シリーズ累計40万部突破の人気小説の舞台化第2弾 オールフィメールで作り上げる優しく穏やかな異世界転生ファンタジー

シリーズ累計40万部突破の人気小説の舞台化第2弾 オールフィメールで作り上げる優しく穏やかな異世界転生ファンタジー

 シリーズ累計40万部を突破した小説を舞台化した『白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます』。2021年3月に初舞台化され大きな話題を呼んだ本作の2度目の舞台化が決定。主人公の鳳蝶役に高岡薫を迎え、オールフィメールで上演する。
 高岡と百華公主役の石井美絵子に公演への意気込みを聞いた。

―――まずはじめに、最初に本作への出演が決まった時のお気持ちを聞かせてください!

高岡「私はもともと転生ものが好きだったので、これまでもいろいろな作品を拝見していたのですが、まさかこのような形でこの作品に携わらせていただけるなんて思ってもいなかったので、本当に嬉しかったです。
 でもそれと同時に、主演ということもあり、そして原作がある作品でキャラクターをお預かりして演じさせていただくということに、プレッシャーも感じました」

―――今、お話にも出ましたが、やはり主演ということで、より気合いが入りますか?

高岡「そうですね。もちろん、どの作品にも全力で挑んではいますが、主演というのはやはり大きいです。私が以前、舞台に出演させていただいた時も主演をさせていただいたのですが、その時はトリプルキャストだったので、シングルキャストでの単独主演は今回が初めてなんです。なので、よりプレッシャーを感じていますが、頑張ります!」

―――石井さんは、ご出演が決まってどんなお気持ちでしたか?

石井「最初に感じた、本当に率直な感想は『題名が長いな』でした(笑)。まず、そのインパクトが強かったです。それから、タイトルの最初が『白豚』というのもインパクトが強くて、そこに気持ちが持っていかれました(笑)。いい意味で興味を持って、原作も調べさせていただいて、とても面白そうな作品だと出演できることが楽しみになりました。
 私も転生ものの作品には携わったことはないのですが、ファンタジー作品や魔法が出てくるような作品が大好きなので、そうした世界観の作品である本作に心を掴まれました」

―――原作を読んでどんな感想を抱きましたか?

高岡「すごく面白かったです。今回、私が演じさせていただく鳳蝶くんはとてもいい子で、鳳蝶くんの周りにいる人たちは大人で魅力的な方ばかり。鳳蝶くんの両親には『う~ん』と思いましたが、夢中になって何回も読み返してしまいました。この舞台に出演できることが本当に楽しみになりました」

石井「かわいい、穏やか、きらびやか。そんな世界がずっと続いているというのが素敵だなと思いました。世界が優しくて穏やか。現実世界で生きていると色々なことがあるじゃないですか。例えば、疲れた時やしんどい時に、この“しろひよ”の世界に入ると癒されるんです。憩いの場のような作品だなと思いました」

―――そんな異世界を舞台にした作品だからこそ、演じる上では難しいこともありそうですね。

高岡「そうですね、もちろん難しいことも多いと思います。ただ、私は転生ものは初めてなので、どうなるんだろうという楽しみが大きいです」

石井「私たちの生きている現実から見渡すと、魔法があるのが当たりのファンタジーな世界ですが、鳳蝶や百華公主といったあの世界に生きている人たちにとってはあの世界が現実なんですよね。あまりにも創作物に見えすぎないように、まずしっかりとあの世界を生きて、その上で、キラキラした優しい世界をお見せできたらと思っています」

―――今回は、オールフィメールでの上演です。女性だけだからこその面白さも生まれてくると思いますが、そうした女性だけで演じる作品に対する楽しみや期待は?

高岡「私は今、源三さんも女性が演じるというのが1番気になっているところです(笑)。どんな感じになるんだろうと、個人的にすごく楽しみにしています」

石井「漫画では完全におじさんだったもんね。どうなるのか楽しみですよね」

―――高岡さんご自身も、男の子の役ですよね。それについてはいかがですか?

高岡「男の子役も初めてなので、私にとっては挑戦ですし、冒険です。自分でもどうなるのか楽しみにしています」

―――石井さんはオールフィメールの作品ということについては、どんな思いがありますか?

石井「舞台全体で見たら、女性だけの作品は少ないと思いますが、私はこれまでもオールフィメールの座組みに参加させていただくことが多かったんですよ。なので、ありがたいことにすごく慣れていますし、女の子の良さを体感しています。
 女の子って、本当に本番に強いんですよ。そこは、どの舞台でも共通していました。本番になるとめちゃくちゃ底力を出すんです。そんな状況を何回も体感しているので、今回もきっと皆さん、底力がすごいんだろうなと楽しみです。
 それから、本当にいろいろなタイプの美少女が世の中にはいるんだなと感じるのができるのも楽しみの1つだと思います。やっぱり華やかです」

―――稽古場の雰囲気も違いますか?

石井「違います。もちろん男性がいる作品でも、和気あいあいとしている座組みはたくさんありますが、女の子だけだと、より一層、仲が良くなりやすいと思います。打ち解けるまでのスピードが圧倒的に女の子だけの座組みの方が早いですし、濃い関係が築けます」

―――なるほど。高岡さんはAKB48として活動されていたので、女性の多い現場も慣れているのではないですか?

