otonapro[Otona Project 第四十二弾]演劇ユニット【爆走おとな小学生】第十八回全校集会〈ヒーロー×ダンスアクション×コメディ×サスペンス〉『舞踏戦士オドルンZファイター』が、9月16日 (金) ~9月19日 (月・祝)、東京ドームシティ シアターGロッソにて上演される。
“全てを疑え。真実を決めるのは、自分自身だ”
とのキャッチコピーが魅力的な今回の作品は、おとな小学生の代名詞である ” ジェットコースター級の疾走感で贈るザ・エンターテイメント ” の舞台となっている。
物語は悪の組織「デイダラボッチーズ」によって、戦後最悪の状況と化し平和が脅かされている日本に現れた正義のヒーロー「オドルンZファイター」が、闇のヒーロー「デイダラボッーズ」たちを、「オドルン」の名の通り踊り狂わせて成敗し日本の平和は守られた……と思ったのも束の間、今度は一般人達による悪事が急増。
5人全員が身元不明で、その行動が公務執行妨害と認定された「オドルンZファイター」は、警視庁により全国指名手配の身の上となってしまう。
正義のヒーローから一転、大犯罪者となってしまった「オドルンZファイター」達の逃亡生活が始まる……という、〈ヒーロー×ダンスアクション×コメディ×サスペンス〉だ。
稽古場レポート
何よりキーワードは「舞踏戦士」。
ダンスが大きなウエイトを占めることは間違いない稽古場を訪れると、外の大雨とは無縁の熱気のなか、正義のヒーロー「オドルンZファイター」の心優しい熱きリーダー・赤井彗星役の松本幸大、闇のヒーロー「デイダラボッチーズ」の、冷血リーダー赤羽翼役の日向野祥を中心に、大人数での振付が行われていた。
この日の振付は、音楽がなくボディパーカッションだけで進められる場面。はじめは全員が裏拍のクラップを鳴らしていて、それが揃ってくるだけで既にかなりの迫力があり、稽古場の空気が引き締まるのが感じられる。
だが「私の身体ひとりでは体現できないから皆で覚えてね!」とのコレオグラファーの宣言通り、三角の隊列から、移動してくるメンバーは、それぞれクラップ、ステップの多彩な組み合わせが、輪唱のように少しずつ加わっていく形になっていて、隣の人につられたら最後、全体がかみ合わなくなってしまう!という、見ているだけでも混乱してくる状況が続く。
けれども、ものすごく大変なことをやっているはずなのに、稽古場の空気は決して暗くならない。それどころか、やはりこうしたリズムものは特に、パッと理解できる人と、やや不安感が見える人とが、いま初めて振りがついている現場では当然起こるのだが、誰かのカウントが怪しくなると、上手、下手でシンメトリーになっているメンバーがすかさず「2、4、4だよ!」と自然に声を掛け合って修正していく。誰もが自分のことで手いっぱいになっていない。ちゃんと全体を見て自分の立ち位置を把握しながら、あくまでも明るく助け合っているのに感心した。
しかも、男性チームが複雑なコンビネーションと戦っている間、裏拍クラップで支える女性チームも、如何に良い音が鳴らせるか?とクラップの練習に余念がない。一方で、このボディパーカションのナンバーには参加していないキャストが、稽古場の隅で黙々と自身の振りを確認している姿も、決して休むことがなかった。とにかく皆が熱心で、エネルギッシュ。この姿勢から、ノンストップのジェットコースターエンターテイメントが生まれていくのだろう。
「空気を支配して!」
というコレオグラファーの言葉通り、全員のグルーブが揃ってくると小気味よさは更に加速。ボディパーカッションだけで進むだけに、2カウント入る無音の「間」が効果抜群で、全員で通した瞬間、主演の松本幸大の「ハッ!」というかけ声に、全員の息がピッタリあった爽快感は格別だった。ここに衣装や照明が揃った舞台でこのシーンがどんな完成形を見せてくれるのかに、期待が膨らんだ。
そんな白熱した稽古場で、松本幸大と日向野祥が舞台への意気込みのコメントを寄せてくれた。
松本幸大コメント
ヒーローがテーマになったオリジナル作品で、タイトルなどからも明るいヒーローショーかな?と思われるかもしれませんし、もちろんそういった部分もあるのですが、社会性も含まれていて、しっかりとしたお芝居の部分もきちんとある、多面性を持った作品になっています。
