演劇とバスケットボールのコラボレーションがさらに深化! 勝つチームを目指して! 再始動した永南高校バスケ部

演劇とバスケットボールのコラボレーションがさらに深化! 勝つチームを目指して! 再始動した永南高校バスケ部

 2016年4月に結成し、“虚構とリアリズムの融合”をテーマに創作活動をおこなうUzumeの第12回公演は、2022年に新木場GARDENで上演された『あの夏の飛行機雲』の続編となる。主宰の村松洸希が脚本・演出を手掛けた前作は、とある高校のバスケ部を舞台に高校生たちの青春を描いた群像劇で、リアルなバスケのプレーシーンと演劇のコラボレーションが話題を呼んだ。その1年後のストーリーを描いた本作には、新キャストの田淵累生をはじめ、朝田淳弥、奥谷知弘、塚本凌生ら、前作のメインキャストも継続出演。すべてに置いて前作以上の熱量を帯びた作品となりそうだ。


―――リアルなバスケットボールゲームと演劇の融合という着想はどのようにして得ましたか?

村松「僕自身が、小学校1年生から大学生までずっとバスケをやっていました。そして演劇に関わるようになってから、『スポーツの熱量や感動に演劇は叶わない』と言われたことがずっと心に引っかかっていて。いやそんなことはない。スポーツに匹敵する熱量の作品は創れるんだと。ならばスポーツと演劇、両方のおもしろさを組み合わせてみようと思ったことがきっかけです」

―――脚本執筆や演出をする上で意識されたことは?

村松「自分の青春時代を投影しながら、各キャラクターそれぞれにドラマを持たせることを意識しました。その上でバスケ経験者を中心にキャスティングをして、未経験者には未経験者そのままの人物や、これから始める人物という形にしました。そこでバスケと物語どちらも際立たせることを考えました。僕は“楽しむことをいくつになっても忘れてはいけないよ”というメッセージを前作に込めたつもりだったので、今回も僕たちがまた熱量を持って飛び込んで思い切り青春することができればと思います」

―――本作で注目して欲しい部分は?

村松「まずは新キャストのみなさんです。今回も頼りになる方々に来ていただきました。特に主演の田淵累生くんは、バスケ歴14年という経歴の通り、バスケに相当な熱量を注ぎ込んできたと思っています。今回は累生くんを始め、バスケに並々ならぬ情熱を持つ方々に集まってもらえたので、前作以上の熱量を期待しています」

―――初出演の田淵さんは出演オファーをいただいていかがですか?

田淵「前作に出演された宇野結也さんのインスタグラムのストーリーを見ていたのですが、ずっとバスケの練習ばかりしていて。最初は『これ何の作品だろう?』ってずっと思っていました(笑)。僕自身も14年間バスケをしていたこともあって、いつかバスケを題材とする作品に出たいなと思っていたので、お話をいただいて即答しました。とは言え、現役を退いてから錆びている部分もあるので、その錆びを落とすところから始めたいと思います」

―――前作に出演されて、そして続編となる本作への意気込みを教えてください。

塚本「僕は中学の3年間しかバスケをしていませんが、前作から関わらせていただいて、自分でも恥ずかしくなるぐらいに青春していましたね。それぐらいの熱量をみんなで一緒になって舞台上に出せていたと感じました。自分にとっても思い出に残る作品ですし、他の作品にはない魅力があると思います。続編ではバスケ部の3年生が引退したところからストーリーが始まると聞いているので、どんな展開になるか楽しみです」

朝田「バスケを経験したことがない僕でも、前作はとにかく楽しかった思い出があります。競技自体の魅力に演劇の良さも相まって、とても熱量のある作品という印象です。やはり青春を語るうえでもスポーツは重要な要素だなと思いました。前回はドリブルも満足にできない状態からのスタートでしたが、時間と共にもっとボールに触れたいと思うようになって、家に帰ってからもボールを触っているぐらいでした。今回は新キャストの田淵さんも加わったことで、熱量もさることながら、よりみなさんに楽しんでいただける作品になるんじゃないかなと思っています」

