【取材会レポート】大地真央&花總まり W主演コメディ『おかしな二人』待望の再演!

【取材会レポート】大地真央&花總まり W主演コメディ『おかしな二人』待望の再演!

共に宝塚歌劇団からキャリアをスタートした、二大レジェンド女優、大地真央花總まりが初共演(2020年10月日比谷・シアタークリエ)を果たして、大きな話題となったニール・サイモンの最高傑作『おかしな二人』が、2023年4月8日~26日、ところも同じ日比谷・シアタークリエで再演される(4月29日~5月1日宮城・トークネットホール仙台(仙台市民会館)、5月6日~7日富山・富山県民会館、5月11日~14日大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでも上演)。

演劇界きってのコメディエンヌ・大地真央が、敏腕プロデューサーとして活躍しながら、私生活では“無精者”のオリーブ役。
大人気ミュージカル『エリザベート』のタイトルロールを宝塚初演から務める花總まりが、“病的なまでに几帳面”な専業主婦のフローレンス役に扮し、ニール・サイモンが作り出したアパートの一室で、対照的なキャラクターの二人が繰り広げる大騒動を軸に物語が展開する。

オリーブの部屋に集まる女友達に初演に続いて、宮地雅子平田敦子山崎静代に、新キャストの青木さやかが加わり、大人の女子会を展開。
また、芋洗坂係長渡辺大輔が二人をかき乱すスペイン人の兄弟を再び演じて、作品に色濃いアクセントを加えていく。

初演で大好評を博した大地、花總をはじめとするキャスト総出演による、スペシャルカーテンコールの心躍るショーが今回も盛り込まれる予定で、待望の再演に大きな期待が集まっている。

そんな上演を前に1月5日都内でW主演の大地真央と花總まりを囲んだ取材会が開かれ、二人が新たな2023年版『おかしな二人』に臨む意気込みを語ってくれた。

それぞれが自立していく姿が描かれる

──初演で作品のここが素敵だったと思うところを教えてください。

大地 やはりニール・サイモンの戯曲が非常に面白いということがまずありますね。それから八人の出演者のキャラクターがそれぞれとてもユニークで、『おかしな二人』どころか『おかしな八人』という感じのチームワークの良さがありました。70年代のお話なのですが、女子会的なやりとりの中でそれぞれが自立していく姿が描かれますので、ご覧になる方も誰かに自分を置き換えてみたり、当てはめてみたりという形でも楽しんでいただける。それが『おかしな二人』の魅力だったのではないかと思います。

花總 有名な戯曲の女性版ということで、大地さん率いるおかしなメンバーの(笑)チームワークで、一丸となって作っていったので、お客様にもすごく楽しんでいただけたのかなと思います。今回こうして再演でき、メンバーも変わるので、2023年版『おかしな二人』になるように、また新たな面白さをお届けできたらと思っています。本当に台詞がたくさんあるので、もう1回気合を入れて、緊張感と集中力を持って。

大地 三年経ってますからね!

花總 はい!一から頑張っていきたいと思います。

大地さんには大きな愛がある

──それぞれ演じるキャラクターのここが愛おしいなと思うところは?

大地 私が演じるオリーブはキャリアウーマンで、一応敏腕プロデューサーと言う感じなんですけれども、仕事以外のところはどうでもいいみたいな人で、ぐちゃぐちゃの家に平気で住んでいる(笑)。
まあおおらかというか大雑把というか、こだわりがあるところとないところの差が大きくある人です。その中で友達とゲームをしたり話したりすることが1番のリラックスタイムで、そんな汚いところなのに、みんながオリーブの家に集まってきて、なんだか落ち着くという。そういう変な魅力のある(笑)人じゃないかなと思います。

花總 フローレンスは、悪気はないのですが、人から見るとかなりウザいと言いますか(笑)豆台風的な存在で。オリーブの家での同居がはじまるのですが、本当に憎めなくて、ちょっとちゃっかりしているところがあるので、ウザさと愛らしさをうまく同居させたフローレンスが成り立つように、そこを大切にしていきたいです。

──初演が初共演のお二人ですが、お互いの魅力や印象はいかがでしたか?

大地 同じ宝塚歌劇団出身ですが、すごく学年が離れているのに、最初から相性がいいなという感じがあって。しかもコメディが初めてだとおっしゃる割には思いっきりやられるので(笑)、すごく可愛いなと思ったのが1番最初の印象でした。一生懸命さと同時に、体当たりでやっていてね。

花總 (うん、うんとうなづく)

大地「コメディ初めてじゃないでしょう?」という感じでした。

花總 私が何をしても全てを受け止めてくださって、大地さんには本当に大きな愛がありました。毎日お稽古場でも本番でも愛を感じていました。

──初演が三年前ということで、ちょうどコロナ禍で大変な時期の公演でしたが。

大地 もう三年経った?という感じですね。コロナ禍で様々なことが変わった時期で、お稽古でも向き合ってはいけないですとか、ソーシャルディスタンスとかそういう条件の中で、如何に二人のやり取りを面白くするかなど、色々な枷があったんですけれども、結果的にはそれもよかったのかな、と思う仕上がりになったんじゃないかと。ただお客様には大声で笑うのは抑えてください、というような様々なお願いをしなければならなかったのが、本当に申し訳なくて。もっとリラックスして、自由にこの作品の世界に飛びこんでいただきたかったので、この三年で少しは状況が違ってきているかな?と思いますから、マスクのお願いは致しますが、こちらも安全対策を万全にお迎えしますので、是非リラックスして楽しんでいただきたいなと思っています。

