
声優界の大ベテランとして数多くのキャラクターを演じてきただけでなく、俳優、ナレーターとしても幅広く活躍する水島裕。彼がプロデュースする朗読舞台「笑う朗読」は、今回で3作目を迎える。4本の短編で構成される今作の中から、今回は「サモハンとジャッキー」の稽古現場にお邪魔した。
タイトルが示す2人は、言うまでもなくジャッキー・チェンとサモハン・キン・ポー。世界に名を知られた香港カンフー&コメディ界の二大巨頭である。物語は、この2人が偶然にも同じ飛行機に乗り合わせるところから始まる。ところが機内は突如謎の光に包まれ、気づけば見知らぬ風景の中——しかも2人の魂は入れ替わってしまっていた、という設定だ。
この時点で、香港映画ファンなら既に笑いを抑えられないだろう。日本でサモハンといえば水島裕、ジャッキーといえばそのものまねで人気を博すジャッキーちゃん——この2人を主演に据えたうえで、さらに役柄を入れ替えるという仕掛けが待っている。サモハンをジャッキーちゃんが演じ、水島がジャッキーを演じることになるのだ。実に込み入った構造だが、裏を返せば「ジャッキー調ではないジャッキーちゃん」に出会える、なんとも贅沢な機会でもある。

物語には谷山紀章、坂口候一という両ベテランも脇を固め、4人が入り乱れる格闘シーンも登場する。目を閉じて聴いていれば、頭の中に自然とアニメーションの映像が立ち上がってくるようだ。紅一点のあさひちひろはデビュー間もない身ながら、声の切り替えも堂々とした演技も見事な完成度。今後の飛躍が期待される逸材だろう。さらに幕開けから中盤にかけては、山寺宏一が声だけで出演。その存在感は聴くだけで笑いを誘うほどだ。


なお本作には、ジャッキー・チェンの身軽な動きやサモハン・キン・ポーの体型、さらには敵役の名前など、両者が実際に出演した香港映画からのネタも散りばめられている。「デブゴン」シリーズや「五福星」シリーズを見返してから観劇すれば、より深く楽しめるはずだ。
そして本作は朗読劇でありながら、ステージにはスタンドマイク10本とハンドマイク1本、合計11本のマイクが用意されている。出演者はシチュエーションに応じて異なる位置のマイクへと移動しながら台詞を発する仕組みだ。演出を手がける野坂実のアイデアだというが、立ったまま演じる従来の朗読劇に比べ、格段に見応えがある演出だった(おそらく他の3作品も同様の演出が施されるのだろう)。

この日はまだ全員が稽古着だったが、実際のステージでは衣装をつけるのだから、さらにイメージは変わるだろう、どんな衣装になるのかが楽しみだ。
このほかにも3作品が上演される本公演には、声の達人たちをはじめ、俳優やお笑い界からの出演者も揃う。開演すれば、客席が笑いに包まれることは間違いないだろう。




(文・写真:渡部晋也)
公演概要
水島裕プロデュース vol.10『笑う朗読3』
公演期間:2026年9月11日 (金) 〜 2026年9月13日 (日)
会場:大手町三井ホール
■出演者
平野文
日髙のり子
太田貴子
大島美幸(森三中)
立木文彦
谷山紀章
小林由美子
坂口候一
ジャッキーちゃん
あさひちひろ
水島裕
声の友情出演:山寺宏一
<演目>
①サモハンとジャッキー 脚本:守谷武己
出演:谷山紀章、ジャッキーちゃん、坂口候一、水島裕、あさひちひろ
②おかわり自由日記 脚本:小林由美子
出演:小林由美子 (※11日15時回のみ、あさひちひろ)
③戦友(2026年版) 脚本:さだまさし
出演:谷山紀章、立木文彦
④楽屋挨拶 脚本:大島美幸、高橋邦彦
日髙のり子、平野文、太田貴子、大島美幸、小林由美子、立木文彦
■スタッフ
演出:野坂実(ノサカラボ)
■公演スケジュール
2026年09月11日(金) 15:00
2026年09月11日(金) 19:00
2026年09月12日(土) 12:00
2026年09月12日(土) 16:00
2026年09月13日(日) 12:00
2026年09月13日(日) 16:00
■チケット料金
【指定席引換券】
前売(お土産付き):12,000円(税込)
※公演当日、開演30分より当日券受付にて座席指定券とお引換いたします。
連席をご用意できない場合がございます。予めご了承ください
※本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。
こちらの公演は購入者の氏名及び連絡先を確認した上で販売されます。
※未就学児入場不可
公演に関する問い合わせ先:サンライズプロモーション 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
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