無念の公演中止から1年。さらに熟成された『爆剣』が戻ってくる　マイナスの気持ちは最低限に、前だけを向いて作品に挑む！

　乱世を生き抜いてきた剣豪たちを集めた人気の舞台『爆剣〜幕府御前試合〜』。その続編として昨年幕を開けた『爆剣〜東京転⽣死合〜』は、コロナの影響でほんの数公演で公演中止となった。楽しみにしていた観客だけでなく、キャストやスタッフの落胆は相当なものがあったはずだが、逆境にめげず1年経った今、再公演が決定した。題して『爆剣〜東京転⽣死合・再戦〜』。再びの公演を前に、主要キャストの⿊⽊⽂貴、佐藤智広、松原凛はどんな気持ちでいるのだろう。

黒木「キャストの皆さんに支えられて座長として迎えた公演でしたが、それが突然の連絡で中止に。劇場に向かう途中、電車に乗る直前に連絡が来たんです。仕方ないことだとは思いましたが、今は1年振りの“転生”だと思って前向きに取り組んでいるところです」

松原「黒木さんと佐藤さんは前作から出演されているこの作品。そこにせっかく参戦できたと思っていたのに、突然届けられなくなった悔しさがありました。1年経ってさらにパワーアップしたものをお届けしたいです」

佐藤「正直『またかぁ』という感覚でした。中止になってもキャストもスタッフもお客さんも、どこに怒りをぶつけていいかわからないですよね。連絡が来たときは混乱していてフワフワした感じでしたが、落ち込む前にヨコオさんや松多さんが『来年絶対やるぞ！』とおっしゃっていたので、マイナスの気持ちを最低限に、前向きに持って行った感じでした。だから日頃から台本を持ち歩いて読み込み、自分なりにいろいろ練っていました」

　再演にあたって、全くキャストを変えずに挑むというこの作品。3人は何か特別な準備をしていたのか。

黒木「明確な準備はありませんが、この1年の間に積んだ経験値は間違いなく上乗せされています。だからこそ心強いし楽しみでもあります」

松原「この1年の間でお客さんの期待値も上がっているでしょう。その間に僕は黒木さんと別の作品で共演させていただいたり、他のメンバーと舞台を観に行ったりと親交を深めてきました」

佐藤「舞台は初日と千秋楽で落ち着きが全然違うものですよね。今回はさらに時間が経っているだけに、しっかり地に足を着けた『爆剣』をお届けできると思います」

　「現代×東京×転生×武将×グルメ」。それをさらに熟成した『爆剣〜東京転⽣死合・再戦〜』に期待したい。

（取材・文：渡部晋也　撮影：安藤史紘）

黒木文貴さん
「人間のみならず、命あるものそれぞれが役職（職業）の世界に住んでみたいです。例えば、今の役職（職業）が“猫”だとすると容姿はもちろん猫で。その間は猫の世界を楽しんだり、気が変わったら職業変更所的なところで“神”を選択すれば、神になって神の世界を楽しんだり。理由としては僕自身の探究心ゆえに、といったところでしょうか。神でも植物でもなんでもそれぞれに見えている世界があるでしょうし、その世界は存在していると思っているから、色々と経験してみたいです。あと寿命という概念がないのも良いなぁ。可能性は無限大なので考えたらワクワクしますね（笑）」

佐藤智広さん
「神々と人との関係や距離が近い世界で“神”になりたいです。いきなり神になったところで何も出来ず、てんやわんやすると思います。そんな中で、自分がどう動くのか、神々とそして人とどう関わっていくのか気になりますね。とりあえず神様の力……使いたい」

松原 凛さん
「100％アニメやゲームの影響ですが、自分が行くとしたら、王道のRPGゲームのような世界に行きたいですね。武器屋や防具屋で好きな装備を着飾ったり、広大な平原、様々な村や街、ダンジョン攻略とかとか、たくさん冒険してみたいです。ボスモンスター倒してレアアイテムゲットしたり……。世界の半分をもらったりもらわなかったり。ソードスキル使ったり!!!!　あと、異世界ならではのご飯とかも気になりますね。都合良すぎるかもしれませんが、言語はそのままだとありがたいです」

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