笑いと涙のジェットコースター！ 　アフリカ座が届ける新選組　3度目の出陣！　愛おしい“あさぎもん”にやっと逢える！

　ついに3度目の上演を迎える劇団アフリカ座『あさぎもん』。座長・中山浩の「カッコいい新選組ではなく、武士になりたかった泥臭い集団を描きたい」という情熱から生まれた本作。演出の杉山夕は、タイトルについてこう語る。

杉山「吉原の遊女たちが、貧乏侍の着物の裏があさぎ色（明るい青緑色）だったことから、彼らを“あさぎうら”と呼んでいたんです。そこから着想を得て、中山が『京都なら“あさぎもん”と呼ぶのでは』と創作した言葉です。あの時代、彼らは嫌われていたかもしれない」

　新選組を人間臭く、そして最高に面白く描くのがアフリカ座流。初演はコロナ禍で始まり、再演は完全無観客の生配信だったが、今回の再々演は「やっと生で観ていただける！」と気合が入る。

　役者陣の作品への熱量も並々ならぬものが。あさぎ色にこだわって製作した、だんだら羽織姿で京都ゆかりの地・壬生寺や八木邸へ足を運んだとのこと。近藤勇役の牧之内大輔は「だいぶ目立っていましたね」と振り返る。

牧之内「街中で驚かれて『こんな感じだったんだな』と当時の追体験をすることができました。斎藤一、原田左之助を経て、今回はみんなに慕われていた近藤を演じます。近藤は冗談を飛ばす面白い人だったそうなので、中山座長の『人に好かれるやつは面白いやつだ』という言葉を胸に、堅苦しくせず、みんなの兄貴のような愉快な人物として演じていけたら」

　一方、伊東甲子太郎を演じる細丼和也は、享年32歳という史実の年齢と今の自分が同い歳であることに思いを馳せる。

細丼「世間的な悪役のイメージとは異なり、アフリカ座の伊東は苦労人で、真面目な参謀でありながら藤堂平助に振り回される、ポップな感じが魅力です。より楽しく描けるように、史実にも敬意を表して演じていきたいです。そしてアフリカ座作品の魅力の1つに緩急があります。9割がコメディで後半に一気に泣かせるジェットコースターみたいな構成も見どころです」

杉山「『あんなに楽しかったのに、アフリカ座ってそうだった』とよく言われます（笑）」

　劇団の確固たるスタイルが人気の秘密だ。今回は隊士たちの実年齢と演者の年齢が近く、よりリアルな若者の熱量が感じられるという。

細丼「全面階段の上での殺陣はぜひチェックしてほしいですね」

牧之内「わかりやすく時代を説明してくれる京都に住む町人や花町の遊女たちにもご注目ください」

杉山「こだわりの奥行がある演出に加え、進化した殺陣、近距離の劇場だからこそ、ごまかしのない芝居をお届けします」

（取材・文：谷中理音　撮影：友澤綾乃）

杉山 夕さん
「『フライドポテト等速食い』。ファーストフードのフライドポテトを食べていると、何人もから、『食べ方が変！』と言われます。『何で』と聞くと、『話しながら、しかもポテトのサイズも色々あるのに、ずーっとマシンの様に同じ速度で食べてる』そうです」

牧之内大輔さん
「『演技をしながら的に矢を当てる』なら100位以内に入れます。中高と学生時代6年間、弓道部に所属しておりました。高校の時は特に部活に力を入れていたので、学校の部活時間はもちろん土日も弓の稽古をしておりました。6:00〜22:00の間、ずっと弓を引いており、自主練の時に100本当て大会の時は92本、的に当ててました。今も当時の弓と矢は持っておりまして、たまにですが練習します。当時は弓なんか見たくもないと思ってましたが、良い青春でした」

細丼和也さん
「『20歳以上登り棒選手権』があったら100位以内には入れる気がします。何年か前に廃校になった小学校の施設でPV撮影でお伺いした時に劇団員で勝負をしたことがあって。自身の体重が当時46キロだったのもあり、そのくせ普通に筋肉はあったりするので、劇団員男子たちの中で最速記録を叩き出したことがあります。登り棒なら『今のところ』誰にも負けません。対戦よろしくお願い申し上げます」

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