ソロに連弾、8手8足まで！　多彩なオルガンアンサンブルで彩られるクリスマスの名曲たち

　ミューザ川崎シンフォニーホールのオルガンは迫力あるサウンドと多彩な音色によって多くの聴衆を魅了してきた。今回このオルガンの魅力を存分に楽しめるクリスマスコンサートが開催される。ホールのアドバイザーでありオルガニストの松居直美と、ホールオルガニストの大木麻理によって選ばれた、木村理佐・清水奏花・田宮亮・原田真侑の4名のオルガン奏者たち。ソロはもちろん2人での連弾、さらに「8手8足」による演奏も披露される。

原田「8手8足は珍しいですね。よくコンサートにお越し下さるお客様から、チラシをご覧になって『4人で一緒に弾いているのは撮影用ですよね？』と言われたくらいでした」

清水「もともと仲の良い4人で、それぞれで一緒にコンサートに出演して連弾するということはあったのですが、同じコンサートで4人が集まる、というのは初めてです。お互いの腕や指、足を乗り越えて演奏したりと、かなりアクロバティックな演奏になっています」

　演奏される楽曲は冬やクリスマスをテーマに、アダンの「さやかに星はきらめき」、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」などの定番曲をはじめ、J・S・バッハの「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」やメシアンの「主の降誕」より「神はわれらのうちに」といったクラシックの本格的な作品も披露され、非常にバラエティに富んでいる。

田宮「それぞれが得意な曲やジャンルをお互いにわかっているので、ソロは『これを弾いたら？』と提案しあいました。連弾曲は耳なじみのある作品が並んでいるので、ソロはオルガンという楽器をより深く知って頂けるようなものを選んでいます。オルガンがはじめての方にも、元々大好きな方にもお楽しみ頂けるようなプログラムになったと思います」

　多彩なプログラムの中心となるのは坂本日菜による編曲作品。とりわけ「『さあ！贈り物をあけてみよう！』～ 4人の天使たちによるクリスマス・オムニバス2～」は様々なクリスマスのメロディが散りばめられており、オルガンならではのスケールの大きなサウンドと華麗な技巧、緻密なアンサンブルが展開する。

木村「坂本さんに編曲をお願いしたいというのは4人の総意でした。演奏上の色々な仕掛けもあるので、ぜひ目でもお楽しみ頂けたら嬉しいです」

　4人それぞれの魅力と、アンサンブルでの楽しい掛け合いに期待が膨らむコンサートになりそうだ。ぜひクリスマスの素敵な思い出を彩ってほしい。

（取材・文：長井進之介　撮影：間野真由美）

木村理佐さん
「20年続けてきたことはパイプオルガンです。ちょうど20年前、わたしが12歳の時に、入学した中学校でオルガンに出会い、習い始めました。まさか当時は、自分が大人になってもパイプオルガンを弾いているとは思ってもいなかったと思います！　そして、今年は息子が誕生したので、息子が20歳になるまで育児に奮闘しつつ、オルガニストとしてもさらなる20年を歩みたいです！」

清水奏花さん
「オルガンを弾き始めて20年、携帯を持って20年。どちらも今手放せません。他に20年間続けているのは髪のパーマ。中高生の頃はストレートパーマ、今はデジタルパーマです。昔はくせっ毛が嫌でストレートにしたかったのですが、今は華やかさを出すためにパーマでカールをつけるのが好きです」

田宮亮さん
「続けたいことは朝の散歩です。数年前、だんだんと体重が増えてきてしまったのをきっかけに朝に散歩をはじめました。他にもあれこれと試したものの、結局続いたのはこれだけです。朝少し早起きをして、朝早くから開いているお気に入りのコーヒー屋さん目指して歩いていくのはとても気持ちがいいものです。20年後も続けられているといいな、と思います」

原田真侑さん
「続けてきたことはオルガンです。生まれた時から音楽が身近にある環境でした。その中で出会ったオルガンは、私の人生を豊かにしてくれました。20年前は聴いたり弾いたりして、自分が楽しんでいるだけでしたが、今はオルガンを通して多くの方とつながることを目指しています」

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