珠玉のダンサーと新美術、斎藤友佳理監督の演出で生み出される古典バレエ 新制作の初演という滅多にない素晴らしい舞台を大切に味わいたい

珠玉のダンサーと新美術、斎藤友佳理監督の演出で生み出される古典バレエ 新制作の初演という滅多にない素晴らしい舞台を大切に味わいたい

 今秋、東京バレエ団が新制作・初演する『眠れる森の美女』。オーロラ姫を務めるキャストの1人、金子仁美に話を聞いた。

 「怪我が続いていて自分に自信を持てずにいたこともあり、配役を(芸術監督の斎藤)友佳理さんから聞いたときは、素直に心から嬉しく涙が溢れました」

 『眠れる森の美女』は古典バレエの王道にして最高峰。オーロラ姫を体現するにあたり、ダンサーが追求すべきものは多い。

 「踊りの正確さはもちろん、動きの一瞬一瞬が大切になります。第1幕の16歳のオーロラには若さやかわいらしさ、華麗さ、第3幕のオーロラには大人っぽさや優美さ、謙虚さなどが求められると思います。考えすぎて頭が硬くなると動きも硬くなってしまうので、より自由に軽やかに美しく踊れるようにすることが課題。“眠り”を含め3大バレエはとくに誤魔化しがきかない踊りの連続。自分への集中力と忍耐力が重要になってくるので、そういった部分を意識しながら練習を重ねていきたいです」

 今回の新制作にあたっては、斎藤自らが踊った経験に基づく気づきを演出に盛り込み、現代版“眠り”の創造を目指す。

 「長年オーロラ姫を踊って来られた監督の疑問点や古典バレエゆえの曖昧な点がクリアになるのではないでしょうか。友佳理さんはバレエを誰よりも愛し、たくさん勉強をされているので知識豊富。そしてご自身の経験をベースに、細やかに指導してくださいます。今後さらに深めていく中で、学びや気づきが山ほどありそうで楽しみです」

 美術と衣裳も鋭意制作中とのことで、期待は膨らむばかりだ。

 「新しい舞台装置の中で、新しい衣裳を身に着けて舞台に立てることに大きな喜びを感じています。ロシアの職人たちの手で描かれた舞台装置の絵にも、きっと感動していただけるはず」

 バレエを見たことがない人に“眠り”の魅力を伝えるなら?

 「ディズニー映画などでも知られているので、物語は理解しやすいと思います。チャイコフスキーの音楽が美しく、聴くだけで心が踊ります。舞台転換を通じて100年の月日の流れを表していたり、個性豊かなキャラクターが多く登場したりするのも見どころ。東京バレエ団では長らく“ 眠り”の全幕公演をやっていないので、10年以上封印されてきた作品の魔法が解けるような、そんな感覚です。オーソドックスな部分は守りつつ、よりクリアに洗練された『眠れる森の美女』に注目していただければ」

(取材・文:木下千寿 撮影:友澤綾乃)

プロフィール

金子仁美(かねこ・ひとみ)
群馬県出身。6歳よりバレエを始める。2011年に東京バレエ団に入団し、2012年、子どものためのバレエ『眠れる森の美女』で初舞台を踏む。現在、東京バレエ団ソリストとして、多くの公演に出演中。

公演情報

東京バレエ団 新制作 初演
『眠れる森の美女』全3幕 プロローグ付

日:2023年11月11日(土)~19日(日)
場:東京文化会館 大ホール ※他、地方公演あり
料:S席14,500円 A席12,000円 B席9,000円
  ※他、各席種あり。詳細は団体HPにて
  (全席指定・税込)
HP:https://www.nbs.or.jp/
問:NBSチケットセンター
  tel.03-3791-8888
   (平日10:00~16:00/土日祝休)

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