多くの待望の声を受けてこの夏も全国へ。感動の翼が空を舞う。 未来からの放送に、若者たちは何を思ったか――

 1945年8月、鹿児島。終戦直前の特攻基地で出撃を待つ若者たちの耳に、ラジオを通して未来からの放送が届く。それによれば、自分たちが向かい合っている戦争に日本が敗けたという。果たして本当なのか……様々な思いがぶつかり葛藤が生じていく。そのストーリーは観客に大きな感動を与え、初演から27年経った現在も、全国規模での上演を続けている。
 物語の中心となるのは特攻隊員の坂本光太郎と、坂本の機体を整備する整備兵の中原正人。坂本役は村井飛斗。今回で劇団員として3度目の出演だ。

村井「3回目となると“慣れ”が出てくると思うので、うまく付き合いながら、甘えることなく毎回新鮮な気持ちで舞台に立ちたいです。でもやっぱり大変ですね。人を引っ張っていくという立場、座長という立場でもあり、普段の自分とはかけ離れたことをやっていますから」

 中原を演じる日高友喜は、昨年俳優活動を始めたばかり。元警察官という経歴を持ち、一念発起して上京したという。

日高「上京したものの、ツテもアテも知り合いも……家もなかったので(笑)。自分でできることを考えた結果、毎日ライブ配信をやりました。それを劇団の方に見つけていただいて今があります。何でも自分で経験してみたいという気持ちがあって、最初は本当に何も分からず、何か1つでも知識がないと戦っていけないと思ったので事務所にも所属しましたが、今はアトリエッジメンバーとしてガムシャラに頑張っています」

 この作品で鍵になるのは“ラジオ”の存在。世代的に2人はラジオから距離があるかも知れないが、もしも自分の声が過去に届くなら、何を語るのだろう。

村井「ラジオから未来や過去の声が聞こえてくるっていうのはSFっぽいというか、歴史のロマンを感じますね。僕の声が過去に届くとしたら、感謝の気持ちでしょう。英霊の皆さんがいらしたからこそ、僕たちがこうして好きなことができる。本当にありがたいと思います」

日高「ラジオに触れるのは家族で行くドライブの車内くらいですが、熱を出して寝込んだときにテレビを観るのも辛くて、ラジオを聞いていたことがあって、ラジオならではの力を感じました。そして僕も感謝を伝えたいです。そして『靖国神社はきれいに整っていますよ』ということも。皆さん大切なものを護る意識で出撃したと思いますから」

(取材・文:渡部晋也 撮影:間野真由美)

プロフィール

村井飛斗(むらい・たかと)
愛知県出身。高校卒業後、演劇の専門学校に進み、その後文学座養成所で研鑽を積む。演劇集団アトリエッジ作品は、『ちはやぶる神の国 ~異聞・本能寺の変~』などに出演。『THE LAND OF THE RISING SUN』ではフランス・エジプト・スリランカ・ネパールの公演にも、アトリエッジの海外遠征チームSAMURISINGメンバーとして参加。その他、テレビや映画作品にも出演。映画『あかねさす海』では、メインキャストの海軍少尉・戸澤一役で出演。

日高友喜(ひだか・ゆうき)
愛知県出身。愛知県警の警察官(機動隊経験も有り)として勤務後、一般企業に就職するものの、夢を捨てきれず俳優の道へ。上京してライブ配信を重ね、オーディションを経て『流れる雲よ』の準主役に抜擢される。

公演情報

特攻隊ミュージカル
『流れる雲よ ~令和八年より愛を込めて~』

日:2026年8月26日(水)~9月6日(日)
  ※他、地方公演あり
場:シアターサンモール
料:S指定席12,000円 自由席9,000円
  ※他、VIP指定席あり。詳細は下記HPにて(税込)
HP:https://nagarerukumoyo.com
問:演劇集団アトリエッジ tel.03-5385-1000

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