特にキーワードはやはり「Zファイター」ではなく「オドルンZファイター」と「オドルン」がついていることで、質の高いダンスがたくさんあります。僕自身も近年は芝居を中心に活動させていただいているので、ここまで踊るのは久しぶりで毎日楽しいです。芝居と共に、ダンス、また殺陣もあって、ダンスや殺陣はずっと続けてきた自分の個性でもありますから、そこを久々にたっぷり観ていただけるのも嬉しいですね。
テレビや映画は多くの人へ届きますし、もちろんそれも素晴らしいことなのですが、舞台を続けてきて同じ空間を共有できるLIVEの良さを、いつも心から感じるんです。
その舞台の素敵さをできるだけ多くの方に伝えたいですし、今回の『舞踏戦士オドルンZファイター』には色々な要素がありますので、生で観ていただけたらきっとLIVEの良さが届くと思うんです。
いま稽古をしていたボディパーカッションも、曲を使わない、歌わない、無音でやることが大きな効果になるんじゃないか?と思って、演出の光大くん(加藤)に提案したら「それいいね!」と言っていただけて実現したので、そういうキャストからの意見も取り入れてもらえる稽古場ですから、本番に向けて更にブラッシュアップしていきたいです。
僕自身もヒーローが大好きで、この作品ではヒーローショーと舞台作品、それぞれの良いところをピックアップしたエンターテイメントをお届けします!是非Gロッソに観にいらしてください!」
日向野祥コメント
今回は『舞踏戦士オドルンZファイター』と題されているだけに、ダンスのとても多い舞台になっています。もちろんそれだけではなくアクションもあり、お芝居もがっつりやっているので、色々な要素が含まれている作品です。僕は前の舞台の関係で、稽古には途中から参加しましたから、いまは追いつくのに必死ですが、稽古場がとてもアットホームな空間で、和気藹々としていて。若いキャストが多いですからすごく勢いがありますし、入りやすい現場で伸び伸びやらせていただけているのがありがたいです。
稽古もいよいよ追い込みですので、どんどん良いものに仕上げていきたいなと。ヒーローがテーマの作品で、子供時代にみんなが憧れた、笑顔になれるヒーロー像をストレートに描いてもいるのですが、実はそれだけでは終わらない深さもあって。
あまりここで多くは語れませんが、脚本・演出の加藤光大さんが、かっこいいヒーロー像のなかにどこかダークさもあったり、人の心情などの内面的な部分もちゃんと描かれていますので、ヒーローショーに終わらない、エンターテイメントのショーになっています。是非そこにも注目して観ていただけたらと思っています。Gロッソでお待ちしています!
(取材・文/橘涼香)
[Otona Project 第四十二弾]演劇ユニット【爆走おとな小学生】第十八回全校集会〈ヒーロー×ダンスアクション×コメディ×サスペンス〉『舞踏戦士オドルンZファイター』
《CAST》
松本幸大
反田葉月/髙橋果鈴(Wキャスト)
日向野祥
阿部快征
二葉要
福井大輔
石原美沙紀(おとな小学生)
浜浦彩乃
八木ましろ
あわつまい
日永麗
広瀬彩海
黒崎澪
大澤萌々
優樹
三橋かおる
足利至
髙木悠慎
片山浩憲
加藤光大(ソフトボイルド)
大橋篤(ソフトボイルド)
花塚廉太郎(おとな小学生)
小阪崇生(おとな小学生)
〈dancer〉
一之瀬花音
倭香
小倉江梨花
香月美慧
藤井美里
《脚本・演出》
加藤光大(ソフトボイルド)
《日程》
2022年9月16日(金)〜9月19日(月・祝)
〈全7ステージ〉
①9月16日(金)19:00
②9月17日(土)13:00
③9月17日(土)18:00
④9月18日(日)13:00
⑤9月18日(日)18:00
⑥9月19日(月・祝)12:00
⑦9月19日(月・祝)16:30
《劇場》
東京ドームシティ シアターGロッソ
(https://www.tokyo-dome.co.jp/g-rosso/)
《チケット》
A席7800円/特典付A席8800円
S席9800円