奥谷「演劇にバスケの要素を取り入れた舞台はあると思いますが、リアルなプレーを見せるのはとてもおもしろい取り組みだなと思いました。ずっとバスケをやってきたので、この作品に携わらせてもらえたことはとても嬉しいですし、また続編に出させてもらえるので今からワクワクしています。

 前作のテーマが“バスケを楽しむ”ということだったと思いますが、この歳になって、演劇を通してバスケを観てもらうことが、現役時代とはまた違った体験であり、こうして舞台の上で同年代の仲間とバスケができることがとても楽しくて、嬉しいです。その楽しさを今回も観に来てくださったお客さまにダイレクトに伝えることができたらと思います」

―――前作で苦労されたこと、また楽しかったことは?

村松「苦労したことと言えば、演劇の稽古とは別で、バスケットボールのフォーメーションを考えないといけなかったことですかね。あとは単純に体力を使います(笑)。出演作の中で一番汗をかいた作品と言えますね。だから今回も体力強化から始めないといけないなと。楽しかったことは、キャストのみんなと本当のバスケ部員になれたことです。もうチームメイトと言えるぐらい。今でも同級生に連絡を取るぐらいの感覚でいます。それほどのキャストのみなさんに恵まれて、2度目の青春を過ごすことができました」

塚本「バスケと演劇を融合させることが一番難しかったですね。試合を演劇として見せていく中で、どのように決められたプレーであっても、実際の試合のように見せられるかを真剣に話し合ってつくりました。大変ではありましたが楽しい時間でした」

奥谷「大変だったことは、現役時代とは言いませんが、それに近いほどのトレーニングをおこなったことでしょうか。あと本編中に3ポイントシュートを打つシーンがあったのですが、脚本のト書きにも『ここで3ポイントを決める』とさらっと書いてあったので、ここで決めないと物語が変わってしまうと、毎回ドキドキしながら、心を込めて丁寧に打たせてもらいました(笑)」

―――田淵さんはみなさんのお話を聞いていかがですか?

田淵「改めてリアルにバスケをしながら演劇をするって凄いことですよね。ずっとバスケをやってきた役者からすれば、こんなにワクワクすることはないと思う反面、自分には3ポイントを任せないでほしいと思いました(一同笑)。でも主演なので、何かしら重要なプレーは来そうな気がしています」

―――ストーリーに共感する部分はありますか?

田淵「今回、僕が演じる新入生の桜井晴人が経験してきたことは、僕の学生時代と一緒なんですね。中学校までは勝つバスケを教えられてきて、高校でバスケの楽しさを知る部分は全く同じです。僕の中学はバスケ強豪校で部員は全員坊主頭。まるで軍隊のような部活でした。勝つことだけを考えて辛い練習を耐えてきて、高校で初めてバスケの楽しさを知るところは桜井と同じだなと共感しました。なので、過去の自分も桜井に重ねながら演じられたらと思っています」

―――最後に読者にメッセージをお願いします。

村松「初演はスポーツと演劇のコラボレーションという挑戦を通じて、0から1を生み出しました。今回はその1を100にする作業だと思っています。前作は“奇跡は起きないけども、軌跡は残る”がテーマでしたが、今作は“軌跡が起した奇跡”がテーマ。前作の熱量と魅力を引き継ぎながら、より素晴らしい作品にします。また公演はスポーツアリーナを想定したものになっています。ぜひ会場全体で作品を盛り上げてください!」

奥谷「今まで味わったことのない世界観や演出に僕自身が惹かれていて大好きな作品の1つです。ガチンコでする生のバスケットの臨場感は会場でしか体験できないので、ぜひ、一緒になって熱く応援していただけたら嬉しいです!」

朝田「演劇とスポーツの化学反応を感じてもらいながら、青春の1ページも共有できたらと思っています。劇場でお待ちしています!」

塚本「どこもやっていないことに取り組んでいるという自信があります。それを創り出せる強力なキャスト陣もいますので、もっともっとこの作品を多くの人に知ってもらえるように頑張ります。応援よろしくお願いします!」

田淵「新キャストで主演というプレッシャーもありますが、まずは彼らの青春を描けるように。そして奇跡を起こすには相当な努力が必要なので、この座組で一番自分が努力したと言えるぐらい追い込んでいきます! アリーナ形式の舞台なので、色んな角度から僕たちを観てください!」

(取材・文:小笠原大介 撮影:山本一人)

遠征・帰省のときについ買ってしまうお土産は?

