成井豊の人気作、渾身のキャストで9年ぶりの上演! 「皆さん、野田くんに騙されちゃいけません(笑)」

成井豊の人気作、渾身のキャストで9年ぶりの上演! 「皆さん、野田くんに騙されちゃいけません(笑)」

 いしいしんじの短篇小説を成井豊の脚本・演出で舞台化し、演劇集団キャラメルボックスにて2007年に初演された『トリツカレ男』。今回は2012年以来9年ぶりの上演で、キャストにも新たな顔ぶれを迎えた座組での公演となる。ジュゼッペ役には梅棒の野田裕貴が起用され、話題を呼んでいる。

成井「我ながら非常に面白く、大好きな作品です。初演は劇団員にあて書きをしましたが今回は役重視で選び、とても嬉しいキャストになりました。私は身体を張れる役者が好きで、前回ご一緒した舞台で野田君が身体能力を活かして演じる姿を見て“ジュゼッペは彼だ”と直感しました」

野田「台本を読んで、温かくピュアな物語に凄く胸を打たれました。僕もジュゼッペ同様オタク気質なので、役に生かせたらと思います(笑)」

 畑中は初演・再演でジュゼッペを演じたが、今回はジュゼッペの相棒・ハツカネズミのトトに扮する。

畑中「ジュゼッペという役は芝居の技術が一瞬でも見えてはいけなくて、初演・再演では役者の感覚を捨てて演じた覚えがあります。今回はトト役ですが、ネズミらしさを表現するのって難しい。初演時にトトを演じた岡田達也さんはペットショップで一日中ネズミを観察していたらしく、僕もそうしようと思います(笑)」

 ジュゼッペは何かを好きになると寝食を忘れて没頭する“トリツカレ男”。それにちなみ、三人が今夢中になっていることを聞いてみた。野田「ハロー!プロジェクト。今も昔もアイドル好きです(笑)」

畑中「YouTubeです。世界の絶景ランキングとか、暇さえあれば見てますね」

成井「一昨年から韓国映画にハマっていて、通算235本目。だいぶ韓国映画に詳しくなりました(笑)」

 ファンも心待ちにしていた本作の上演に臨むにあたり、それぞれ、舞台にかける意気込みをこう語る。

畑中「ベストキャスティングが揃い、僕の中でも期待値が高まっています。絶対に後悔はさせませんので、多くの方に観てもらえたら嬉しいです!」

野田「人々の愛や素直な気持ちなど、大切なことが沢山詰まった作品です。精一杯の力で演じ、新たなトリツカレ男を披露できたらと思っています」

成井「野田くんは一見純粋そうだけど、皆さん騙されちゃいけません(笑)。ジュゼッペは純粋であると同時に暴走する狂気を孕んでる。野田くんにはその潜在能力があるように感じていて。舞台で明らかになる彼の狂気を、ぜひ見届けてもらえたらと思います」

(取材・文:小野寺悦子 撮影:友澤綾乃)


プロフィール

成井 豊(なるい・ゆたか)
1961年、埼玉県生まれ。劇作家・演出家、成井硝子店三代目店主。早稲田大学第一文学部卒業後、高校教師を経て、1985年に演劇集団キャラメルボックスを創立。代表作に『銀河旋律』、『広くてすてきな宇宙じゃないか』、『また逢おうと竜馬は言った』、『サンタクロースが歌ってくれた』など。

野田裕貴(のだ・ひろたか)
1988 年生まれ、埼玉県出身。2007年から俳優活動を開始。2014年「梅棒」に正式加入。俳優・ダンサーとして舞台を主軸に幅広く活動。自身がアイドル好きであった経験を生かし、振付も行う。主な出演作に『かがみの孤城』、『成井豊と梅棒のマリアージュ』など。振付作に舞台『刀剣乱舞』无伝 夕紅の士 – 大坂夏の陣-、『改竄・熱海殺人事件』モンテカルロ・イリュージョンなど。

畑中智行(はたなか・ともゆき)
1978年生まれ、奈良県出身。2000年に演劇集団キャラメルボックスに入団。主な出演作に『少年ラヂオ』、『光の帝国』、『また逢おうと竜馬は言った』、『隠し剣鬼ノ爪』、『鍵泥棒のメソッド』、『彼は波の音がする』、『彼女は雨の音がする』、『ゴールデンスランバー』、『ティアーズライン』、『仮面山荘殺人事件』、『トンマッコルへようこそ』、『17 seventeen』、『アスファルト・キス』などがある。

公演情報

NAPPOS PRODUCE  舞台「トリツカレ男」

日:2021年10月16日(土)~24日(日)
場:こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
料:7,500円(全席指定・税込)
HP:http://napposunited.com/toritsukareotoko/
問:NAPPOS UNITED mail:support@napposunited.com

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