『古事記』の世界に最高の表現者たちが挑む壮大なプロジェクト 神々を統べる最高神 アマテラスに舘形比呂一を迎えて

 様々なアプローチでダンスによる表現を追い求めているダンサー・西島数博が、脚本家・故市川森一の遺志を継いで上演している『ドラマティック古事記』。多様なジャンルの表現者たちが『古事記』の物語を取り上げる本作で、アマテラス役を務めるのは、独特の存在感を放つ舘形比呂一。ジャンルの違う2人だが、その出会いは昔の話だという。

舘形「初めて会ったのは、西島さんがまだ15、16歳の頃だったよね」

西島「高校生でした(笑)。ある作品の宮崎公演で、僕は地元バレエ団からのゲストみたいなかたちで。まだプロになることも見えていなかった頃です。でもそこでの接点はなく、その後フランス留学から帰国して参加した後藤早知子さんの『ZEAMI −世阿弥のほとけは能』でご一緒しました」

舘形「バレエの人がいっぱいいて、ジャズダンスから来たのは僕1人で、ポツン……みたいな感じで。この時もほとんど話さなかった。仲良くなったのは、安寿ミラさんを加えた3人で寺山修司さんの『血の起源』のメインをやった時。西島さんと楽屋が一緒で仲良くなって」

 西島が舘形に『ドラマティック古事記』への出演オファーをしたのは、2015年の福岡公演だったという。

西島「元々この作品は、オペラの河野鉄平さんと、中国舞踊の浅野瑞穂さんの2人が始めて。2回目から僕が参加し、僕のアイデアで色々なジャンルの方を招くようになりました。福岡公演ではもっと芝居を深く、そして歌も入れて……と考えていた時、女神と考えられているアマテラスが、実は男性かもしれないという話を聞いて。『それなら男性がやっても面白い、中性的な表現でアマテラスをやるのは凄く魅力的で面白そうだ』と思ったら、画面がバッと変わるみたいな感じで、舘形さんがフワッと飛び出てきちゃって」

舘形「自分のテーマにノンセクシャルというか、性を超越した表現があって。性を超えた人間の持つ内面を踊りで表現する、そんな世界観が好きだったので、何の違和感もなかったです。『古事記』は、言ってみればベストセラー中のベストセラーで、アマテラスは神々の中の神みたいな存在。だから凄くやりがいがありますね」

 前回から数えて6年振りとなるこの顔ぶれは、一度限りの公演。ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。

(取材・文:渡部晋也 撮影:友澤綾乃)

どこにでも繋がる扉、開けた先はどこに繋がっていましたか?

西島数博さん
「海が見える一軒家で大型犬と一緒に暮らしている場所。子供の頃からの憧れです。宇宙にも繋がりたいけど、夢でよく見ています」

舘形比呂一さん
「幼少期の自分に会って伝えたいです。誰に臆する事なく自分らしくいる事、そのままの自分を衒いなく生きていく事を全肯定してあげたいですね。周りの目ばかり気にする子供だったので、自分らしくいる事がとても下手でした。そのトラウマが今でも時々顔を覗かせる瞬間がある。幼い頃の自分に自由奔放な幼少期を過ごさせてあげたかった! そんな事をふと思います」

プロフィール

西島数博(にしじま・かずひろ)
宮崎県出身。フランスの国際バレエコンクールで第1位を受賞後、国内外のバレエ公演にプリンシパルとして多数出演。ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』出演など、多彩に活躍。様々な空間で企画・演出・振付を手掛け、常に新たな可能性に挑戦し続けている。

舘形比呂一(たてがた・ひろかず)
東京都出身。1985年の初舞台以来、舞踊家・俳優・振付家として活躍。1994年より、THE CONVOY SHOW のメンバーとして活動。数多くの振付やステージングを手掛ける他、大学での指導も行う。アーティスティックスイミング 女子ソロ 日本代表・乾友紀子選手の振付を担当。近年の主な出演作品に、MANKAI STAGE『A3!』ACT3! 2025、ミュージカル『ナビレラ』、『ラグタイム』、ドラマ『替え玉ブラボー』など。主な振付作品に、舞台『近松心中物語』、『魔女の宅急便』など。

公演情報

Super神話音楽祭
『ドラマティック古事記 神々の愛の物語』
杉田劇場特別公演

日:2026年4月29日(水・祝)15:00開演(14:00開場)
場:横浜市磯子区民文化センター 杉田劇場
料:6,000円(全席指定・税込)
HP:https://x.com/sJDCv6yWAFNkVXk
問:エヌディプラス tel.070-9262-3760

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