高岡「そうですね。女子しかいない空間にいるので、グループ以外の外部の舞台に出演すると、男の人が仕事場にいるんだと面食らうこともありました。その分、女の子ばかりの現場には慣れているので、そういう意味では今回も緊張はありませんが、初めましての方がたくさんいるので、早く仲良くなれたらいいなと思っています」

―――では、原作を読んで感じた、それぞれの役柄の印象は?

高岡「先ほども言いましたが、鳳蝶くんは転生した男の子で、とにかくいい子です。弟のことはもちろん、自分の周りの人のことも親身になってやってあげる優しさがあります。
 お裁縫やお料理が得意なので、そこは私とは正反対ですが(苦笑)、弟に対する愛情は私の大好きなアニメのキャラクターに対する愛情と似ているところがあるのかなと思うので、共感できます」

石井「私が演じる百華公主は、伯爵家の庭に住む神様なのですが、神様を生身の人間が演じることにはプレッシャーを感じています。しかも、この世界の中で誰が見ても美しいとされる役どころなので『そうか……』と(笑)。
 性格は、喜怒哀楽がはっきりしていて、子どものように無邪気で素直な一面があって、好奇心が旺盛。そうしたところがすごくチャーミングです。チャーミングな神様というのが最初の印象でした」

―――これからのお稽古で役をさらに作り込んでいくのだと思いますが、今の時点ではどんなところにポイントを置いて演じようと思っていますか?

高岡「鳳蝶くんは、男の子ですが、そこにはあまりとらわれずに、可愛らしさを伝えられたらいいなと思っています」

石井「今までやってきた作品の中で、1番美しい状態でいなければいけないと、使命感を感じてます。原作を読ませていただいて、いちファンになった私としても、演じる私としても、美しい状態でいないと納得できないと自分で思っていて、そうなれるようにと今は考えています」

―――その美しい状態に向けて、今、準備もされているんですか?

石井「実は、本当に偶然なのですが、昨年の12月20日から毎日15分から20分のトレーニングをしています。4カ月ほど前から、ピラティスにも通い始めました。突然、『美しい役がきたらどうしよう』って思ったんですよ。
 もちろん、役者として体力づくりをするという側面もあるんですが、そうした役がきた時に自分のメンタルを維持した状態で、その役にまっすぐ向き合えて、お客さまに観ていただけるようにしようとトレーニングを始めたのが12月20日なんです。そうしたら、今回の百華公主の役をいただいたので、ものすごくご縁を感じています」

―――まさにくるべくしてきた役柄ですね。高岡さんは、お稽古に向けて何か準備をする予定ですか?

高岡「まずは原作をたくさん読もうと思っています。それから、苦手なお裁縫も少し頑張ってみようと思います(笑)」

―――本作が幼い兄弟が荒れた領地を立て直していくファンタジー作品ということにちなんで、お二人の兄弟にまつわるエピソードを教えてください!

高岡「私は姉が2人いて、末っ子です。姉2人とは、幼い頃はよくケンカもしましたが、大人になってからは一緒に遊びに行くことが増えました。離れた場所に暮らしているので会える機会は少ないですが、仲は良いと思います」

石井「私は3つ上の兄がいます。ケンカをした記憶がないくらい、底抜けに優しい兄で、ものすごく穏やかな人です。私だけでなく、誰にでも優しい人なんですよ。なので、小中高と自由奔放に育ってきました(笑)。
 こうして大人になった今、改めて兄には本当によくしてもらっていたなと思いますし、そうした自由にさせてもらったことが今回の役にも生きるんじゃないかなと思います」

―――改めて、公演に向けての意気込みをお願いします!

高岡「先ほど石井さんもおっしゃっていましたが、この作品は優しく穏やかな世界を描いた物語なので、観にきてくださった方もホッとできると思います。普段、いろいろなことで忙しくしていると思いますが、この舞台を観て、楽しんでいただけたら嬉しいです。そうなれるように頑張ります」

石井「この作品を舞台化したらどうなるんだろうと想像するのが難しいと私自身思っていますが、分からないからこそ面白いとも感じています。今、1から作っていく楽しみをすごく感じているので、ぜひお客さまもこの世界観を生身の人間がどう演じるのか、楽しみにしていただけたらと思います」

(取材・文&撮影:嶋田真己)

プロフィール

高岡 薫(たかおか・かおる)
2000年11月29日生まれ、愛媛出身。愛媛・伊予観光大使。2014年にAKB48に加入。都道府県代表チーム8の愛媛県代表メンバーとして活躍した後、2023年8月に卒業。卒業後は、俳優業を中心に活動。主な作品に、坊っちゃん劇場ミュージカル ロングラン作品『ジョン マイ ラブ -ジョン万次郎と鉄の7年-』など。

石井美絵子(いしい・みかこ)
1990年4月17日生まれ、茨城県出身。雑誌「Oggi」専属モデル。ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』シリーズではセーラープルート/冥王せつな役を担い、活躍。主な出演作に、≠ME ACT LIVE『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』、舞台『呪術廻戦』、『リコリス・リコイル』など。

公演情報

舞台『白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます』

日:2023年10月18日(水)~22日(日)
場:CBGKシブゲキ!!
料:最前列[S席]12,000円
  一般席[A席]7,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.tobooks.jp/shirobuta-stage2023/
問:style office
  mail:stage.contact55@gmail.com

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