家族を描き続ける成井豊による『湯を沸かすほどの熱い愛』初舞台化！　たくさんの人を励ます力のある作品を精一杯届けたい

　2016年に公開され、数々の賞を獲得した中野量太監督の映画『湯を沸かすほど熱い愛』。公開当時から舞台化を熱望していたという成井豊が脚本・演出を、そして岡内美喜子、瀧野由美子らの出演で遂に舞台版として生まれ出ることになった。

成井「主人公の幸野双葉さんが余命2ヶ月と宣告されたなか、何一つ諦めずに出来ることをやり尽くす生き方に強く惹かれて。舞台でやりたいと思い続けながら、なかなかチャンスがなかったのですが、3年前に書店で中野監督ご自身が書かれたノベライズ本を見つけたんです。それでまた感動に火がついて、舞台化の許可も取れていないのに脚本を書いちゃったんです。そこから許可を取って小屋を押さえていったから、上演の3年も前に本を書いたのは初めてです」

岡内「その思い入れを聞いていたので、私が双葉さんで大丈夫かな？という気持ちにもなるのですが、私は成井さんと一緒に小説や映画を原作にした舞台を何作もやってきました。なので成井さんが原作を深くリスペクトして、決して逸脱せずに面白い舞台を作ることには絶大な信頼を置いています。その信頼を土台に、決してスーパーレディではなく、人間らしい葛藤や悩みを持ちながら必死に戦っていく姿が美しい、愛に溢れた双葉さんとして生きていきたいです」

瀧野「私はその双葉さんの娘・安澄ちゃんを演じさせていただきますが、命の時間が見えてしまったお母さんが頑張る姿に、誰よりも影響を受けて成長していくのが安澄ちゃんなので、本格的な舞台は初めてですが、精一杯演じたいです」

成井「3人でワークショップを何回かしているんだけど、瀧野さんは努力家で、アドバイスをする度にどんどん変わっていっている。岡内さんは実生活でも母親になってこの役を演じるのにピッタリのタイミングだと思うので、2人にはとても期待しています」

瀧野「わからないことばかりなので、色々な壁にもぶつかると思いますが、映画のファンの方にも楽しんで観ていただけるように頑張りたいです」

岡内「初めての舞台だからこそ感じられることも多いと思うから、これからの数ヶ月、双葉さんのように出来ることを精一杯やりきっていきましょうね」

成井「たくさんの人を励ます力のある作品なので、舞台を観たら映画が観たくなる、そしてまた舞台を……と続いていく。再演を重ねられる作品にしていきたいので、是非劇場にいらしてください！」

（取材・文：橘 涼香　撮影：山本一人（平賀スクエア））

成井 豊さん
「今から24年前、私は40歳になったのを機に、テレビとマンガとプロレスをやめました。その分、読書と映画鑑賞をしようと思ったのです。そのくせ、たまにテレビドラマの脚本は書きましたが。しかし、去年、Netflixで『愛の不時着』と『イカゲーム』を観て以来、テレビドラマにハマっています。最近観ておもしろかったのが、『逃げるは恥だが役に立つ』！　８年も前のドラマで本当に今更ですけど、観て良かったと思いました。ガッキー最高！」

岡内美喜子さん
「私の最近、新たに出会ったものは“小さなお弁当箱”です。この春、3歳の娘が幼稚園に入園します。今までの3年間は保育園の給食にお世話になったのですが、4月からの幼稚園ではお弁当の日があるんです。年少さんにぴったりサイズのお弁当箱を買ってみたのですが、ちっちゃーーい！　こんなおもちゃみたいな箱に何をどうやって詰めるんだ??　私も幼稚園・中学・高校とお昼は母のお弁当を食べて育ちました。お弁当は当たり前に持たせてもらって、当たり前においしいものでした。自分の子供の頃を思い出しつつ、早起きして、私も娘に当たり前の愛を注ぎたいと思います」

瀧野由美子さん
「大きいテレビを買いました。テレビを観ることが大好きで、家に帰ると寝るまでずっとテレビがついているのですが、自分へのご褒美でテレビを大きくしました。最近は配信で映画を観ることも多いので、ポップコーンを食べながら観たいです！　録画機に録画しすぎていつも容量がいっぱいなので、次は容量の大きい録画機を買えるように頑張ります！」

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