ミュージカル『おさるのジョージ』が待望の再々演 初演&再演とも大反響 あの人気キャラクターが大活躍

ミュージカル『おさるのジョージ』が待望の再々演 初演&再演とも大反響 あの人気キャラクターが大活躍

 昨年7月、初の日本人キャストで上演され大反響を呼んだミュージカル『おさるのジョージ』が今年1月の再演を経て、今夏パワーアップして再々演。
 原作の『おさるのジョージ』は、アメリカの絵本作家レイ夫妻によって1941年に刊行され、日本には1954年に『ひとまねこざる』シリーズとして上陸。2008年にNHKEテレでTVアニメーションシリーズが放送され、日本だけでなく世界中で半世紀以上に渡り愛され続けている。本作は、ジョージのビッグイベント「ミートボール食べ放題の日」に起こったある出来事に、好奇心旺盛なジョージが奮闘する、小さいお子様から大人の方まで楽しめるミュージカル。主人公・ジョージ役を演じる岸本祐汰、岩﨑伊織、西山遥都(トリプルキャスト)、黄色い帽子のおじさん役の宮原奨伍、さらに総合監督を務め、ダブルキャストとして黄色い帽子のおじさん役を演じる澤井秀幸に話を聞いた。


―――よろしくお願いします。まず初演から総合監督を務められている澤井さんに、昨年7月の東京公演(初演)と今年1月上演の神奈川公演(再演)の振り返りをお聞きしたいと思います。

澤井「日本で多くの方に知られている作品ということもあって、両公演とも大反響で、チケットも早い段階で売り切れましたし、グッズもものすごい売れまして、数万円するジョージの大きなぬいぐるみもすぐに完売でした」

―――両公演の勢いに乗って、今夏の銀座博品館公演になりますが、まずジョージ役の3人と宮原さんに出演が決まった時の心境を教えていただけますか。

岩崎「お声がかかった時には、やっぱり嬉しかったです。小さい頃から『おさるのジョージ』のアニメを見て育ってきて、皆さんにちゃんと『おさるのジョージ』という面白い作品を届けたいというプレッシャーもありましたが、今はとても楽しみです」

西山「ジョージ役が決まった時は、ものすごく嬉しかったです。ジョージは好きなキャラクターで、決まった時からジョージのことばかり考えています。初めての主役なので、しっかりといい演技を皆さんに見せたいです」

岸本「選ばれた瞬間は、めちゃくちゃ嬉しかったです。ただ東京と神奈川2公演の反響があるのと、お客様の多くが『おさるのジョージ』を見て育ってきたと思うと、嬉しいとプレッシャーが混ざり合った心境でした。『おさるのジョージ』のミュージカルをやっているのはここのカンパニーだけなので、今年夏も多くの人に観てもらって『絵本やアニメだけじゃなく、ミュージカルも面白いんだ』と思っていただいて、家族の1つの思い出として観ていただけたら嬉しいなと思いながら、今稽古を頑張っています」

宮原「構成・演出の観月ゆうじさんと昨年舞台で共演したことがきっかけで、今回お声がけをいただきました。普段あまりミュージカルの舞台には立たないので、とにかくビックリしました。自分には3歳の子供がいて、ちょうど今『おさるのジョージ』を見始めて分かるようになってきたんです。一緒にアニメを見ているんですけど、まさか家にいる父が黄色い帽子のおじさんになるとは思っていないでしょうから、子供が劇場に観に来るのをすごく楽しみにしていますし、日本中の子供たちにもちゃんと黄色い帽子のおじさんになれるように研究をして、澤井さんにダンスをしっかり習わせていただいて、本番に臨みたいと思います」

―――取材時はちょうど稽古の真っ最中ですが、ジョージ役の3人は、動物のキャラクターを演じる上で、難しいところや大変なことなどありますか?

西山「日本語じゃないところが一番大変です(笑)」

―――ジョージが普通に日本語をしゃべったら、きっとお客様もびっくりしますよね。

岸本「ジョージの正しい発音というのがあって、例えば舌をちょっと上顎にちょっと乗せて発音するとかぺちゃくちゃを出すとか、発音のルールがあるんです。ジョージの感情を出すのも難しいんですけど、正確に発音するところが今のところ苦戦しています」

岩﨑「歌う時も日本語で喋れないので本当に大変です」

西山「マイクをつけているので、ポロっと日本語が出ちゃったらお客さんに聞こえちゃうので、その点も気を付けています」

―――想像している以上に大変だということがわかりました。さて、本作の注目ポイントを教えていただけますか。

澤井「ジョージ役は、初演が川口飛雄我さん、再演が観月ゆうじさんさんとシングルキャストでお届けしましたが、今回はトリプルキャストなので、それぞれのいいところを観て欲しいなと思いますし、僕が演じた黄色い帽子のおじさん役に、今回、宮原さんが入って、キャスト力がパワーアップしているんじゃないかなと思っています」

