
小林賢太郎とパルコによるコント公演シリーズ「ル・コント」が始動。脚本・総合演出を小林賢太郎が務め、その第1回公演に5名の俳優が集った。
小林の公演は“演劇か、コントか”という問いがされてきたが、本人は「僕にとってどうでもよかった」と話す。そもそもやりたかったことは最初から、自分が作ったもので目の前の人が笑うことだった。
「僕が作った長いコントを世の中が演劇と呼び、『小林賢太郎は演劇をやっている』と言われ、片桐(仁)さんとコントをやれば、『短い演劇みたいだ』と言われるようになった。そこからコントなのか演劇なのかは『どうぞ好きに決めてください』になりましたかね。演劇だと思う人にとっては演劇でもいいし、あるいはそれ以外のなにかだと思うならそれでもいい」
また“演劇ファン”という言葉についても、もっと開かれたものであってほしいという願いがある。
「僕が必ず当日券をわずかでも出したいと思っているのは、劇場の前をたまたま通りかかった人がポスターを見て、『今、小林賢太郎の公演をやっているんだ。ちょっと観てみようかな』って、当日券を買って観てもらえるようにしたいから。野球のナイターみたいに扱われたいんです。プロ野球なら、球場の前を通ったら当日券があるでしょう。『おっ、久々に野球を観ようかな』みたいな」
同時に、作品作りについては、多くの人で作り上げていく演劇のような公演形態を面白がっている。俳優、音響、照明などそれぞれの立場から積極的に提案をもらいふんだんに取り入れていく。
「とにかく僕の頭の中にある完成予想図通りに完成させることはできるだけ避けたいし、それを超えたい。僕だけの頭では、しょせん人間の脳みそ1つ分でしかないので、いろいろな提案を取り入れて、お客さんが追いつけないスピード感というか、表現に持っていきたいと今は思っています」
コントでも演劇でもない。肩書も問わない。やりたいことをやっているだけ。「いろんな時期を経て、実は今が1番幸せなんですよ」と小林は言う。そんな彼が今取り組んでいる『ル・コント』はどんな公演になるのだろうか。それについては「目指すのは、いわば “全部のせコント公演” です。映像演出などもふんだんに取り入れる」と予告している。
今、小林賢太郎がやりたいこと。それが体感できるのは常に劇場にしかない。
(文:河野桃子)
プロフィール

小林賢太郎(こばやし・けんたろう)
舞台・映像など、エンターテインメント作品の企画・脚本・演出。小説・絵本・漫画などを執筆。1996年より、片桐仁と共にラーメンズとして活動。近年の主な舞台作品に、シアター・コントロニカ舞台『回廊』、『並行食堂』、『イミノウム』、映画『回廊とデコイ』、『ノームの夜~並行食堂~』、きむすば劇場『オムニバース』、『オートリバース』、『KREVA CLASS – 新しいラップの教室 -』、 『学芸員 鎌目志万とダ・ヴィンチ・ノート』。
公演情報

パルコ・プロデュース2026 ル・コント この世界に19文字の文章など存在しない
日:2026年5月15日(金)~26日(火)
場:I’M A SHOW
料:9,000円(全席指定・税込)
HP:https://stage.parco.jp/program/leconte
問:パルコステージ tel. 03-3477-5858
