俳優の宮下貴浩と、劇作家の私オムがオリジナル作品を手がけるプロデュース企画、宮下貴浩×私オム プロデュース第11回公演『偽たモノ』が、シアターサンモールで上演される。企画プロデューサーであり、俳優として本作へ出演する宮下貴浩に話を聞いた。
「前作の第10回公演は周りの人たちのおかげで迎えられたものなので、“僕たちの10回目”という雰囲気にしたくなかった。だから、いつも通りにやることを意識して作っていたんですよ。第11回目となる本作では、改めてスタートとしてこれまで関わってくださった皆さんに何かをお返しするような、新たな気持ちで責任をもって挑みたい。信頼する安里勇哉くん、赤澤燈くんをはじめ、これまで支えてくれているキャストに加え、今回初めてご一緒する方々もいます。良い座組になったと思っていますので、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです」
気になる本作の舞台は、昭和45年の日本で、宮オム作品では初となる時代もの。高度経済成長の一方で衰退していく石炭産業を生業とする炭鉱夫や、宮下が演じる模造刀職人の主人公・津吹経たちの生き様を描く。
「津吹は自分の中で葛藤を抱えている難しい役どころ。“模造刀職人”という職業も気になりますよね。“模造刀”を通して、登場人物たちが本物か偽物かを問うような意味合いで、重ねて描いているようにも見えます。宮オムらしい、人間くささも見どころになりそうです」
本当にやりたいことを実現するため、宮下と私オムのプロデュース作品はあくまでも“企画”に留めて“劇団”にはしない。2018年の発足以来、ハイペースで公演を続けられる理由はこのスタイルにあると言ってよさそうだ。
「固定キャストは僕1人だから、本当にお願いしたい役者に出演オファーができます。もし劇団化していたら、劇団員で出演枠が埋まってしまいますよね。スタッフに対しても同じで、馴れ合わずに健康的にやるのが僕たちに合っている気がします。オムとも、ぶつかることはほとんどないんですよ。彼は粛々と作業をこなすタイプの人で、“どこでこんな経験したんだろう?”というような物語を作ってくるところに毎回刺激を受けますし、とてもいい関係です」
最後にカンフェティ読者へメッセージを聞いた。
「過去作に負けないくらい、本作でも刺激的なプロデュースを目指します。私が主人公を務めるので、今回だけお客さんが入らない……なんてことにならないように(笑)。出演者一丸となって楽しい作品を作ります。ぜひ劇場にいらしてください」
(取材・文:山田浩子 撮影:NORI)
「亡くなった人物として終盤の回想シーンに登場するシーンを出トチリまして、誰もいない場所にスポットだけ当たり、登場人物みんながそこを見ているという不思議な時間を作ってしまいました。リカバリーはもちろん全員に誠心誠意、謝罪をするというシンプルな手法でした」
プロフィール
宮下貴浩(みやした・たかひろ)
1981年2月27日生まれ、長野県出身。水野美紀× 矢島弘一『2つの「ヒ」キゲキ』、プロペラ犬 第8回公演『僕だけが正常な世界』では出演の他、企画・プロデューサーも務めた。近年の出演作に、舞台『ある日、ある時、ない男。』、ドラマ『3000万』、『夫婦別姓刑事』など。2018年から劇作家・私オムとの共同企画をスタートし、『愚れノ群れ』、『霧』など毎年公演を企画している。
公演情報
宮下貴浩×私オム プロデュース 第11回公演
舞台『偽たモノ』
日:2026年6月3日(水)~14日(日)
場:シアターサンモール
料:8,800円(全席指定・税込)
HP:https://www.ruby-parade.com/lp/miyaomu11/
問:公式HP内よりお問合せください