人気声優、関智一がアルセーヌ・ルパンに挑む 世界中で愛される推理サスペンスを、実力者揃いの声優陣で朗読劇に

人気声優、関智一がアルセーヌ・ルパンに挑む 世界中で愛される推理サスペンスを、実力者揃いの声優陣で朗読劇に

 数々の舞台を手がける人気演出家、野坂実が中心となって始動したノサカラボは、世界中の人々に愛されてきた名作ミステリーを舞台化するプロジェクト。
 第1弾として8月には、誰もが知っている推理小説の金字塔『シャーロック・ホームズ』を朗読劇で上演し好評を博したが、続いては怪盗紳士『アルセーヌ・ルパン』を手がけるという。
 主役のルパンを演じるのは、ベテラン声優として数々のキャラクターの声を担ってきた関智一。さらにルパンの作者であり、親友として登場するモーリス・ルブランを演じる木村良平をはじめとする強力なキャストで、長編の中でも人気の高い『813』に挑むという。さあ名手達の声でルパンが、そして事件が動き出す。


―――ノサカラボとしては先日『シャーロック・ホームズ』を上演されていますが、今度は『アルセーヌ・ルパン』ですね。これはノサカラボの第2弾として受け取っていいでしょうか。

野坂「第2弾ですが、第1弾といったところなんです。『アルセーヌ・ルパン』は前作とはスタッフも違いますし、全く別のシリーズとして進めていますから」

―――なるほど。では主役に関さんを選ばれたポイントを教えてください。

野坂「いや今回は先に関さんありきの企画なんです。関さんに一体何をやってもらったら面白いだろうかと考えて、スタッフみんなでアイデアを出し合ってルパンにたどり着いた感じです。
 ルパンはキャラクター自体が愛くるしくて、僕が思う関さんに近いです。ユニークだったり、どこか切なさを感じさせたり、そして周囲を豊かにしてくれる。そんなところがありますね。また『813』はキャラクターがコロコロ変わるからという理由もありますね。実は関さんとは別の企画を相談していたのですが、ルパンを思いついて急に変更しました」

関「野坂さんと『何か一緒にやりましょう』という話から始まって企画が動き出していたのですが、それが急に変わりました。でもまあ、『あぁ変わったんだな』と思って(笑)。
 ただルパンはあんまり読んでいなくて、僕はどっちかというと明智小五郎とか日本の作品に意識がいきがちだったんです。まあ、知らないからこその面白さはあるでしょう。こんなきっかけがないと読むこともなかったでしょうし。ルパンに出会って人生豊かになった、というところですね」

―――前作もそうですが、声優さんを起用されていますね。そこに理由はありますか。

野坂「こういった作品は声だけで表現できる声優さんでないと難しいですね。朗読劇だと一番のごちそうは音だと思うのですが、そうなるとスペシャリストの力が必要です。まあみなさん声優さんというか、声に特化することができる役者さんという感覚ですね」

―――声に特化した……確かにそうですね。関さんも本当にいろいろな声を操ることができるし。今作もいろいろな声を使い分けることになりそうですか?

関「どうなるでしょうね。ただ自分では声色を変えている意識はなくて、キャラクターの人物像を変えた結果、声が変わるんです。体格とかは結構影響しますね。それに今回みたいに(ルパンの)変装シーンなどがあると、お客さんが面白く楽しめるように差をつけたりもしますね」

野坂「ロバート・デニーロみたいですよね。デニーロって役に応じてダイエットしたり歯を抜いたり、植毛したりといろいろするでしょう。声色を変えるためではなく、キャラクターを作り込むためですよね」

関「そうですね。キャラクターの体格や性格などはやっぱり考えますね。あと口調には本人が出やすいんです。だから聞いていて『関さんの口調だよね』って言われるのは悔しいので、なるべく口調は変えたいという意識は持っています」

―――そんな関さんがどんなルパンを生み出すか楽しみです。

関「さっきも言ったけど、ルパンはあまり通っていないので、まだイメージは固まっていません。『ルパン三世』はみんなが観ているんだけどね(笑)」

野坂「そうなんですよ。派生した作品はとても馴染みがあるんですが、ルパンそのものはあまり知られていないんですね」

―――数ある『アルセーヌ・ルパン』シリーズの物語の中から、今回『813』を選んだ理由はありますか。

野坂「まずは短編で構成しようと思って、結構いろいろ探しました。短編にはそれなりの良さがあるんですが、長編の密度に惹かれて急遽変更したんです。その中でも『813』はよく知られている物語なので、それを脚本家さんと打ち合わせて書き下ろしてもらいました」

―――この公演のために脚本化するわけですから、贅沢な話ですよね。本当に楽しみですが、お2人から観客のみなさんへのメッセージはありますか。

関「僕も声優として朗読劇を突き詰めたいと思っていますが、一体どんな朗読劇が正解なのかはまだ答えが出ていません。観ていて何が一番楽しいのか、それをみなさんと一緒に探って、自分なりの答えに近づくことができたら良いなと思います。その結果を是非観に来てください」

野坂「関さんをはじめ、なかなか揃わない凄いメンバーが集まってくれました。こんな実力者揃いのメンバーと一緒に表現ができるのは凄く楽しいし、一見の価値はあると思います。ノサカラボでは上質で面白くゴージャスで豊かのものを作って、それをみんなで楽しみたいと思っています」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

関 智一(せき・ともかず)
東京都出身。声優養成所を経て海外アニメの吹き替えでデビュー。1993年の『機動戦士Vガンダム』におけるトマーシュ・マサリク役で初レギュラーを射止める。様々な年齢や役柄、主役級から悪役。シリアスからコメディまで幅広くこなして、数多くの作品に出演している。舞台作品も積極的に手がけ、自ら劇団「ヘロヘロQカムパニー」を主宰している。

野坂 実(のさか・みのる)
福井県出身。大学進学後に演劇と出会い、友人の勧めもあって加藤健一事務所に入所。卒業後の2002年、文学座や加藤健一事務所の卒業生を中心に「クロカミショウネン18」を旗揚げ。2012年の解散まで演出、脚本を担当して小劇場を中心に活動。その他FAKE STAR、東京ジャンケン、アクトパスガーデンなどの演劇ユニットで精力的に活動を展開する。ベテラン声優の水島裕、山寺宏一らとは演劇ユニット「ラフィングライブ」を共同主宰する。

公演情報

ノサカラボ
朗読劇『アルセーヌ・ルパン#1 “813”

日:2021年12月4日(土)~5日(日)
場:草月ホール
料:7,000円(全席指定・税込)
HP:http://nosakalabo.jp/
問:ノサカラボ
  mail:info@nosakalabo.jp

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