
2015年の初演より国内外のトップダンサーを集め、夏の横浜の街を彩ってきた横浜バレエフェスティバル。11年目の今年は日本バレエ発祥の地・鎌倉へ場所を変え、若手と円熟のダンサーによる競演と、古典から新作までの多様な演目を盛り込み、バレエの魅力をより多くの人に届ける。取材に応じてくれたのは、昨年に続き2度目の出演となる東京バレエ団プリンシパル・秋山瑛と、第1回から出演している同団ソリスト・二山治雄。特別なステージを楽しみにしていると話す。
秋山「芸術監督の遠藤康行さんをはじめとするスタッフの方やダンサーの皆さんがとてもアットホームな空気で、初めての私も温かく迎えてくれました。緊張するコンクールとは違い、皆で1つの舞台を創り上げていく感覚があるのも素敵ですし、他のダンサーが本番前にどんな準備をされるのか見られるのも勉強になります。特に若手の方が真っすぐなエネルギーで踊りに向き合う姿勢から改めて気づかされることも多いですし、とても刺激になります」
二山「初演時に『フレッシャーズ・ガラ』に出させてもらって以来、ずっとお声を掛けて頂き、家族のような存在です。18歳の時に国内外のトップダンサーを憧れの眼差しで見ていた自分が、10年経ってその一員になれたことは光栄ですね。10年続けるのは簡単なことではなく、神奈川の1つの夏の風物詩として地域に根付いていると感じました。お客さまも温かく、他のガラ公演にはないお祭り感も感じています」
遠藤監督が手掛けるオープニングとフィナーレや、年齢や経験も異なるダンサーによる豊富なプログラムに注目したい。
二山「10年続いた会場が変わることは少し寂しいですが、新天地でのステージも楽しみです。様々なレパートリーや経験を持ったダンサーや、バラエティに富んだプログラムを通して、バレエを知らない方にも楽しんで頂ける機会になると思います。折角の鎌倉ですし、観光も兼ねて気軽に出かける感覚でお越し下さい」
秋山「前回のフィナーレでは客席からダンサーが登場するなど、遠藤監督がどうしたらバレエを楽しんで頂けるかという工夫がたくさん盛り込まれていて、多くのお客さまから『楽しかった!』という声をもらいました。全幕物にはない豊富なプログラムが用意されているので、きっとお気に入りの作品にも出会えるはず。皆さまのご来場をお待ちしています」
(取材・文:小笠原大介)

秋山 瑛さん
「小さい時から身体を動かすことや走るのが好きで、健康で怪我もなくやれているので、身体の強さはありがたいなと思います。今思うとバレエをやる前から両親がすごく身体を考えた食事で育ててくれていて、そのおかげかなとも思います。家族みんなすごく仲が良くて舞台もいつも観に来てくれたり、秋山家LINEも3姉妹のLINEもよく稼働しているので、同じ家族の一員に産まれたいです(笑)」
二山治雄さん
「経験。バレエに限らず、小さい時から今に至るまで過ごした中での辛い事や悲しい事、楽しい事は僕にとって大事な財産でもありそこから産まれてくる表現などが沢山あります。生まれ変わってもその経験を元に色々やっていきたいと感じました」
プロフィール

秋山 瑛(あきやま・あきら)
埼玉県出身。7歳よりバレエを始める。東京バレエ学校、リスボン国立コンセルヴァトワールで学んだ後、イタリアのラ・カンパーニャ・バレット・クラシコで活躍。2013年、ベルリンでのタンツオリンプで銅賞を受賞。2016年、東京バレエ団に入団、2022年にプリンシパルに昇進。2024年、芸術選奨文部科学大臣賞新人賞を受賞。主なレパートリーに、『ドン・キホーテ』のキトリ、『海賊』のメドーラ、『ジゼル』のジゼル、ベジャール版『ロミオとジュリエット』のパ・ド・ドゥなど。

二山治雄(にやま・はるお)
長野県出身。7歳でバレエを始め、白鳥バレエ学園で研鑽を積む。2014年2月、17歳でローザンヌ国際バレエコンクール1位を受賞。1989年の熊川哲也、2012年の菅井円加に次ぐ、日本人3人目の1位受賞者となった。同年4月には、ユース・アメリカ・グランプリ シニア部で金賞を受賞。米国留学を経て、ワシントン・バレエ、パリ・オペラ座といった海外トップカンパニーで経験を積む。横浜バレエフェスティバルには第1回から出演している。
公演情報

横浜バレエフェスティバル2025 in 鎌倉
日:2025年8月2日(土)・3日(日)
場:鎌倉芸術館 大ホール
料:S席12,000円 A席10,000円
B席7,000円 C席4,000円
※他、各種チケットあり。詳細は下記HPにて
(全席指定・税込)
HP:https://shiver.jp/yokohamaballetfes2025
問:ソイプランニング tel.045-434-0555