
プロダクションピエロが企画するガールズ舞台『三国ワルキューレ』の最新作となる『三国ワルキューレ~黒きラグナロク~』が、8月20日から上演される。
本作は、2024年8月に公演された作品に続編を加えてパワーアップして上演するもの。身体能力に優れ適応能力の高い“ヒューマン”、知的で特殊な魔法が使用できる“エルフ”、手先が器用で力持ちな“ドワーフ”という3種族がそれぞれ治める三国が争いをやめ、真の平和を手にするために動き出す姿を、ダンスあり、戦いあり、笑いありで描くハチャメチャファンタジーストーリーとなっている。前回公演に続き、今回の公演も「幻想」と「空想」の2チーム制で上演される。
「幻想」チームに出演する岩田陽菜と安齋真綿、「空想」チームに出演する平瀬美里と永瀬がーなに公演への意気込みを聞いた。
―――出演が決まり、最初に脚本を読んだときの率直な感想を教えてください。
岩田「私は『三国ワルキューレ』に関わるのは初めてですが、3種族それぞれ個性があり、どの種族も個性的で面白いなと思いながら読ませていただきました。バトルシーンもあり、殺陣もたくさんある作品なので、見応えもあると思いますし、女の子たちのかっこよさが出る舞台になるのではないかと思いました」
平瀬「もう全て(岩田が)言ってくれました。これ以上出ませんが(笑)……でも、舞台だからこその作品だと思います。きっとお客さんは、普段の生活とは全く違う、別の世界観を感じてもらえると思うので、現実から離れて観ることができます。私自身は、これまで天然で明るい役を演じることが多かったのですが、今回はめちゃくちゃかっこいい役柄。今、どう演じれば良いのか不安ですが、精一杯頑張りたいと思います」
永瀬「私は前回の『三国ワルキューレ』で主演をやらせていただいて、今回は支える側として出演させていただきます。(脚本・演出の)森(勇介)さんの台本は、前作を観ていない方にも分かるような内容になっていて、前回の内容をおさらいしつつも、新しい物語が描かれています。なので、2作品をぎゅっと凝縮したようなイメージです。前回も今回と同じく、『空想』と『幻想』という2チームに分かれて上演したのですが、同じ作品を上演しているのに全く違う色の作品になったのが良かったなと思います。ただ、前回は台風で1日公演が中止になってしまって、それがすごく悔しかったので、今回は絶対に走り切りたいと思っております。新たなキャストの方たちが登場することで新たな風が吹くのではないかと楽しみにしています」
安齋「私も前回から続投で出演させていただきます。昨年、出演したときに、自分に合った、とても演じやすい役をやらせていただいて、めちゃくちゃ楽しかったので、今年も『ようやくワルキューレの夏が来たぞ!』と思って楽しみにしていました。前回観た方が楽しめるのはもちろん、今年初めて観る方にも絶対に楽しんでもらえる内容になっているので、森さんに拍手でした!」
―――それぞれが演じる役柄について、今はどのように捉えていますか?
岩田「私が演じさせていただくスルトは、ピシッとした印象のキャラクターです。ビジュアル撮影のときにも森さんから『美人秘書のようなイメージ』と聞いたので、それをイメージして撮影しました。ルールを守って、国を頑張って治めようとするかっこいい、礼儀正しいピシッとしたキャラなので、しっかりした面をたくさん出せたらいいなと思います」