花總 前回は「観に行きたいのですが行けないんです」と大勢の方がおっしゃっていらしたので、今回は是非いらしていただきたいなと思います。この三年の間で、色々と制約がある演劇界も「負けないぞ!」という空気のなかで歩んでいるので、お客様にも楽しんでいただきたいです。

──初コメディで客席からの笑いが癖になったりもしましたか?

花總 いえいえ、相変わらず緊張しています。やっぱり三年というかなり長い期間が空いているので、自分のなかでは稽古場でも一から取り組む感覚になると思いますし、初日などはすごく緊張しそうな気がします。

演じていると役に共感していく

──ニール・サイモンの戯曲がまず面白いというお話でしたが、もう少し詳しくお話していただくとすると?

大地 やっぱり台詞の応酬、掛け合いが本当に面白いので、それ素直にやれば既に面白いと思うんです。でもだからこそそれを生かすも殺すも私たちのテンポや間など、そういうものにかかっていて。初演の時にすごくチームワークが良かったので、今回、青木さやかさんが初めて入られますけれども、また絶対に面白くなると思っています。

花總 大地さんがおっしゃった通りで、生かすも殺すも私たちのテンポ感にかかっている、確かにそうだなと思います。あとは、本当にお客様と一緒に作っていく、劇場ならではの良さがありますので、1日1日お客様の雰囲気も変わって来ると思いますから、更に一段アップした作品の良さをその時、その時で作っていけたらいいなと思います。

──正反対に描かれているキャラクターかな?と思いますが、お互いと役柄を比べた時にはどう感じますか?

大地 私はオリーブに似ているところがわりとあるかなと思いますし、(花總を示して)意外とフローレンスに似ているところもあるかな?と思います。もちろん全部ではないですけど「似ているところはあるぞ」みたいな感じです。ただ何しろ初演の時には食事にも一緒に行けませんでしたし、してはいけないことがたくさんありましたから、役としての付き合い方しかできなかったので、プライベートの様子をそこまで知っているわけではないなかで、そうかな?と感じるということです。
特に、稽古場に入ったらその役としているので、なりきりはしないんですけど、役に近い雰囲気になっていくところはあるので。(花總に)でもお掃除はよくするんだよね?

花總 ちゃかちゃか動いてはいます。ですからもし大地さんと共同生活をするとしたら、やっぱり私が細々と動いていそうな気がします。もちろん大地さんが何もしないと言っているわけではなですいが(笑)。

大地 私は仕事に関しては完璧主義とまではいかないものの、グーっと集中して、それ以外は割とどうでもいいんですよ(笑)。そういう意味では、キャリアウーマンのオリーブと似ているかなと。まぁ床までは汚しませんし(笑)、賞味期限も気にするのでオリーブそのままではないですが(笑)。
でも役を演じるとやっぱり役に共感してしまうんですよね、役を自分に引き寄せるというよりは、役に自分が入っていきたいので、自分のなかでオリーブの理解者になろう、なろうとするんです。そうすると「あ、私もこういうところあるし」と思ったりしますね。

──戯曲にテンポや間が大切とおっしゃいましたが、初演で特に印象に残っていることはありますか?

大地 とにかくドンと落ちることなく、グッとあげた良い意味の緊張感を持ってリラックスして自然に出てきている会話のように、という、そのグッと持ち上げている緊張感というものが、テンポであったり間合いになったりするんだと思います。
具体的にどこということではなく、まぁ台詞を忘れているということもあるのですが(笑)、作品全体としてその緊張感が持続することで良かったなという結果になる気がします。

花總 私はとにかくストレートプレイであれだけ膨大な台詞をいただいたのがほぼはじめてだったので、例えば1幕で自分の状況を話すところなどは、本当にテンポ感を大切にしないといけなかったので、とても緊張していました。

大地 本当に台詞が多いよね!

花總 はい、もうとにかくそれが大変だったという記憶が強いです。間違ってはいけないと毎朝ぶつぶつぶつぶつ言っていました。でも結果的にすごく楽しかったですし、また挑戦できることが楽しみです。

より欲を出し、更に面白くしていきたい

──再演でより深めていきたいところはどうですか?

大地 多分お稽古が始まって気づくと言うか、今からここを更にどうしたい、ということではないと思うんです。初演は初演でひとつの完成形であったと思うので。でもせっかく再演させていただくので、より欲を出して、より面白く深く掘り下げていく、という思いで皆さんとやっていきたいです。

花總 再演って結構難しいことがたくさんあるのはわかっているので、あまり意識せずに新鮮に取り組めたらいいなと思っています。メンバーも変わりますし、三年前とは環境も変わってきているので、あまり振り返らずに、今回は今回という気持ちで取り組んでいった方がいいのかなと思います。

──今回富山での公演もありますが、富山に関するエピソードなどありましたらお願い致します。

私はテレビドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ」の撮影のほとんどを岐阜でしていたのですが、東京に戻る時に富山駅からの方が近いということで、富山駅を何度か利用させていただいて、そこの駅弁がすごく美味しくて!

