新鮮なメンバーと演出で、古巣の定番レパートリーに挑む 劇団“STRAYDOG”から羽ばたくPapillon Presents、待望の第2弾

新鮮なメンバーと演出で、古巣の定番レパートリーに挑む 劇団“STRAYDOG”から羽ばたくPapillon Presents、待望の第2弾

 モデル、女優として活躍する森岡朋奈と最近では演出家としての活躍も増えてきた森岡里世。父である脚本家、映画監督、演出家の森岡利行が主宰する劇団“STRAYDOG”での活躍も多い2人が、“STRAYDOG”公演のプロデュースを担う今森仁美を加えた3人で、新たな演劇ユニット、Papillon Presents(パピヨンプレゼンツ)をスタートさせた。
 第1弾作品に選んだ“STRAYDOG”主宰の森岡利行作品『心は孤独なアトム』は大好評を獲得したが、続く第2弾として、漫画家・西原理恵子の『女の子ものがたり』を上演する。朋奈、里世姉妹がこの新ユニットに注ぐ想いを聞いてみた。


―――Papillon Presents(パピヨンプレゼンツ:以下「パピプレ」と表記)は劇団“STRAYDOG”内のユニットということでいいですか?

朋奈・里世「はい」

里世「私も姉(朋奈)も0歳から“STRAYDOG”、そして主宰で父・森岡利行の下で演劇に触れてきましたが、大人になるにつれて、羽ばたいていきたいという気持ちが強くなっていました。そこで姉と、“STRAYDOG”に10年間関わってきて信頼できるプロデューサーの今森さんと、“STRAYDOG”の中から羽ばたこうということになりました。“STRAYDOG”には沢山の作品がありますが、そんな森岡利行の“魂の演劇”を残していきたいという気持ち。そしてさらに私達だから出来る新しく生まれるものを膨らませていきたいという事で、3人で始めました。物事も3人の合議制で決まります。結構ぶつかりますが、2人の意見が聞けるのは貴重ですね」

朋奈「(里世が)外部で演出として関わる事が増えてきて、完全に演出家として活動できる場があるといいねという事もあります。私はといえば演出の方はさっぱりで、それでも宣伝美術の方では外部も含めて関わるようになってきています」

―――皆さんの動きに対して、森岡(利行)さんの反応はどうでしたか。

里世「好きにやったらいいんじゃない、って感じでしたね」

朋奈「自分も歳を取ってきていることはわかっているので、出来るところまでは自分でやりたいけれど、どんどん作品を手放していくというか。他に受け継いでくれる人を求めていたんですね。その1人が里世だった訳です。バトンタッチは進んでいるとおもいます」

里世「娘だから傍に居るというのでは無く、私自身が“STRAYDOG”の作品が大好きなんです。名作はずっと残る、物語は永久に不滅だとおもいますが、“STRAYDOG”作品もそのひとつでありたいと思いますし、それをあくまでも私達のユニットで引き継いでいきたいと思います」

―――おふたりとも“STRAYDOG”作品への出演は多いですが、一時は外に出て行っていますよね。

朋奈「ええ、オスカープロモーションで映像作品にもでていましたから、ずっと父の下でという訳ではなかったです」

里世「私も9歳までは“STRAYDOG”ですが、その後19歳までスターダストプロモーションで映像などの仕事に触れ、そして“STRAYDOG”に戻ってきた感じです。でも演劇はずっと傍にあって、コンスタントに舞台には出ていました」

朋奈「“STRAYDOG”だけでは無く、他でも色々な経験が出来たからこそ、色々な観点から観ることができて、里世は演出も出来るようになった。私自身も色々な現場に関わって裏方を体験することが出来るのだと思います」

里世「(“STRAYDOG”から)出たからこそ培った価値観があるから、今見える世界があるんだと思います」

―――第2弾として取り組まれるのは西原理恵子さんの『女の子ものがたり』。これは“STRAYDOG”の定番作品でもあります。

里世「私自身、西原作品、そしてこの作品がとても好きなんです。そしてパピプレには若い役者さんが多いので、明るくてポップな作品をやりたいと思ってこの作品を選びました」

