シェイクスピア幻の新作が発見されるも、つまらなかった!? 最速公演を目指す舞台に巻き起こる、すったもんだ大騒動!

シェイクスピア幻の新作が発見されるも、つまらなかった!? 最速公演を目指す舞台に巻き起こる、すったもんだ大騒動!

 主宰の渡部寛隆ほか、日本大学芸術学部出身者が集う演劇ユニット「晩餐ヒロックス」の今作は、脚本家の高野水登が執筆したコメディ作品『シェイクスピア様ご乱心』に決定。シェイクスピアの新作が見つかったことで始まる大騒動をフレッシュなキャストとともに描いていく。
 作品を代表して大久保樹、田口華、古賀成美、小田龍哉(晩餐ヒロックス)に話を聞いた。

演劇の裏側をお見せします

 本作はテレビドラマや映画の脚本家として活躍中の高野水登が、2016年に自身の劇団で初演。当時それを観劇していた演出/渡部寛隆が「いつか自分のプロデュースでやらせてほしい!」とアプローチを続け、初の商業形式としてこの度上演が叶った形だ。今回のキャスト用にリライトされた2021年版『シェイクスピア様ご乱心』とは?

―――幻の作品を上演するコメディ作品とのことですが、脚本を読んだ印象や感想は?

大久保「ガッツリのコメディ作品に参加することは初めてで、タイトルにシェイクスピアとあり、はじめは難しい印象がありましたが脚本を読むと全然違いました。一人ひとりの役割や色を明確に出せたらすごく面白い作品になるのではと思います」

田口「“すごい会話劇”という印象です。台本を脳内再生しただけでもクスクスできるようなシーンがいっぱいあったので、早く皆さんとお会いしてお稽古したいですね。
 コメディ作品に加えて、ここまでセリフ量が多い役は初めてで実はとても緊張しています。コメディはテンポが大事なのでいっぱい台本を読みこんで作品とお友達になって、しっかり本番に挑めたらと思います」

古賀「私はコメディ作品を観劇する事が大好きなので、出演できることがとても嬉しいです。台本を読むと、言葉では表現できないような漫画みたいな擬音のカタカナが多くて(全員うなずく)それをどんな音で表現するのかすごく楽しみです。読みながらケラケラ笑ってしまいました」

小田「僕はシェイクスピアをはじめ、言葉の力が強い古典戯曲が好きで、その言葉を引用しつつ、遊び心を持ち合わせたのがこの作品。立体的になったらどうなるんだろうと今からワクワクしています。早く稽古がしたいです」

―――演劇がテーマなので皆さんにとってはホームグラウンドのお話ですよね。

小田「お客様に“演劇を伝える”ということは面白いですよね。僕たちが普段やっていることってこうなんだよ、こんな問題が起きているんだよと、裏側をお見せできそうで楽しみです」

個性的なキャラクターしかいない

―――それぞれの役どころを紹介してください。

大久保「僕が演じるタカユキは真面目な変態です(笑)。僕の中で彼は、0か100かという極端なイメージが強いですね。欲望にも素直に身を任せるような、真面目と変態は紙一重な部分があると思っていて、そのギリギリな部分をうまく出せたらいいなと。恥も外聞もなくさらけ出すことはなかなか無いので、気持ち悪いと思われてもいいから全力でやりたい想いです。
 実は2.5次元作品以外のストレートプレイは初めてで。原作のある役は役に寄せていく作業でしたが、1から自分で考えて作っていく役は挑戦ですし楽しみです」

―――田口さんのエリカ役はいかがですか?

田口「プライドとプロ意識が高いエリカは、私とは真逆な役です。今まではおとなしい控えめな役どころが多く、個性の強い役に初めて挑戦しますので、ここは役者としての底力を出せたら。エリカは自分の意思を持っていて、それをちゃんと発言できる強さは尊敬します。自分の意思を伝えられる姿はカッコイイと思いますし憧れの気持ちもあるので、その想いを込めて役に向き合っていきたいです」

―――古賀さんが演じるアカリは、小劇場からのたたき上げで能力が高い女優さんです。

古賀「控えめだけど実は内心燃えているような、とても難しい役だと思っていて、しかも作品の中でいろんな役を演じます。動物のブタ役もあって(笑)。演じたことがない役が多く、不安もありますが、やり甲斐があり演じていて楽しいだろうなって思います。
 アカリの小劇場から頑張ってきた経歴が自分と共通する部分もあって、今までの経験を生かせそうです。大事に演じていけたらと思っています」

―――そして小田さんが演じるシェイクスピア……?役は、どんな存在なのでしょう。

小田「個性の強いキャラクターの中でも、僕は別次元の役です。大騒動の彼らの近くにいて何かを話したり裏表の裏をささやいたりするので、登場人物の動機やきっかけになれたら嬉しいです。
 この役は、そこにいるのにいない幻のようなところがとても面白い。こいつは一体何者なんだ!と思って観てもらえたら」

―――シェイクスピア作品を知っていても、シェイクスピア本人がどんな人物だったか、意外と知らなかったことに気が付きます。

小田「シェイクスピアという人物について書かれた伝記はすごく少ないみたいです。逆に新しく創れそうで楽しみですね。タイトルから僕がご乱心になっていますが、登場人物全員ご乱心なので、そこは見どころだと思います」

みんながご乱心していく様が楽しく描かれます

―――ではそれぞれの見どころ、注目してほしいところは?

