レベッカへの想いが強ければ強いほど輝くキャラクターを丁寧に作る 熱意あるカンパニーで、自信を持って名作を届けたい

 ダフネ・デュ・モーリアのゴシックロマンス小説を原作としたウィーン発のミュージカル『レベッカ』。日本では2008年に初演が行われ、繰り返し上演されてきた。7年ぶりとなる今回はキャストを一新し、新たな『レベッカ』を作り上げる。

 「ウィーンミュージカルの金字塔である『レベッカ』の中でも、ダンヴァース夫人は強烈なインパクトがある役なので、正直ちょっと怖気付きました。作中で何曲も歌うのは久しぶりですし、キャラクターを色濃く打ち出さないといけない。責任重大な役に全身全霊で挑みたいと思います」

 『レベッカ』という作品に、霧矢はどのような印象を持っているのだろうか。

 「タイトルロールのレベッカが登場しないのがミステリアスですよね。さらに、レベッカの名前は100回くらい出てくるのにヒロインの“わたし”は誰からも名前を呼ばれない。ミステリー小説を読んでいるような気持ちにもなるし、レベッカがどういう人物だったのか想像を掻き立てられる。観客の心の内側に入ってくるような作品だと思います」

 ヒロインである“わたし”の視点で見ると、怖い人という印象があるダンヴァース夫人だが、それだけではない深みを見せたいと語る。

 「恐れられている人というイメージに加え、有能な使用人であり、亡きレベッカの亡霊とともに生きている悲しさもあると思いました。原作では骸骨みたいな顔とか酷い描かれ方をしていますが、レベッカの話になると生気が宿るとも描かれている。ダンヴァース夫人の二面性を表現できたら、人物像が深くなるだろうなと思っています。普段は役をいただいた時にバックボーンを考えますが、今回はレベッカという人物をしっかりイメージしようと思っています。外見や家柄、マキシムと結婚する前の家の事情などを考えるのが楽しいです」

 サスペンス要素も強い作品だが、ダンヴァース夫人の最初のソロ曲「何者にも負けない」では、ダンヴァース夫人の心情を丁寧に伝えたいという。

 「一番有名なのは『レベッカ』という曲ですが、個人的には、レベッカとともに過ごした部屋でレベッカが好きだった花と歌う最初の曲が好きです。ダンヴァース夫人とレベッカ2人だけの親密で満ち足りた思い出に浸っています。大切に歌い、2人の信頼関係を見せることで、そこから続く物語を盛り上げたいです」

(取材・文:吉田沙奈)

ステージでのハプニングはありますか?(その時のエピソードや、どうリカバリーしたか教えてください)

「1月に出演した舞台『フィガロ』で、ドン・バルトロとドン・バジリオというそっくりな役名がありまして、本番中まんまと呼び間違えました。しかも間違えた事にも気づかず(笑)
共演の駒田一さんが咄嗟にアドリブで笑いに替え、私も舞台上で謝るという始末。
喜劇だったから良かったものの、シリアスな作品だったら……と新年早々冷や汗をかきました。駒田さんに感謝です(笑)」

プロフィール

霧矢大夢(きりや・ひろむ)
1994年、宝塚歌劇団に入団。2010年、月組トップスターに就任。2012年4月の退団後、舞台を中心に広く活動。近年の出演作に、ミュージカル『ピピン』、『NEWSIES』、舞台『薔薇と海賊』、『近松心中物語』など。

公演情報

ミュージカル『レベッカ』

日:2026年5月6日(水・振休)~6月30日(火)
場:シアタークリエ
料:土日祝・千穐楽14,000円 平日13,500円(全席指定・税込)
HP:https://www.tohostage.com/rebecca/
問:東宝テレザーブ tel.0570-00-7777

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