―――川口さん、観月さんと大人の俳優がジョージを演じられたのに対して、今回は年齢もだいぶ若返ったのかなと思います。ちなみに3人の年齢を教えていただけますか。

岩﨑「中学1年生で、来年2月で13歳になります」

西山「小学6年生で12歳です」

岸本「僕、今年の4月で27歳になりました」

―――え~! 27歳ですか‼ 全く疑いなく高校生ぐらいかと思っていましたが、本当に27歳とは思えないくらい若く見えます。

岸本「顔合わせまで他の2人のジョージ役が誰なのか聞かされてなくて、きっと僕と同じ20代の人が来るのかなと思っていたら……。まさか14~15歳も離れているとは思いませんでした(苦笑)」

澤井「岸本さんは昨年の初演で違う役を演じられて、岩﨑さんは観月さんが審査員を務めたJDA全国ダンスコンクールでスカウトされて、西山さんはミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』でマイケル役に選ばれたりと、3人がそれぞれ違う個性と魅力を出してくれると思います」

―――他にも注目してほしいポイントがあったらおねがいします。

西山「僕は、フィナーレの部分に注目して欲しいです」

岩崎「ジョージが主役じゃなくて、舞台に立っている皆さんが主役だと思って欲しいです」

岸本「オープニングのところです。ジョージや黄色い帽子のおじさん、さらには街の人たちが楽しそうな感じが、一気に皆さんを引き込めるんじゃないかなと思うので、ぜひ注目していただけたらと思います」

宮原「この物語の登場人物は、みんないい人な気がするんです。台本を読んでそういう世の中になればいいなと思うので、是非皆さんもご覧になっていただいて、いい人になって欲しいと思います」

澤井「ジョージと黄色い帽子のおじさんは、“ペットと飼い主”という関係ではなく、“対等で相棒同士”だということを思って欲しいです。今回は異国の地で再開するシーンがあるんですけど、その場面はぜひ注目して欲しいところかなと思います」

―――ありがとうございます。昨夏の初演以降、神奈川の再演、今回の東京3日間公演とミュージカル『おさるのジョージ』は着実にステップアップを踏んでいると思いますが、今後の展望などありましたら教えてください。

澤井「おばあちゃんがお孫さんを連れて来るというお客さんもいらっしゃると聞いていますので、親子だけでなく親子3世代にもたくさん来ていただける作品にしたいですし、観月さんが“新国立劇場でミュージカル『おさるのジョージ』を上演したい”という目標を掲げているので、是非実現したいと思います」

―――では最後に、公演に向けての意気込みをそれぞれお願いします。

岩﨑「幅広い世代の方々が観に来てくださると思うので、公演を成功させて、おじいちゃんおばあちゃん世代の方も子供の時のワクワク感を思い出してもらいたいなと思っているので、ぜひ観に来てください」

西山「『おさるのジョージ』はみんなが知っている面白い作品です。いろいろないいシーンがしっかりできるように頑張るので、8月の夏休みはぜひ劇場へ観に来てください」

岸本「家族や老若男女問わず観に来られると思うので、熱い夏を熱い気持ちで、皆さんと一緒に夏の思い出として共有できるよう、いい作品を作っていきたいです。ぜひ見に来てください」

宮原「先程『舞台を観ていい人になって欲しい』と話しましたが、舞台を観に来てくれる人は元々いい人が多いんじゃないかなと思ってしまって、ちょっと反省しています(苦笑)。観に来てくださる方がいい人だと、劇場にいい空気が流れると思います。是非進んで観にいらしてください」

澤井「友情ストーリーになっているので、その部分をぜひ観て欲しいですし、上手に伝わるように仕上げていきたいと思います」

(取材・文・写真:冨岡弘行)

プロフィール

岩﨑伊織(いわさき・いおり)
2013年2月14日生まれ、東京都出身。「日本国際バレエフェスティバル2024 ジャズダンス・アンサンブル小学校 第1位」、「第5回New Ballet competition JA6部門2位」など数多くのバレエコンクールで受賞。

西山遥都(にしやま・はると)
2013年5月31日生まれ、千葉出身。主な出演作に、ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』(3代目マイケル役)、MUSIC VIDEO「しわあわせ」(Vaundy)など。

岸本祐汰(きしもと・ゆうた)
1998年4月6日生まれ、東京都出身。主な出演作に、『悲別2023』、ブロードウェイ ミュージカル『チキチキバンバン』、映画『BUGS Endless Battle Royal』など。

宮原奨伍(みやはら・しょうご)
1980年7月18日生まれ、東京都出身。主な出演作に、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』、『鬼神の影法師』-千年双月篇-、錦織一清演出×松村彩永プロデュース『熱海殺人事件』など。

澤井秀幸(さわい・ひでゆき)
9月21日生まれ、千葉県出身。劇団四季出身で演出家・振付家としても活躍。主な出演作に、『フリックルフェイスストロベリー』、観月ゆうじプロデュースコンサート『ミュージカルスイーツ』、ブロードウェイミュージカル『チキチキバンバン』など。

公演情報

ミュージカル『おさるのジョージ 日本人キャスト版』

日:2025年8月14日(木)〜16日(土)
場:博品館劇場
料:S席8,800円 A席5,500円(全席指定・税込)
HP:https://www.sakado-entertainment.com
問:坂戸エンターテイメント
  mail:gwmusical@gmail.com

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