韓国ミュージカルの傑作が注目キャストによる日本版として上演 登場人物の気持ちの揺れ動きに触れるような舞台にしたい

韓国ミュージカルの傑作が注目キャストによる日本版として上演 登場人物の気持ちの揺れ動きに触れるような舞台にしたい

 韓国ミュージカルアワードの主要3部門を受賞した『ラフヘスト〜残されたもの』の日本版が7月に上演される。主人公は、実在した美術評論家・画家・随筆家のキム・ヒャンアン。韓国随一の天才芸術家と称される2人の男性を夫に持った彼女の人生を、史実に基づいて描くオリジナルミュージカルだ。若き日のヒャンアンであるピョン・トンリムを演じる山口乃々華は「私の中でとても大きな経験になるのは間違いないと思います」と意気込む。

 「出演者は4人だけで、韓国版の映像を観ると、その一人ひとりが色々なものを抱えているから出来上がる空間というものを感じました。日本版キャストの方々の存在も大きくて、ここに私が並んでいいんだろうかと不安になりつつも、ありがたいなという思いがあります。だから決して孤独じゃないというか、一緒に積み上げていける関係になるくらい努力したいです」

 自身が演じるトンリムの人物像については「共感しやすい」という。

 「強い意志があって大胆で、別の場所に飛び込むことを恐れない女性。私という人間からすごくジャンプしなきゃいけないようなところはなさそうです。そんな彼女が時の流れを経て成長していく姿を、ソニンさんが演じるヒャンアンにうまくシフトしていけるようにできたらいいなと思います」

 そう話す山口の出演歴には、ミュージカル作品が多く並ぶ。ショーアップされた舞台ではなく心情表現に重きを置いた本作へ、気持ちを新たにして臨む。

 「楽曲はどれも耳に残りやすく、初めて聴くのに懐かしい感じがします。今回は歌詞の日本語訳もソニンさんが担当されるのですが、選ばれた言葉の向こうにある本当の意味をしっかり理解しなければいけないなと思っています。私はまだまだ技術的なところに引っ張られてしまうことも多いので、心と心を繋げられるように頑張ります」

 韓国作品らしいドラマチックなストーリーと、舞台ならではの演出も見どころ。距離感の近い劇場で濃密な時間を味わえるに違いない。

 「4人だけの小さな世界で大きなものを描いている作品だと思います。ここにしかない時間と空気の中で、それぞれの気持ちの揺れ動きに直接触っているように感じられる、そんな没入感のある舞台を私も楽しみにしていますし、皆さんも楽しんでいただけたら嬉しいです」

(取材・文:西本 勲)

プロフィール

山口乃々華(やまぐち・ののか)
1998年生まれ、埼玉県出身。雑誌「ピチレモン」専属モデルを経て、2012年からE-girlsのメンバーとして活動。2013年からは女優として舞台や映像でも活躍。主な作品に、映画『私がモテてどうすんだ』、ミュージカル『ジェイミー』、『SPY×FAMILY』、a new musical『ヴァグラント』、舞台『呪術廻戦』-京都姉妹校交流会・起首雷同-などがある。今年は、朗読劇『私の頭の中の消しゴム』、舞台『ドレミの歌』に続いての出演となる。

公演情報

belle waves #1 ミュージカル 『ラフへスト~残されたもの

日:2024年7月18日(木)~28日(日)
場:東京芸術劇場 シアターイースト
料:Rシート[グッズ付き]11,800円
  一般席9,800円
  U25[25歳以下]6,800円 ※要身分証明書提示
  (全席指定・税込)
HP:https://bellewaves.jp/lart-reste/
問:公式HP内(https://supportform.jp/event)よりお問合せください

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