お気に入り俳優たちの、今まで観たことがない、意外な姿を見られるかも…… 人気俳優・五十嵐啓輔が贈る“お得な”コメディ・オムニバス

お気に入り俳優たちの、今まで観たことがない、意外な姿を見られるかも…… 人気俳優・五十嵐啓輔が贈る“お得な”コメディ・オムニバス

 スラッとした長身と端正な顔立ちで、二枚目俳優として人気の”いがむー”こと五十嵐啓輔。数々の舞台で主役を張ることが多い五十嵐だが、その一方、自ら手がけた台本で数々のコントやコメディ作品を発表してきた。そんな作品を集めたオムニバス舞台『バブルメイカー~夏の自由研究~』が上演される。
 これまでにも五十嵐のコントライブに出演したメンバーから、初めての顔合わせとなるメンバーまで、バラエティに富んだキャストが集結したが、どんな内容となるかはまだ五十嵐の頭の中で渦巻いている。そこで脚本と演出を手がける五十嵐に加え、先日上演された『世界は僕のCUBEで造られる・2022』で共演した小栗諒、黒木文貴、星守紗凪の4人に話を聞いた。

―――五十嵐さんは今までにもコント台本をずいぶんと書かれているし、演出もされていますね。

五十嵐「2,30本くらいは書いていますね。作・演出と言うほどたいしたものではないですが。今まではファンクラブのイベントとしてやっていたコントライブを舞台に昇華させていきたいと思いまして。プログラムはA、Bの2パターンで短編を並べる予定です」

―――今日お集まりの皆さんは五十嵐さんのコントライブに出演されたことはあるんですか。

小栗・黒木・星守「初めてです」

―――皆さんをキャスティングした理由を教えてください。

五十嵐「黒ちゃん(黒木)と小栗くんは事務所公演ということもあるし、もっと2人とお芝居で絡みたい!という思いが強かったのでお声がけしました。星守さんは”セカキュー”(『世界は僕のCUBEで造られる・2022』)で初めてご一緒させてもらい、面白い方だなあと思いました。一緒にお芝居の話をしていて、根本に抱えるものが僕に似ていると勝手なシンパシーを感じてしまったんです」

星守「空き時間に楽屋で皆さんとお芝居の話を、真剣にすることがあって。台本には無いけれど、自分なりに演じている表現についていろいろ話し合っていました。私は考察好き、台本の深読みが好きなのですが、それを皆さんに話すと真剣に聞いてくださるんです」

小栗「真剣半分、半分は『あー、そうなんだぁ』って感じで(笑)」

星守「えー、ひどいよー(笑)」

五十嵐「面白い見方をしている人だなあと思いました」

―――五十嵐さんのコント、コメディ作品に出演することについては白紙の状態だと思いますが、どんな作品や演出を期待しますか。

黒木「僕の中では楽しみ半分恐怖半分ですね(笑)。ファンの方もご存知の通り『五十嵐啓輔=変態(笑)』という認識が定着していますから、下ネタに振るのか正統なお芝居に振るのか、まあ幅広い。楽しみです」

五十嵐「今回は下ネタほぼ無しです」

小栗・黒木・星守「おぉー」

五十嵐「“ほぼ”ですけど(笑)。今までのコントライブはキャストがほぼ全員男性だったんですが、今回は女性ゲストもお招きするので、ちょっと考えてます」

小栗「五十嵐啓輔という脳みそが何を創り出すか。そして僕等がどう体現できるか。それが素直に楽しみですし、黒ちゃん(黒木)の言うとおり恐怖感もありますが、まあそれが良いスパイスになるんじゃ無いかと思います。いがむー(五十嵐)って一緒にモノ作りをしてくれるイメージが強いんです。だからこそ全力でできると思います」

星守「お笑いやコントを観るのは大好きなんですが、挑戦するのは初めてです。観るのが好きなら自分でも演ってみたいと思うので、頑張りたいですね。また、いがむーさんがみんなをどう見ていて、何を要求するか、それは興味深いですね」

五十嵐「僕は役者さんのことを思い浮かべて書くことが多いので、皆さん普段のキャラクターの傾向があると思うんです。だけど僕やファンはそれ以外の一面も見たくなる。そこで皆さんには挑戦をさせたいなと思います」

黒木「先生、王子様がやりたいです」

五十嵐「普段やってない? 王子っぽい役」

黒木「そうでもないです。今のうちに言っておけばやれるかと思って。王子っぽいんだけど中身が残念とか、良いですねー」

小栗「僕はただの馬鹿なキャラクターをやりたいですね。『馬鹿に見えるんだけど実は芯が通っている』というキャラはあるけど、“ただの馬鹿”はやったことがない」

星守「私は今まで可愛く話し始めるんだけど、エスカレートして最後には暴力的という、そんなタイプのキャラクターが多いので、最後まで可愛いままを通すキャラクター。ブリッ娘がやりたいですね」

五十嵐「あぁ、そりゃ無理だ(笑)」

星守「えー、ブリッ娘やりたーい。なかなかできないので。お願いします」

五十嵐「かしこまりました(笑)。僕自身も出演しますが、有り難いことに今年入って三連続主演でどれも真面目な役が多かったので、僕も馬鹿になりたいですね」

―――五十嵐さんが目指す役者さんや脚本家さんはどなたでしょう。

五十嵐「好きな役者さんは図師光博さんで、僕の目指す姿でもあります。もっともそれを図師さんに言うと『間違っている』と言われますが(笑)。作演出では田邊俊喜くんという演出家がいるんですが、彼とはお互いにコントを書きあってメールで送り会う仲で、刺激を貰っています」