平瀬「私も陽菜ちゃんと同じくスルトを演じさせていただきますが、先ほども言ったようにめちゃくちゃかっこいい役です。私の出演する作品を観ていただいているお客さんにはきっと私が演じるところが想像つかないのではないかなと思います。それから、私はずっと殺陣がやりたいといろいろな現場で言ってきたのですが、これまでどこでも叶わず、やっと今回、本格的な殺陣ができます! 初めてですが、かっこよく、ビシッときまるように頑張りたいと思っております」
永瀬「私は昨年と同じフレイという役で、三国に育てていただいた赤ちゃんです。前作で、三国に育てられた謎の子どもが女神だったというところが描かれましたが、今回は女神と知られた4年後のお話になります。フレイも少し大人になっているのではないかと思いますし、私らしく演じたいと思います」
安齋「私はドワーフの種族長のヒルダを引き続き演じます。ドワーフは愛嬌のある種族です。昨年よりも会場が広くなるので、よりパワフルでおバカなヒルダを作っていきたいなと思います。昨年は、武器を振り回したときにお客さんに当たってしまうのではないかと怖かったのですが、今年は会場も広いので、ブンブン振り回していきたいですし、新たな武器も開発してまいりたいと思います」
―――今回も「空想」「幻想」の2チーム制で上演されます。お稽古はこれからですが、それぞれのチームをどのように作っていきたいですか? まずは岩田さんと安齋さんの「幻想」チームはいかがですか?
岩田「私はまだお会いできていないキャストの方ばかりなのですが、「幻想」チームの方が年齢的には若い子が多いので、元気にみんなで楽しく作ることをモットーにお稽古できたらいいなと思います」
安齋「昨年の「幻想」チームは、チームワークで戦っている感じがあって、ずっと誰かが笑っているチームでした。今年はまた新しいキャストの人たちを迎え入れて作っていきますが、メリハリをつけながらも楽しく、チームワークを作っていけたらと思います」
―――平瀬さんと永瀬さんは「空想」チームです。お二人はこれまでに共演経験はあるのですか?
平瀬「4年前に1度配信イベントで共演させていただいています。久しぶりに今日、お会いしましたが、がーなちゃんはすごく明るくて話しかけやすい人なので、すぐに4年前に戻りました(笑)。私はプロダクションピエロさんの作品に出演するのは初めてなのでドキドキ感でいっぱいですが、がーなちゃんと菜乃華れみちゃんと沖田桃果さんのことは知っているので、そこから輪を広げていけたらと思います。「空想」チームはどんな人が多いの?」

永瀬「昨年は、みんなで作り上げているという意識が強いチームだったかな。役のこともお芝居のこともお互いに気づいたことがあれば言い合える関係で、森さんがいないときもみんなで話し合うことありました。最後までみんなで作り上げるという思いを感じるチームだったので、今年もそれができたらいいなと思います。とにかく誰のことも私が1人ぼっちにさせません! なので、大丈夫です!」
平瀬「ありがとう!」
―――ちなみに、永瀬さんから見た平瀬さんの印象は?
永瀬「いつも元気でこのままです! すごく陽気な子なので、台本を読んだときに、この役を美里が演じるの? と驚きました」
平瀬「それは私が一番思ってる(笑)」
永瀬「でも、楽しみです、新たな平瀬美里が観られると思います」
―――永瀬さんと安齋さんから、前回の稽古場の様子や森さんの演出について教えてください。
永瀬「森さんはNOがない。私たちがやりたいと思ったことをまずはやらせてくれて、そこから引き算をしてくださいます。なので、縛りがあまりなく、自分らしく役に入れるので、すごくやりやすいなと思いました」

安齋「そうですね、こうしてくださいと言われることが少なくて、自分の好きなように演じさせてくださったのですごくありがたかったです。もちろん、私たちが迷っていたらどうすれば良いのかを教えてくださいますし、すごく伸び伸びとできた稽古場でした」
―――岩田さんと平瀬さんは今回、『三国ワルキューレ』の世界は初。ダンスも殺陣もお笑いもあるという盛り沢山な作品ですが、特に力を入れてお稽古したいことを教えてくさい。
岩田「殺陣はあまり経験したことがないので、すごく難しいだろうなと思っています。ですが、殺陣やアクションが見どころになる役だと思うので、誰が見てもかっこいいと思ってもらえるように頑張りたいです。ダンスは、元々アイドルグループに所属していたので、そのときの経験を活かしてかっこよくできたらいいなと思います」
平瀬「殺陣ももちろんですが、私、カタカナが苦手で。今回はキャラクターの名前がみんなカタカナなので、台本を読んでいても何度も戻って、誰だっけ?となるのを繰り返しています(苦笑)。そこが私の今の課題かなと思います。それからセリフ量もすごく多いですし、説明セリフなども多いので、セリフをしっかりと覚えて、滑舌良く皆さまに伝えられるようにしたいと思います。その上で、殺陣もダンスも頑張りたいです」
―――岩田さん、永瀬さん、安齋さんはビジュアル撮影を終えたと聞いています。実際に今回の衣裳を着て、キャラクターになられた感想は?
岩田「スルトは黒い、かっこいい衣裳です。でも、髪の毛についているリボンは、カラフルな虹色でかわいいんです。なので、かっこいいところもかわいいところもどちらも楽しめる衣裳だなと思いました」
永瀬「私が前回着ていた衣裳を今回、「幻想」チームのフレイが着てくれて、私は新しいものになるのですが、前回の衣裳の色味を残しつつ、かわいいものになっています。原宿系というのかな? すごく楽しみです。それに私が着ていた衣裳をまた着てくれるというのもすごく嬉しいです」
安齋「ヒルダは前回の名残を残しつつもグレードアップした、豪華な衣裳になっています。種族長3人で写真を撮ったのですが、ちょっとお母さん感が増したなと思いました(笑)」

