クリスマスの風物詩!  東京バレエ団が贈る珠玉の『くるみ割り人形』 ファンタジーとクラシックバレエの様式美が楽しめる作品

クリスマスの風物詩!  東京バレエ団が贈る珠玉の『くるみ割り人形』 ファンタジーとクラシックバレエの様式美が楽しめる作品

 クリスマスの夜に少女・マーシャが体験する、美しい魔法と心躍る冒険の物語『くるみ割り人形』。キャストのうち、マーシャ役・足立真里亜とくるみ割り王子役・二山治雄に、今回の舞台に向ける想いを聞いた。

足立「ファンタジー寄りの作品なので、子どもの心を思い出す作業から始まります。舞台を通じ、お客さまの気持ちが子どもの心に帰るようなところまで導いていきたいです」

二山「『くるみ割り人形』は何度か出演経験がありますが、王子役はあまりやったことがなく……。海外版はお祭り的な要素が強いときもありますが、東京バレエ団版はオーソドックスな作りで、原点のような作品だなと感じました」

 役に向き合う上で、どのようなことを意識するのだろう。

足立「マーシャは長女という設定で、私の想像する“お姉ちゃん”像を重ねています。内気で物静か、少しおませな部分もあり、大人に憧れている女の子というイメージです」

二山「東京バレエ団の“くるみ”に出るのは初めてですし、リハーサルをしながら、どのように演じるかを見つけていきたいです。“東バ”版は、踊りや芝居を積み重ねて物語に入り込めるので、身体的にも気持ち的にも踊りやすいかなと想像しています」

 見せ場となるのは、やはり2幕のグラン・パ・ド・ドゥだ。

足立「溜めポーズやリフトで音を見せるなど、クラシックバレエの様式美を楽しんでいただけます。日々作り上げている身体のラインを見せることに集中し、緊張感と共に臨みます」

二山「リフトなどパートナーリングが難しい印象です。役柄を踏まえ、ゆったりとした曲調の中で飽きさせず綺麗に見せるという、一番難しいことへの挑戦ですね」

 稽古場や本番のステージを共にしての、お互いの印象は?

足立「芯はしっかりありつつも、周りに壁を作らない気さくな人柄で、踊りにもその魅力が溢れていると思います。可愛らしくハートフルなキャラクターで、一緒にいるとほっこりするんです(笑)。深い愛をもって踊るダンサーなので、一緒に組んで踊れるのが本当に楽しみ!」

二山「入団してすぐ一緒に『眠れる森の美女』のブルーバードを踊った間柄です。僕はネガティブで心配性なので、常に明るく元気で引っ張っていってくれるところに安心感があります。信頼できる足立さんと楽しく1つの舞台を作っていきたいです」

(取材・文:木下千寿 撮影:間野真由美)

プロフィール

足立真里亜(あだち・まりあ)
千葉県出身。3歳よりバレエを始める。2015年に東京バレエ団へ入団、同年6月に『ラ・バヤデール』で初舞台を踏む。2022年にソリストへ昇進。現在はファースト・ソリストとして、公演で重要な役どころを担う。

二山治雄(にやま・はるお)
7歳でバレエを始める。2014年、ローザンヌ国際バレエコンクールで1位、同年YAGPでシニアの部 金賞を受賞。ワシントン・バレエ団スタジオカンパニー、パリ・オペラ座バレエ団短期契約団員を経て、2025年に東京バレエ団に入団。

公演情報

東京バレエ団『くるみ割り人形』全2幕

日:2025年12月11日(木)~14日(日)
  ※他、大阪・兵庫・島根公演あり
場:東京文化会館 大ホール
料:S席15,000円 A席12,000円 B席9,000円
  C席7,000円 D席5,000円 E席3,000円
  (全席指定・税込)
HP:https://www.nbs.or.jp
問:NBSチケットセンター
  tel.03-3791-8888
   (月~金10:00~16:00/土日祝休)

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