針山愛美が芸術監督を務めるPASONA Awaji World Balletが、「with Love ~バレエ『鶴の恩返し』と和の鼓動~」をこの秋上演。『鶴の恩返し』は針山演出・振付のオリジナル作で、初演を拠点の淡路島で迎えている。
針山「私自身プロになって今年で30年で、今恩返しをする時期に差し掛かっているのを感じます。そういう意味でも、『鶴の恩返し』はテーマにぴったり。ウクライナのメンバーと共に踊り、その背景にあるメッセージを受け止めてもらえたら」
ボリショイ・バレエ学校を首席で卒業し、海外で活躍を続けてきたが、コロナ禍で帰国。淡路島で地方創生活動を行うパソナの支援のもと、ウクライナのダンサーを受け入れ、PASONA Awaji World Balletを立ち上げた。淡路島で公演活動を重ね、現在は国内外17名が所属する。
針山「若いウクライナのダンサーが小さい荷物にトウシューズを入れてきたのを見て、踊りたいんだなと思って。踊る環境を作り、生きがいを作ることも、私の使命だと思ったんです」
本公演で針山は演出・振付に主演をこなし、パートナーを倉智太朗が務める。
倉智「メンバーの成長が早いなと感じます。きっと普通のバレエ団ではできない経験があるからだと思う。自分も負けないよう頑張ろうという気にさせられます」
針山「映像を取り入れ、音楽には和の楽器を、衣裳には西陣織と、一つひとつこだわっていきました。だから1人2役どころか、10役くらいやっています(笑)。主演も踊るけど、自分の優先順位は一番下。でもダンサーとして舞台に上がる以上、エクスキューズはできません」
倉智「愛美さんは感情表現がすごいので、学ぶことがたくさんあって。僕が演じる青年は心優しい人のはずなのに、なぜ覗いてはいけないものを覗いたのか、考えながら踊っています。お客様に伝えたい点もそこで、バレエはもちろん、僕たちがどういう感情で踊っているかを感じてもらえたらいいなと思っています」
PASONA Awaji World Balletが東京公演を行うのは初めての試み。その意気込みを口にする。
針山「物語に込めた恩返しや感謝の気持ちを、動きとビジュアルと音楽で伝えていけたらと思っています。ウクライナの人たちはもちろん、国境の壁なく世界が繋がっていけたら、という想いがあって。この作品を観た時に、そうしたことをふと感じてもらえたらいいですね」
(取材・文:小野寺悦子 撮影:平賀正明)
プロフィール
針山愛美(はりやま・えみ)
ボリショイ・バレエ学校を首席で卒業。ロシア・アメリカ・ドイツなどで活躍。世界各地に招かれ、『白鳥の湖』などに主演。パリ国際バレエコンクール 銀賞、ニューヨーク国際バレエコンクール 銅賞(日本人初)など、受賞多数。淡路島ユネスコ協会 理事、PASONA Awaji World Ballet芸術監督。
倉智太朗(くらち・たろう)
ベルギー・ドイツ・アメリカ各国への留学を経て、2017年、アメリカ・フィラデルフィアバレエ団に研修生として入団。2019年、ベラルーシ国立ボリショイバレエ団にプリンシパルとして入団。2014年、タンツオリンプ 第1位。2017年、ユース・アメリカ・グランプリ ニューヨークファイナル第1位。
公演情報
PASONA Awaji World Ballet with Love ~バレエ「鶴の恩返し」と和の鼓動~
日:2026年9月23日(水・祝)13:00/16:30開演
場:ニッショーホール
料:S席7,000円 A席5,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.awajiballet.com/performance/tsuru2609
問:パソナグループ「PASONA Awaji World Ballet」事務局
tel.050-3816-3651(10:00~18:00/木休)