―――平瀬さんは、かっこいい役はあまり演じたことがないということでしたが、今回の黒の衣裳というのはいかがですか?
平瀬「確かにかっこいい役は少ないのですが、黒の衣裳は多いんですよ。キャラクターとはまた違うんだと思います。今回は、私はウィッグではなく地毛でいこうかなと思っているので、今、本番に向けて髪の色も相談しているところです」
―――最後に公演への意気込みと読者へのメッセージをお願いします。
岩田「今回、私にとって初めての主演作となります。続投の方もいらっしゃったり、支えてくださるお姉さん方もいらっしゃるので、「幻想」チームとして一致団結させて、私ができることを一生懸命頑張っていきたいと思います。まだドキドキして緊張しておりますが、精一杯頑張りますので、ぜひたくさんの方に観に来ていただきたいと思います」
平瀬「前回作り上げてくださった世界観や大事にしていたものをきちんと受け継ぎつつ、新しい刺激となるスパイスとなれればと思います。よろしくお願いします!」
永瀬「お客さまが前作を好きになってくださったからできる今回の続編だと思います。この先も続けていけるように、ここで止まらないように、たくさんの方に愛される作品を作れたらと思いますし、未来に向かっていける公演になれればと思います。暑い中ではありますが、頑張りたいと思います」
安齋「前作は満席になったので、今回も期待していただいているのかなと思います。キャストも増えて、会場も大きくなって、衣裳も豪華になって、皆さんの期待を超えられるようなパワーアップした作品にできるように頑張ります。自分自身も前回の自分を超えられるように頑張っていきたいと思います」
(取材・文・写真:嶋田真己)

プロフィール

岩田陽菜(いわた・ひな)
山口県出身。2017年にSTU48・1期生オーディションに合格。フロントメンバーとして活動し、1stシングル「暗闇」では「輝く!日本レコード大賞」において新人賞に輝く。2024年5月に卒業。主な出演に舞台『けものフレンズ JAPARI STAGE!〜きみのあしおとがまたきこえた〜』、朗読×ACT『アイディール・セミナー』、舞台『あの日々に最高の花束を』など。本作が舞台初主演となる。

平瀬美里(ひらせ・みさと)
千葉県出身。みにちあ☆ベアーズ、3Bjuniorを経て、2016年ロッカジャポニカとしてキングレコードからメジャーデビュー。ロッカジャポニカの活動終了後はB.O.L.Tに加入、2019年11月脱退。主な出演に、舞台『アリスインデッドリースクール永遠』主演、『降臨SOUL』など。

永瀬がーな(ながせ・がーな)
名古屋でのアイドル活動後、東京を拠点にタレント・女優として活躍。主な出演作に、ILLUMINUS舞台『赤の女王』、『純血の女王』、『イリス・ノワール -禁樹のミエリ-』、パフォーマンス プラス ピエロ 第4回本公演『黄昏の光』、プロデュース公演『童話革命』A班主演、三栄町 LIVE×劇団25、6時間プロデュース公演 vol.8『ミドルノート〈ムーンダスト〉』主演など。

安齋真綿(あんざい・まわた)
栃木県出身。アイドル「Queen Clrown」の黄色担当。主な出演に、劇団Miss女子会第6会公演『幸せであれ!』、プロダクションピエロ『三国ワルキューレ』など。
公演情報

『三国ワルキューレ ~黒きラグナロク~』
日:2025年8月20日(水)〜24日(日)
場:萬劇場
料:S席6,500円 特典付き通常席5,800円 通常席5,000円(全席指定・税込)
HP:https://productionpierrot.com
問:プロダクションピエロ
mail:troupepierrot@gmail.com