花總 なんという駅弁ですか?

大地 「富山味づくし」っていう、お重が風呂敷に包まれていて、綺麗ですごく美味しいの!でも最後に駅に行った時に売り切れていて!がっかりして、いったん外に出て商店街でお弁当を買ったら、それもとても美味しかったの!だからお弁当の美味しいところというイメージがありますし、駅もすごく綺麗で、撮影のたびに絶対に富山駅から帰りたいと思っていたので、是非とも富山の方々に観に来ていただきたいです。

花總 私は宝塚歌劇団時代に富山公演には行っていますし、このご時世でなかなか行くことができなかった富山にまた行けるのは本当に嬉しいです。いま大地さんのお話を伺って、私も絶対そのお弁当を買おう!と思いました。

大地 でもね、数量限定っぽいよ(笑)。

花總 是非食べたいです!

──大地さんは今年初舞台から50周年ということで、この間輝き続けられる秘訣と、大地さんにとって舞台とは?

大地 周りに言われて、自分も振り返ってみて「あ、50年だ!」という、正直そんな感じなんです。本当にもう私は運が良かったんだなと思いますし、今まで携わってくださった方々のおかげだと改めて思いますね。50年経ったからといって「だからなんなんだ?」という感じではあるんですけけれども、まあおめでたいんでしょうね(笑)。
でもこれからも変わらずにいくのかな?と。私にとって舞台とはと言えば、私(のキャリア)は宝塚という舞台から始まっているので、映像もすごく面白いのですが、やっぱり私の基本は舞台かな、猫と一緒で切り離せないものなのかな?と思います。ですから自然がいいんだろうとも思いますが、ただ、一つひとつのお仕事に真摯に向き合ってきたという自負はあります。
それがたまたま繋がっていった。絶対に前にやった作品よりも、次の作品を良いものにしたい。ライバルは自分のひとつ前の作品という、そういう意識で「これが1番面白い」と言われたいと思い、何よりも好きだからやってきた、一つひとつ大事にやってきただけなんです。だから50年ってびっくりです。

──その年月大地さんを惹きつけた舞台の魅力は?

大地 ライブ感ですね。同じことは二度とできませんし、ご覧になる方も人間ですし、やっている側も、スタッフも全員が人間だからこそのライブ感です。

──では、是非花總さんからも、舞台とは?を教えてください。

花總 もちろん楽しいこともありますが、辛いことも何倍もあるんです。

大地 身を削るよね。

花總 そうなんです。自分でどうしてこんなに辛いことをやっているんだろうと思うことも、正直言ってあります。でもじゃあなんでやめないでやっているんだろう、これは何なんだろうと思うと、まだまだそれこそ私なんて大地さんに比べたら全然経験も浅いので、10年後、20年後、或いはもっと先に「自分にとっての舞台ってもしかしたらこういうものだったのかな?」と、何か言葉がみつかるのかなと思います。いつか私にとって舞台ってこれだったんだ、と言えるような年の重ね方や、経験を積んでいけたらいいなと思います。まだまだ中途半端なので。

大地 いやいや、そんなことない!

花總 いえ、定まらないんです。「こうなのかな?」と思うと、また「こうなのかな?」とも思うと言うのか、自分にとって舞台とは何かが定まらない、定められないんですね。ですからまだ途中という気持ちがします。ただ、今日も頑張ってよかったと思えるのは、やっぱりお客様の拍手だったり、お手紙やコメントなどで、自分の想像以上の言葉をかけていただけた時です。自分の舞台が人にこんな風に思っていただけるんだと思えた時には、そう思えますね。

──では最後に改めて、この舞台を楽しみにされているお客様へメッセージをお願いします。

大地 ニール・サイモンの代表作と言える『おかしな二人』の再演ということで、更に面白くなると思います。いえ、絶対面白くなります。70 年代のニューヨークの、おかしな私の部屋に是非遊びに来てください。サンドウィッチを作って待っています。ちょっと散らかっていますが…。

花總 ニール・サイモンの戯曲で、現代にも通じる上質なユーモアを、お客様に楽しんでいただける作品です。スペシャルカーテンコールを含め一生懸命努めますのでどうぞお楽しみくださいませ。劇場でお待ちしております。

(取材・文/橘涼香)

『おかしな二人』

作:ニール・サイモン
リステージ:長町多寿子
出演
大地真央、花總まり、
青木さやか、宮地雅子、平田敦子、山崎静代(南海キャンディーズ)、
渡辺大輔、芋洗坂係長
公演期間:2023年4月8日~26日 日比谷・シアタークリエ
シアタークリエ公演チケット:一般発売 2023年1月28日

全国ツアー
4月29日~5月1日宮城・トークネットホール仙台(仙台市民会館)
5月6日~7日富山・富山県民会館
5月11日~14日大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

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