朋奈「若手が沢山出られますから」

里世「私自身も若手ですしね。その中で一緒に作れるのは楽しいですね。以前“STRAYDOG”で上演した時には私も出演しているんですが、その時西原さんは観てくださってます。プライベートでも西原さんとはご縁があるものですから。でも“STRAYDOG”=森岡利行にしか作品の上演を許してもらえないという話を聞いた事があって心配したのですが、相談したら快諾を下さって」

―――森岡さん版からの影響というか、スタイルが似るのではと思われたりしませんか。

里世「不思議なもので同じようにはならないんです。真似やコピーという気持ちは無くて、今回出会えた役者さんやスタッフさんと作れる作品を私なりに対話を深めて創っていきたいと思います。(役者さん達に)パピプレに出て良かった、また出てみたいと思ってもらえたら、その気持ちはきっとお客さんにも伝わりますから」

朋奈「私も演出に関して隣で観ていて思ったことを言ったりもしますが、基本的には里世を信頼しています」

―――パピプレでは“STRAYDOG”外での出逢いがさらに反映されそうですね。

朋奈「そうですね。ぜんぜん毛色が違うメンバーが集まってどんな化学反応が起きるのかが楽しみです」

里世「けっこう舞台を観にいくなどして出逢いは大切にしています。やりたい人とやりたい舞台が出来るといいですね」

―――今回のキャストは、皆さんにとって初めての方が多いですか?

里世「半分以上はオーディション組です。オーディションも時間をかけて、人柄を重視して選びました。1グループに1時間以上かけましたね。舞台が初めての人も居ますし、なかには初舞台を踏んだときから観ているメンバーも居ます。森岡(利行)さんは新しい風を入れるんだから、これまでのキャストは使うなって言ってましたしね」

―――これからが楽しみなパピプレですが、おふたりが持っているこれからの展望を聞かせてください。

里世「ユニット名の由来ですが、“STRAYDOG”が「野良犬」なのに対してパピプレは子犬のイメージ。そして「蝶」という意味でもあります。だから子犬が蝶になって羽ばたきたいという希望を込めています。“STRAYDOG”作品を後世に残すべく誕生しましたが、それだけで無く、大好きな演劇だからこそ色々な作品を手がけたいですし、芝居が大好きな仲間と素敵な作品を創っていきたい。羽根を大きく拡げて、羽ばたきたいと思っています」

朋奈「里世と想いは一緒ですが、将来は演劇界で「あー、パピプレね」と言われるくらいに大きくなりたいと思います。そのためにも素敵なキャストさんに出てもらって、里世の演出も経験をさらに積んでいってもらいたいと思います」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

森岡朋奈(もりおか・ともな)
東京都出身。第11回全日本国民的美少女コンテストにおいて本選に出場をきっかけに、モデル・グラビア・テレビドラマや映画などの映像作品に出演。舞台では父親の森岡利行が主宰する“STRAYDOG”の作品を始め、外部への出演も数多い。2024年、新宿梁山泊で主演を務めるなど、数多くの舞台で主演・ヒロインを演じる。

森岡里世(もりおか・りよ)
東京都出身。森岡利行は父、朋奈は姉。子どもの頃から劇団“STRAYDOG”の作品に関わり、9歳でスターダストプロモーションに入る。テレビドラマや映画に多数出演するほか、舞台『海街diary』、『夕凪の街 桜の国』、『嫌われ松子の一生』、『路地猫の優しい猫』など多数の作品に出演している。19歳でスターダストを退所。2024年6月にPapillon Presents第一弾公演で『心は孤独なアトム』は満員御礼、W&COMING STAGE『どりーむぼっくす』の演出家として抜擢される等、演劇界の次世代をリードする若手女性演出家。

公演情報

Papillon Presents 『女の子ものがたり』

日:2025年4月16日(水)~20日(日) 
場:シアターグリーン BOX in BOX THEATER
料:かぶりつき席[最前列・特典付]6,500円
  A席 一般5,000円 高校生以下2,500円
  ※要学生証提示(全席指定・税込)
HP:https://www.straydog.info
問:STRAYDOG PROMOTION
  mail:s-pro@straydog.info
  (平日11:00~18:00)


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