大久保「タカユキは、土屋シオンさん演じる演出家とプロレスの技を掛け合うシーンがありまして。僕は格闘技をやっているので、大丈夫かな?と心配です(笑)。でも、すごく楽しみですし注目してほしいシーンですね」

小田「プロレスといえば田口さん!!」

田口「そうなんですよ(笑)。台本にプロレスが出てきて、お!て喜んでしまいました。得意分野を活かせそうで私も楽しみです」

大久保「それは膨らみますね! 技の指導よろしくお願いします! あとは副島和樹さん演じるリューセイをボコボコにするシーンがあるのですが、それはどこまでやっていいのか……(笑)。どんな演出になるのか気になります。身体を張る部分も見どころです!」

田口「私でない人生を生きる事が楽しくて、それは舞台の醍醐味ですよね。私の見どころは、今までとは違う役に加えて、普段言わないような言葉を使うところです。私を知っているお客さんはびっくりすると思います(笑)。言ってみたかったセリフや、こんなこと言えたらカッコイイな、と思うセリフがいっぱいあるので、早くビシッと言いたいです。見どころになるように頑張ります」

古賀「先ほどと重なりますが、動物になったりいろんな人の代役をするので、そこに注目して観てほしいです。アカリはポテンシャルがある子なので、見かけによらず色んな事をしちゃいますし、観ていて楽しいと思います」

小田「実は一番身体を張っていてパワフルな役かもしれません」

田口「最高なんです!」

古賀「プレッシャーが(笑)。それをちゃんと演じられるよう頑張ります」

小田「個々の色が強いので、その個性がどうぶつかっていくか、そこがまず見どころだと思います。こことここが喧嘩したらどう転んでいくのか。感情むき出しの人間がごちゃごちゃになって、みんながご乱心していく様がとても楽しく描かれます。劇場でしか味わえない空気感をぜひ楽しんでもらえたらと思います」

―――最後にお誘いのメッセージをお願いします。

古賀「この時期だからこそいっぱい笑って、自分の中にあるモヤモヤしたものを笑いで吹っ飛ばしてください。そして思い出し笑いをしてもらえるような、そんな作品にしたいと思います」

小田「シェイクスピアを取り扱っていますが、肩の力を抜いて楽しめるコメディなので、笑っていただければ嬉しいです。とてもわかりやすい世界観になっていますのでぜひ劇場にお越しください」

田口「こんなご時世だからこそ心の栄養が必要だと思うんです。この作品は頭を空っぽにして来ていただいて、ただ楽しんでもらえたら嬉しいです」

大久保「当たり前が当たり前のでなくなった昨今、板の上に立てるだけでも幸せという想いです。それをかみしめてお客様が楽しかった気持ちで帰れるように、そしてまた来たいと思ってもらえるように、みんなと全力で挑みたいと思います」

(取材・文&撮影:谷中理音)

プロフィール

大久保 樹(おおくぼ・たつき)
1998年4月24日生まれ、茨城県出身。
ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 桃城武役で注目を集め、舞台やドラマ、映画などで活躍中。近作に舞台『パタリロ 〜霧のロンドンエアポート~』、ドラマ『弱虫ペダルseason2』、映画『帝一の國』などがある。

田口 華(たぐち・はな)
2000年3月4日生まれ、長野県出身。
アイドルグループ「さくら学院」、「虎姫一座」のメンバーとして活動後、舞台を中心に活躍中。近作に舞台『ガスマスクの伊藤さん。2021』主演、舞台『ヒロイン』、舞台『コトバノコトバ』などがある。

古賀成美(こが・なるみ)
1998年3月30日生まれ、大阪府出身。NMB48の元メンバーで2019年の卒業後は舞台を中心に活躍中。近作に舞台『キューティーハニー』シリーズ、舞台『#これで恋ができるなら』、舞台『知恵と希望と極悪キノコ』、舞台『恋とか愛とか(仮)4』など。

小田龍哉(おだ・たつや)
1995年11月7日生まれ、大阪府出身。
晩餐ヒロックス劇団員として活躍するほか、他団体への出演も続いている。近作に舞台『カノン』、舞台『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男』、舞台『ガラスの仮面 愛のメソッド2019』。11月には舞台『ドン・カルロス』出演が控えている。

公演情報

晩餐ヒロックス『シェイクスピア様ご乱心』

日:2021年12月15日(水)~26日(日)
場:中野 ザ・ポケット
料:5,500円(全席指定・税込)
HP:https://bansanhirox.com/shakespeare/
問:晩餐ヒロックス
  mail:bansanhirox@gmail.com

Advertisement

舞台・演劇カテゴリの最新記事