田淵累生さん
「石川県の“ちゃんぽん麺”。家に何個あっても困らないですし、大量の野菜を入れて食べたらめっちゃ美味いので是非試してみてください。いつも買いすぎているので、帰省後は週3回ぐらいで食べちゃってます」

村松洸希さん
「“くるみやまびこ”です。僕の地元長野県諏訪地方の超有名お菓子です。僕ら地元では多分お土産といえば、これという感じです。もちろん自分も大好きなのですが、知り合いには是非にも食べて欲しくて買って帰ります! 是非皆様も一度食べてみてください!」

朝田淳弥さん
「強いて言うなら、“ご当地ラーメン”です。元々ラーメンは大好きで、その地域ならではのラーメンを自宅でも楽しめるから。これまた再現度が高いんですよ! ただ、どちらかというとお土産自体はあんまり購入しない方ですね(笑)。 それよりはその現地で美味しいものを食べたり、体験したりする方に割り振るので」

奥谷知弘さん
「その土地の地酒やおつまみです。知人が遠征に行ってきた時の土産話が好きで、『どこどこ行ったよ〜』とか、『ここのお店が良かったよ〜』とか、聞くとメモをとって情報収集をします。なので僕も遠征に行った時は、誰かにおすすめを教えてあげられるように、なるべくその土地の名産名物を口にして、地酒やおつまみを買って帰ったりします。他には、小分けにされたご当地お菓子をいつもお世話になってる方々への手土産として買って配ったりしています」

塚本凌生さん
「“みたらし小餅”ですね! 多分大阪の物なんですけど、お隣なんで兵庫のお土産屋さんにも売ってて昔から大好きでよく買います! 最近帰ってないので食べられてないですね……食べるために帰ります!」

プロフィール

田淵累生(たぶち・るい)
1995年9月12日生まれ。主な出演に、舞台『刀剣乱舞』シリーズ、『文豪ストレイドッグス』シリーズなど。バスケ歴14年。

村松洸希(むらまつ・こうき)
1994年8月5日生まれ。Uzumeの代表・脚本・演出を務める。また、俳優として外部作品にも積極的に参加。バスケ歴15年。

朝田淳弥(あさだ・じゅんや)
1996年10月17日生まれ。舞台・ドラマ・映画・テレビとマルチに活躍。主な出演に、映画『あまろっく』、舞台『川辺市子のために』、ドラマ『先輩、断じて恋では!』などに出演。テレビ「猫のひたいほどワイド」木曜レギュラー。バスケ歴1ヶ月。

奥谷知弘(おくたに・ちひろ)
1994年12月26日生まれ。主な出演に、『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズ、ドラマ『トットちゃん!』など。テレビ「猫のひたいほどワイド」火曜レギュラー。バスケ歴23年。

塚本凌生(つかもと・りょう)
1997年2月4日生まれ。主な出演に、舞台『刀剣乱舞』シリーズ、LIVE STAGE『スケートリーディング☆スターズ』など。バスケ歴3年。

公演情報

Uzume 第12回公演『あの春は、いつまでも青い』-永南高校バスケットボール部-

日:2024年9月29日(日)~10月6日(日)
場:彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
料:S席[前方2列・特典付]9,900円
  永南高校エリア席8,800円
  諏訪高校エリア席8,800円
  A席6,600円 
  学生席5,000円 ※要身分証明書提示
  (全席指定・税込)
HP:https://anoharu2024.studio.site
問:Uzume mail:uzume.sprt@gmail.com

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