
劇作家で「劇団夜想会」主宰の野伏翔がプロデュースする『レクイエム―英霊たちへの鎮魂歌―』は、特攻隊を描いた石原慎太郎の名作『俺は、君のためにこそ死ににいく』と、榎本滋民『同期の桜』の2作品を原案に、特攻隊演劇の集大成として上演される。
「本公演で7度演出した2作品を合わせて特攻隊演劇の決定版を作ろうと思ったんです。ストーリーは『俺は、君のためにこそ死ににいく』がベースで、陸軍指定の食堂の女将・鳥濱トメが主人公になりますが、そこに『同期の桜』に出てくる整備兵を登場させます。この整備兵はとてもいいキャラクターで、原作では彼の苦悩がとても素晴らしく書かれているので、その要素をもらってミックスする形になります」
コミュニケーションを大事にする夜想会では、稽古前に野伏が直接キャストに台本を渡し内容を説明する「台本渡し式」や決起集会「討ち入り式」など、準備期間を大事にしている。
「作品を研究するには準備期間が必要で、台本渡し式では早めに台本を渡して宿題をいっぱい出して、時代の空気を掴んでもらうのが狙いです。それから自衛隊OBによる軍紀指導、靖国神社参拝、討ち入り式を経て、仲間意識ができた状態で稽古に入ります」
本作で何を訴えたいかという質問に、野伏は“命の尊さ”と回答した。
「特攻隊員は苦悩の上に決断したんだから、観た人が『命は大事にしなきゃ』と思える作品にしたいですし、今回“友情”を一番のテーマとして書きました。尊い命を犠牲にしたというのは美しいですよ。それは決して戦争を美化するんじゃなくて、彼らの気持ちが美しいんですよね。きっとお客様は、作品を観終わった時、その美しいものに触れた感動を得られると思いますし、彼らが守ろうとしたものを、私たちの世代が守らなきゃいけないなという気持ちになると思います」
女学生たちによる唱歌シーンも注目ポイントだ。
野伏「唱歌だけでなく軍歌もたくさん歌う予定です。美しく歌としてお聞かせできるレベルまでにしたいですし、本作に出演する元宝塚歌劇団の音咲いつきさんが歌唱指導をしてくれます」
会場の三越劇場に置いたチラシ1000枚が、わずか1週間でなくなったのは、公演への期待の表れだ。最後に本作への意気込みを「特攻隊演劇の集大成です。感動間違いありません!」と力強く締めてくれた。
(取材・文:冨岡弘行 撮影:立川賢一)
プロフィール

野伏 翔(のぶし・しょう)
劇作家・演出家・映画監督。獨協大学外国語学部英語学科卒・文学座演劇研究所卒。「劇団夜想会」主宰。1982年に、劇団夜想会を設立。主な演出作に、舞台『同期の桜』、『三人姉妹』、『俺は、君のためにこそ死ににいく』、『祖国への挽歌』など。また2014年より、内閣府拉致問題対策本部主催舞台『めぐみへの誓い―奪還―』を全国各地で公演中。
公演情報

野伏翔プロデュース
『レクイエム』―英霊たちへの鎮魂歌―
日:2026年7月24日(金)〜29日(水)
場:三越劇場
料:S席9,000円 A席7,000円 B席6,000円(全席指定・税込)
HP:https://gekidanyasokai.wixsite.com/officialweb
問:劇団夜想会 tel.03-3208-8051
22名限定! S 席9,000 円(全席指定・税込) → 6,300円+カンフェティポイント付き!
