珠城りょう宝塚歌劇団退団後の初主演舞台! 「踊っている時が一番自由だったマヌエラを表現したい」

珠城りょう宝塚歌劇団退団後の初主演舞台! 「踊っている時が一番自由だったマヌエラを表現したい」

 第二次世界大戦前夜の上海、実力と美貌を武器に混沌の時代を生き抜いた実在の日本人ダンサー・マヌエラ(永末妙子)と、彼女を取り巻く人々を描いた群像劇が2023年に蘇る。マヌエラを演じるのは、元宝塚歌劇団月組トップスターの珠城りょう。出演を決めた思い、舞台に向かう意気込みを語ってくれた。

 「元々ストレートプレイへの憧れが強かったので、挑戦したいと思いました。第二次世界大戦直前を描いている作品だけに、シビアな内容が盛り込まれていますが、登場人物達がこの瞬間をどう生き抜くのか、それが人間臭く描かれているのが魅力的です。私が演じるマヌエラ、永末妙子さんは自分の意見をはっきり持っているだけでなく、それを言葉にして伝えることができる人。彼女の強さは時代を生き抜くには必要なものだったはず。一方、日本海軍士官の和田さんに心を開いていく過程で、彼女の柔らかさや脆さも出てくる。彼女が変わっていく瞬間を大切に演じていきたいです。

 この作品の前に、退団後初めての演劇作品に出演しました。作品の雰囲気や作り方は宝塚とは随分違いましたが、私自身はできるだけナチュラルな表現を目指していたので、誰かの人生を演じるという意味では違いは感じませんでした。宝塚での華やかな夢の世界から、キャスト全員が宝塚OGの舞台を経て、今回の『マヌエラ』へというのは、よりリアリズムに近づいていく、とてもありがたい流れだなと思っています。

 フライヤー撮影で赤い衣装を着た時、マヌエラ像がどんどん湧き上がっていく感覚があったんです。男役時代とは違い、ここまで露出の多いドレスは初めてでちょっとソワソワしていたのですが(笑)。ドレスや照明など色々なものに助けて頂いて撮影しているうちに、イメージが膨らんでいきました。宝塚時代にもダンス場面では“この動きでどんな心情を伝えたいのか?”という事を考えながら踊っていました。そこにさらに重きを置いていたのがマヌエラだと思います。ダンスは言葉がないからこそより音楽の力が鮮明になりますし、曲の盛り上がりに振りも感情もリンクしていきます。しっかり音を聴きながら動きに繋げて、それをお芝居と織り交ぜながら、踊っている時が一番何にも囚われずに自由でいられたマヌエラを表現していきたいです。

 カンパニーの皆様とは全員初めましてですが、良いエネルギーで作品に飛び込んできてくださると思うので、ご一緒できる事が楽しみです。脚本も改稿され、演出も全てが新しい舞台になります。今の時代にこの作品を新たに上演する事には必ず意味があると思います。初演の方々への敬意をしっかり持ち、作品のメッセージをお届けできるよう精一杯努めて参ります」

(取材・文:橘 涼香 撮影:間野真由美)

プロフィール

珠城りょう(たまき・りょう)
愛知県出身。2008年、宝塚歌劇団入団。月組公演『ME AND MY GIRL』で初舞台。その後、月組に配属。2010年、入団3年目にして『THE SCARLET PIMPERNEL』新人公演初主演を務め、2013年『月雲の皇子』でバウホール公演初主演。2016年、入団9年目という異例のスピード出世で月組トップスターに就任。2021年『桜嵐記/Dream Chaser』をもって宝塚歌劇団を退団。退団後はライブ・映像・舞台と活躍の幅を広げている。主な出演は、珠城りょう 1st CONCERT『CUORE』、ドラマ『マイファミリー』、舞台『8人の女たち』など。今秋『RYO TAMAKI LIVE TOUR 2022 ~Freely~』の開催が控えている。

公演情報

PARCO PRODUCE 2023 『マヌエラ』

日:2023年1月15日(日)~23日(月) ※他、大阪・福岡公演あり
場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
料:S席12,000円 A席10,000円(全席指定・税込)※他、割引あり。詳細は団体HPにて ※未就学児入場不可
HP:https://stage.parco.jp/program/manuela/
問:【チケットお問合せ窓口】サンライズプロモーション東京 tel.0570-00-3337(月~金12:00~15:00)【公演お問合せ窓口】パルコステージ tel.03-3477-5858(時間短縮営業中)

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