サンチョ・パンサが愛と冒険の物語を解説 名場面を凝縮した、子どもも大人も楽しめるバレエ

サンチョ・パンサが愛と冒険の物語を解説 名場面を凝縮した、子どもも大人も楽しめるバレエ

 例年、夏休みに小さな子どもも楽しめるバレエ公演を開催している東京バレエ団。今年も8月に子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』を全国10ヶ所で上演する。

 「より親しみやすく、分かりやすくクラシックバレエを楽しんでいただくために、登場人物の1人であるサンチョ・パンサによる説明がついてくる公演です。通常の『ドン・キホーテ』よりも公演時間を短くしているので、名場面を凝縮した公演になっています。『ドン・キホーテ』は、最初から最後まで明るいストーリーです。お子さんが怖いと思うシーンもなく、常にコミカルに物語が進んでいきます。なので、小さなお子さんにも楽しんでいただけると思います」

 一方で「ぜひ大人の方にも観にきていただきたい」とも話す。

 「基本的な構成は全幕バレエと変わりません。グラン・パ・ド・ドゥもありますし、僕たちも精一杯踊らせていただきます。凝縮している内容だけに、展開もスピーディーでより気軽に楽しんでいただけると思います」

 今回、キトリは秋山瑛、涌田美紀、中島映理子、バジルは池本祥真、生方、大塚卓が務める。生方は、2020年11月に上演した、子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』で主役のバジルとエスパーダを日替わりで演じ成功を収めている。

 「元気なバジルとかっこいいエスパーダは全く違うキャラクターなので、切り替えるのは難しかったですが、今回はバジルのみ。バジルになり切って、フレッシュさと元気さを出すのが大事だと思っています。最近は、自分がいかにその舞台を楽しめているかも意識するようにしています。舞台を自然体で楽しむことで、自分自身も満足できますし、お客さまもそれを感じて楽しんでいただけるのだと思います。役だけに集中して頑張るのではなく、お客さまと一緒に楽しむことを心掛けていきたいです」

 さらに生方は、「バレエは敷居が高いと思われがちですが、決してそんなことはありません」と言葉に力を込める。

 「特にこの『子どものためのバレエ』ではサンチョ・パンサがお客さまに質問を投げかける場面もあるので、リラックスしてご覧いただけます。少しでもバレエに興味を持ってもらえる方が増えたら嬉しいです。今はテクノロジーが発展して、劇場に来なくても映像でも観られるものが増えていますが、やはりその瞬間、生でその場で感じられるというのがバレエの魅力だと思います」

(取材・文:嶋田真己 撮影:佐藤雄哉(平賀スクエア))

プロフィール

生方隆之介(うぶかた・りゅうのすけ)
群馬県出身。東京バレエ学校で学び、同校Sクラスの海外研修制度で2015年にワガノワ・バレエ・アカデミーに留学。その後ハンガリー国立バレエ学校で2年間学ぶ。2019年、同校を卒業後、東京バレエ団に入団。同年10月の『春の祭典』で初舞台を踏み、12月の新制作『くるみ割り人形』ではアラビア、スペイン、ねずみを踊った。2020年には子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』で主役のバジルとエスパーダを日替わりで演じて成功を収めた若手のホープ。2021年にソリストに昇進。主なレパートリーに、子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』(バジル/エスパーダ)、『くるみ割り人形』(アラビア/スペイン/花のワルツのソリスト/ねずみ)、『ドン・キホーテ』(闘牛士/ジプシー)、『ジゼル』(パ・ド・ユイット)、『ラ・シルフィード』(パ・ド・ドゥ)、『バレエ・インペリアル』(ソリスト)、『パキータ』(プリンシパル)など。

公演情報

東京バレエ団 子どものためのバレエ ドン・キホーテの夢

日:2023年8月26日(土)・27日(日) ※他、地方公演あり 
場:めぐろパーシモンホール 大ホール
料:一般 S席6,000円 A席5,000円 中学生以下 S席3,000円 A席2,500円(全席指定・税込)
HP:https://www.nbs.or.jp/
問:NBSチケットセンター tel.03-3791-8888(平日10:00~16:00/土日祝休)

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