テレビや商業演劇舞台で数多くの時代劇作品を創り上げ、2010年からは小説家としても活躍する岡本さとるが立ち上げた「座・時代劇さとる組」。第2回目となる公演は、後の赤穂浪士・堀江安兵衛を主人公とした時代劇だ。
岡本「かれこれ20年ほど前に上演した作品をリメイクして、今回上演いたします。大酒飲みで喧嘩好きの安兵衛から発想して、酒を飲んだらさらに強くなる安兵衛と決闘をうまく絡めたら面白くなるのではないかと思って作った作品です。相変わらず、歌も踊りも涙も笑いもあるエンターテインメントになっています」
安兵衛役は、第1回公演『戦国美男砦』にも出演した室たつき。
室「第1弾で手応えを感じていたので、『早く次の公演をやりましょう』とさとる先生に言っていました。僕は時代劇が好きなんです。今は時代劇が減っていますが、若い方々にも観ていただきたい。ハードルが高いと思っている人もいると思いますが、さとる先生の描く作品は難しい話ではないですし、エンターテインメント性も高く、最後には涙が出る物語になっています。安兵衛という役にしっかりと向き合い、多くのお客さまに届けられたらと思います」
安兵衛の仇役となる、村上庄左衛門役は松本幸大が務める。
松本「僕はグループに所属していたときから殺陣をかなりやってきたので、殺陣がある作品に出演できることが素直に嬉しかったです。観に来てくださる皆さんに、僕が入ったことで物語がより良くなったと思っていただけるよう全力で挑みたいと思います。千穐楽の4月12日は、僕がこの世界に入った日でもあります。(芸能界に入って)23年になりますが、そうした区切りとなる日に素敵な作品に出演できることはとても光栄ですし、自分にとっても意味のある作品にしなくてはいけないと思っています」
そして、沙弥音が演じるのは男装の美しき女剣士・志乃だ。
沙弥音「もともと、日本らしい物語は大好きでしたが、これまであまり出演する機会がなかったので、お話をいただいて絶対にやりたいと思いました。殺陣は初挑戦になるので不安はありますが、昨年、時代劇に参加させてもらい、そこで出会った方と今回もご一緒できるので、ありがたいチャンスをいただき嬉しいです。志乃は魅力的で、揺らぎを感じる役だと思うので、丁寧に取り組みたいと思います」
(取材・文:嶋田真己 撮影:友澤綾乃)
岡本さとるさん
「若い頃はありとあらゆる芸能の扉を開けて回っていました。映画、能、狂言、文楽、歌舞伎、ミュージカル、ストレートプレイ、浪曲、落語……。その扉を開けると、中は方々に繋がっていて、やがて自分の道に行き着いたような気がします。今は慣れ親しんだ扉を出入りして、やがて人生の終焉を迎えることが、わたしにとっての幸せなのかもしれません。しかし、まだ見ぬ扉を見つけて開けてみたい。そんな想いを持ち続けていたいものです。「座・時代劇 さとる組」はその扉のひとつなのです」
室たつきさん
「もし、どこにでも繋がる扉を開けられるなら、その先は稽古場であってほしいと思います。自分の未熟さと何度も向き合い、華やかな舞台の裏側で、演出家や共演者の皆さんと一から時間を積み重ねていける場所。逃げ場のない現実と向き合いながらも、それでも前に進む覚悟を与えてくれます。稽古場は、私にとって最も厳しく、そして最も信頼できる場所です。そして、すべてを終えた最後に、その扉が実家の玄関へと繋がっていたら、なお嬉しく思います(笑)」
松本幸大さん
「小5から中1までの3年間住んでいたことのある“香港”がいいかなぁ〜いや、シンプルに“ハワイ”も最高だなぁ〜とも思いましたが……“家”に繋がっていてほしいです。どこにいても一瞬ですぐに家に帰れるのは想像しただけでも1番最高すぎます!!! しかも持ち運べるサイズに変形可能な扉でお願いしたいです!(笑)」
沙弥音さん
「本当にどこへでも行けるとしたら、雲の上に行ってみたいんですよね(笑)。無機質な空間なんですかね、、、? 真っ白なのか、どんな感じなのか結構わくわくしちゃいます。現実的な事だと頑張れば、何とか出来るかもしれないから、ここぞとばかりにその扉の力を借りたい。できれば、オプションで、雲の上も寝転んだり歩けるようにしてもらえると有難いかな」
プロフィール
岡本さとる(おかもと・さとる)
松竹株式会社を経て脚本家・演出家として活躍。『水戸黄門』、『必殺仕事人2009』、『雲霧仁左衛門』などの時代劇ドラマを多数手掛ける。舞台では、新作歌舞伎・時代劇・音楽劇の他、吉幾三出演の舞台公演などの演出も手掛けている。さらに2010年からは、小説家としても作品を発表している。
室たつき(むろ・たつき)
ストレートプレイから、コメディ・ミュージカルなど様々なスタイルの作品に出演。さらに天童よしみ、松平健、中村美律子などが出演する、劇場特別公演などにも参加している。
松本幸大(まつもと・こうた)
2003年に芸能界入り。現在は俳優として舞台を中心に活躍。近年の主な出演作に、舞台『商店街グランドリオン』、『夜逃げ屋本舗』、タクフェス第13弾『くちづけ』など。
沙弥音(さやね)
2016年、宝塚音楽学校に入学。2018年、宝塚歌劇団に入団。花組所属。愛蘭みことして活動する。2024年に宝塚歌劇団卒業後、舞台・映画・ドラマなどで幅広く活動。
公演情報
team Geki Produce 第2回公演
座・時代劇さとる組『酔剣 ~安兵衛決闘秘話~』
日:2026年4月8日(水)〜12日(日)
場:博品館劇場
料:8,000円(全席指定・税込)
HP:http://satorugumi.tokyo/suiken
問:座・時代劇さとる組
mail:jidaigekisatorugumi@gmail.com