―――他のキャストで気になるメンバーを教えてください

五十嵐「今回、櫻井尚輝くんと山﨑悠稀さんが初めてご一緒するんです。またお二人のお芝居も観ていないので、どんなアプローチをされるかが楽しみです。あとは怒られないかと思って(笑)」

星守「大丈夫だって」

五十嵐「いままでそう言われたことはないけれど、心の中ではそう思っているかも知れない」

―――ではそれぞれ舞台への意気込みを伺いましょう。

黒木「エンタテインメントとはつまるところ笑いだと思いますし、客席でお客さんが笑ってくれると、舞台上の気持ちが凄く昂揚するんです。だからこそコメディは凄く楽しみです。まあスベった場合の責任は全て脚本のせいということで(笑)。まあともかく全力で挑みます」

小栗「僕はクールな役とかが多くて、コメディやコントはあまり無いんです。でも願望は凄くあったので、今回はいいチャレンジです。新境地が開ければ良いと思います」

星守「今までも私は日替わりギャグのコーナーを任されることが多かったのですが、それは自分の意思ではなく義務感でやってました。それが今なら自分で考えて笑いを引きだせるのではないかと思います。何でもやるぜ、というテンションで挑みたいです」

五十嵐「僕は常に人を楽しませたいと思っていて、作品もその延長線上でしかなく、これが普段の俺なんです。最近は自分のイベントができていなかった事もあります。皆さんもものの見方が広がれば毎日はもっと楽しくなると思うんです。演劇って一瞬の芸術じゃないですか。泡沫の夢ではないですが、そんな気持ちも込めてタイトルもつけました。一瞬の輝きを創り出すヤツらということですね」

星守「じゃあ私達がバブルメイカー、なんですね」

五十嵐「そう、バブルメイカーズ(笑)。その夏公演ですね」

―――では続けてメッセージをどうぞ。

黒木「カンフェティをご覧の皆様。黒木文貴です。私は…バブルメイカーです」

五十嵐・小栗・星守「(爆笑)」

黒木「夏の暑い時期、風物詩となるような作品をバブルメイカーとしてお送りします。皆さんも一緒に泡になって弾けましょう」

小栗「バブルメイカーの小栗諒です(笑)。普段はクールな役が多いですが、このバブルメイカーでは馬鹿とかかっこ悪い、ダサいとかの、今までの小栗諒には無かった部分を見せることができたら良いなと思います。それを楽しみにしていてください。以上、バブルメイカーの小栗諒でした(笑)」

星守「同じく、バブルメイカーの……(笑)。星守紗凪です。私はとにかく笑いが好きですが、皆さんもお笑いに救われることもあると思います。遊びに観に来てくださった皆さんと一緒に創って楽しむ。まさに夏の自由研究をしに来るつもりで劇場に遊びに来て欲しいですね。お祭りの時期だからみんなでどんちゃん騒ぎしましょう。頑張ります!」

五十嵐「ただただ楽しんで欲しい、もうそれだけですね。その中でご自分の推しが見せる色々な姿を見つけて欲しいです。この作品はいわばバラエティパックです。オムニバスで色々な役を観ることができますからお得ですよ。一緒に盛り上がって欲しいです」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

五十嵐啓輔(いがらし・けいすけ)
群馬県出身。大学時代にスカウトされモデルとして活動を開始。2010年、美童浪漫大活劇『八犬伝』〈第二部〉で初舞台を踏む。以降、小劇場、2.5次元など様々なスタイルの舞台に出演して人気を高め、2022年は3本連続で主役舞台を務める。さらに小説アプリ内でのストーリー執筆や、コント台本の執筆など、多彩な活躍を展開している。

小栗 諒(おぐり・りょう)
静岡県出身。劇作家、演出家の松多壱岱が主宰する劇団、ACTOR’S TRASH ASSHのメンバーとして活躍する傍ら、舞台『爆剣』シリーズ、舞台『少年ヨルハ』、オッドエンタテインメントPresents 舞台『鬼切丸伝~源平鬼絵巻~』、舞台『Zoo-Z the STAGE -コンクリート・ジャングル-』など数多くの作品に出演している。また剣技も得意で、俳優としてだけでなく、殺陣師として振付を担当することもある。

黒木文貴(くろき・ふみたか)
鳥取県出身。ゲームを舞台化したメディアミックス作品や現代劇、時代劇など幅広いジャンルの舞台に多数出演。さらに「東京ゲームショー」「次世代ワールドホビーフェア」などのイベントでMCを務めたり、テレビ、映画、CM等で精力的な活動を見せている。殺陣も特技の1つで、2022年の『爆剣〜東京転生試合~』では主役の小野善鬼を演じた。

星守紗凪(ほしもり・さな)
秋田県出身。2015年にゲーム『イグジストアーカイヴ』のTVCMに出演したことをきっかけに本格的な芸能活動を開始。アニメやゲームで声優として活動する傍ら、モデルやCM出演。さらに舞台女優として2016年から舞台にも数多く出演している。普段は猫と一緒に家に閉じこもりがちだと言うが、好きなサバイバルゲームでは勇ましい格好でフィールドに飛び出していく。

公演情報

五十嵐啓輔オムニバスコメディ作品集
『バブルメイカー~ 夏の自由研究~』

日:2022年7月27日(水)~8月1日(月)
場:四谷3丁目ドリームシアター
料:5,000円(全席指定・ドリンク代別・税込)
HP:https://wakana-agency.co.jp/news/news178
問:和奏AGENCY
  mail:contact@wakana-agency.co.jp

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