れています。水に潜るのが苦手なので、“水の加護”にまとってもらえれば、楽に息ができると思うんです」

伊波「逆に私はマリンスポーツがすごく好きなので、例えばサーフィンする時についてくれれば、ずっと乗っていることが出来るし」

―――そばにいれば常にいい波を呼ぶことも出来ますからね。

伊波「そう、私“伊波(いなみ)”ですもんね‼」

一同「(笑)」

林「今のくだり、狙ったな‼」

―――結果的にいいパスを送った形になっちゃいましたが、回答ありがとうございます。さて、本作は平安時代を舞台とした作品ですが、日本の歴史で一番好きな時代はどの時代ですか?

林「歴史は苦手なので、知っている人物でもいいですか。聖徳太子‼」

蒼井「人物でいいなら、僕は紫式部‼」

伊波「2人とも人物なんだ(笑)。どの時代でもいいのであれば、絶対に令和! 正確には平成から令和!」

一同「(笑)」

伊波「令和は今自分が刻んでいる時代ですし、いろいろな情勢を目で見て耳で聞いていますし、リアリティという点では敵わないじゃないですか。そう考えるとこの時代が好きです」

蒼井「僕たちがいるこの時が今後どうなっていくかですよね。この旗揚げ公演も含めて」

林「そうですよ!」

伊波「じゃあ、全員一致で“令和”ということで!」

一同「(笑)」

―――人物が続いた時はどうなることかと思いましたが、全員令和でまとまりました。最後にこのインタビューをご覧になられている方に向けてメッセージを林さんからお願いします。

林「今回、初共演の方もいらっしゃれば、前から知っている仲間や本当に大好きな先輩など、素晴らしいキャストに恵まれてこの公演に立たせていただくことが出来て、本当に本番が楽しみです。もちろんストーリーや音楽も非常に面白いものになっております。ぜひ会場に足を運んでいただければ嬉しく思っております」

伊波「会場でお会いした時には、息遣いや1つひとつの言葉、そして何かのシーンが皆様の心に小さな光でも大きな光でも灯るようしっかりと仕上げて、『いいチームワークだったね』『最高の座組だったね』と、笑顔で完走できるよう務めたいですし、期間が2日間と短いので、しっかりと皆様にお届けしたいと思っています。舞台はまだまだ敷居が高いものだと思われがちですけど、またこういう機会に巡り合ってみたいと思わせられるような素敵な作品に仕上げていきたいです。ぜひ会場でお待ちしております」

蒼井「このインタビューを見て聞いていただければ分かる通り、既にチームワークも素敵なものに仕上がっています。1人ひとりがユーモアある個性的な人達でもあり、芝居に命を懸けていらっしゃる皆様と一緒に同じ舞台に立てることをすごく光栄に思っております。当日はとてつもない迫力を増して、僕たちが注ぐこの役柄とストーリーに、ぜひ耳をそして目を傾けていただけたら嬉しく思います」

(取材・文:冨岡弘行)

プロフィール

蒼井翔太(あおい・しょうた)
声優・歌手。8月11日生まれ、福井県出身。主な出演作に、『うたの☆プリンスさまっ♪』(美風藍役)、『ファンタシースターオンライン2』(橘イツキ役)、『KING OF PRISM』(如月ルヰ役)など。

伊波杏樹(いなみ・あんじゅ)
声優・舞台女優・歌手。2月7日生まれ。主な出演作に、『ラブライブ!サンシャイン!!』(高海千歌役)、『龍が如く8』(不二宮千歳役)、舞台『銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠』(メーテル役)など。

林勇(はやし・ゆう)
声優。 4月2日生まれ、神奈川県出身。主な出演作に、『東京リベンジャーズ』(佐野万次郎役)、『ハイキュー!!』(田中龍之介役)、『文豪ストレイドッグス』(立原道造役)など。

公演情報

朗読劇『源 -minamoto- 白赤の旗幟』

日:2025年11月8日(土)~9日(日)
場:TOKYO FM ホール
料:SS席[前方確約・特典付]11,000円 S席8,800円 A席[後方席]7,700円(全席指定・税込)
HP:https://logproject.jp
問:LOG project mail:info@logproject.jp

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