宮下貴浩と私オムのプロデュース第7回公演『愚れノ群れ』は、ともに暴力団に入った4人の幼馴染を軸にした物語だ。
私「任侠ものですが、結局は仲間の話を軸にした友情ものです」
宮下「今回は前川優希くんと玉城裕規さんが初めて参加してくれます。縁が広がっている感じがするね」
私「仲間と一緒に仲間の話を作れるのが楽しみです」
何作も共に作ってきた宮下が感じる、私オム作品の魅力はどこだろう。
宮下「今作はまだ読めていないけど、男臭くて格好いい作品になるんじゃないかと思っています。ダークな中にオムのおもしろさが散りばめられていると思うので楽しみ」
私にも宮下の魅力を聞くが、宮下が遅刻してきたこともあり「今日は褒めるのはやめておきます」とバッサリ。
私「でも、人を惹きつける魅力、舞台上での存在感は昔からありますね」
宮下「女性にもモテるしね」
私「そうですね」
宮下「否定してよ（笑）」
これまでの公演に参加経験があるキャストも多い。
私「安里さんが最初に出てくれた作品は今回と同じ任侠もの。安里勇哉の極道引き出しを楽しみにしています（笑）」
宮下「オムの作品を愛してくれている人が集まっているのも楽しみですね」
あらためて、宮オムプロデュース公演の特色やおすすめポイントを教えてもらった。
私「シーンの正解や気持ちの流れはみんなで作っていくけど、そこに行き着くまでの出し方は固めない。セリフの正解を決めないので色々なアプローチを見られると思います」
宮下「初めて演劇を観る方にもわかりやすい作品を意識しています。初参加の方々による新たな刺激もありつつ、お馴染みのメンバーの安心感もある。お芝居というフィールドの中で真面目にバチバチやってくれるみなさんなので一体感が出るだろうし」
私「ヤクザではあるけど、友情と親子関係を描いた青春ものです。言葉遣いはアウトローだし怒鳴るシーンもあるけど、内容は自分の信念や大切に思っていること。言ってることは普通の人と変わらないと感じてもらえたら」
宮下「重くてダークなだけじゃない作品になると思う。役者からするとフリが効いているのでやりやすさがあるし、観ている方も思わず笑ってしまうんじゃないかな。男だけで作る青春、ダークな世界が僕も楽しみ。軽い気持ちで来てほしいですし、初めて観る方にも僕らがやってきたこと・やりたいことが伝わると思います」
（取材・文：吉田沙奈 撮影：山本一人（平賀スクエア））
宮下貴浩さん
「YouTubeをわりと見るので、あの広告を見てる時間は年間にするとなかなかだなと思い、プレミアム会員になりました。バックグラウンド再生で情報を入れながら連絡を返せたり、他のことができるので日々かなり時短になっています。あとは食事や飲みでも未来の仕事のことを話すのが好きです。もともと好きではじめた仕事なので仲間や後輩、諸先輩方とそんな話をするプライベートがとても生産性があって楽しいです」
私オムさん
「とにかく、大股で歩く。股が裂けてしまうんじゃないかというほどに、大股で歩く。小股で歩くよりも確実に早く目的地にたどり着く。遅くたどり着くより早くたどり着いた方が絶対にいいのだ。だから、大股で歩く。股なんて裂けてるぐらいが丁度いいのだ。裂けてから起こる問題は、裂けてから考えればいい」
プロフィール
宮下貴浩（みやした・たかひろ）
1981年2月27日生まれ、長野県出身。株式会社ルビーパレード所属。2011年～ 2018年まで所属していた劇団居酒屋べースボールでは、多くの作品で主演を務めた。2018年からは劇作家・私オムとの共同企画をスタートし、毎年公演を開催している。2021年の水野美紀× 矢島弘一舞台『2つの「ヒ」キゲキ』、2022年のプロペラ犬『僕だけが正常な世界』では、出演の他、企画・プロデュースも行っている。
私オム（わたし・おむ）
1989年生まれ、大阪府出身。身近な日常からドラマを生み出し、笑いを挟み込みながら会話劇で展開する作風は、テレビ関係者からの評価も高い。2021年には、伊藤あさひ初舞台作品『五月雨』、神永学 原作舞台『怪盗探偵山猫 the stage』の脚本・演出を務め話題となる。原作がある作品もオリジナル作品も精力的に製作している。近作に、オムイズム『探求』の脚本・演出、ミュージカル『ウインドボーイズ！』の演出など。
宮下貴浩×私オム プロデュース 第7回公演 舞台『愚れノ群れ』
日：2024年6月5日（水）～12日（水）
場：シアターサンモール
料：8,500円（全席指定・税込）
HP：https://www.ruby-parade.com/lp/miyaomu7/
問：宮下貴浩×私オム プロデュース mail：miyaomu.info@gmail.com
