まるでお芝居を観ているような、そんな“ドラマ”を感じるシャンソンを歌いたい シャンソンを心から愛する安奈淳が語るシャンソンの魅力

 今年もまた『パリ祭』の季節がやって来る。シャンソンを歌う歌手たちが勢揃いするコンサートで、今年64回目の開催となる老舗の音楽イベントだ。

 そんなシャンソンの祭典に参加するのは、シャンソンを心から愛する安奈淳だ。彼女とシャンソンとの出逢いは、男役スターとして活躍した宝塚歌劇団時代に遡る。

 「初舞台から何年か経った頃、『LOVE! LOVE! LOVE!』というショーに抜擢されたんです。そこでソロ歌手としてシャルル・アズナヴールの『レスト』を歌ったのが、シャンソンとの出逢いでした」

 その後、宝塚でもシャンソンを学ぶようになったという。

 「深緑夏代先生に教わっていました。もう授業だけでなく、東京のご自宅にもレッスンに伺って。だから公演とは関係なく、シャンソンとはつかず離れず、ずっと稽古をしていました。やはりアズナヴールが一番好きですね。ジルベール・ベコーも好きで、来日公演があると観に行きました」

 宝塚退団後は、舞台やドラマなどに活躍の場を広げた。一時期は病により活動停止を余儀なくされたが、復帰するきっかけもまたシャンソンだった。

 「ジャック・ブレルの作品を歌い継ぐコンサートでした。それがブレルとの出逢いで、声もですが、その個性にとても惹かれ、すごく好きになってしまいました。
 50歳を前に早世したブレルはフランスで活躍しましたが、生まれはベルギーのブリュッセルなんです。彼がどこで生まれ、どんな土地で育ったかを知りたくなり、同じ空気に浸るためにブリュッセルまで行きました。ブリュッセルにはジャック・ブレル記念館があって、そこで全身でブレルを浴びてきました」

 安奈にとって、シャンソンの魅力はどのあたりにあるのか。

 「シャンソンは特別なものではありません。日本なら演歌、ポルトガルならファドとか。どんな音楽も一緒だと思うんです。私が歌うシャンソンは、魅せるシャンソンといったところかしら。聴いてくださった方が、そこにドラマのような、小さな世界やお芝居を観ているような感じで聴いてくださる。それが一番の目的ですね。だからドラマチックな歌が好きなんです」

 ドラマを織り込んだ安奈淳のシャンソン。今から楽しみだ。

(取材・文:渡部晋也 撮影:Tomoko Hidaki)

プロフィール

安奈 淳(あんな・じゅん)
大阪府出身。1965年、宝塚歌劇団に51期生として入団。1970年、星組男役トップスターに就任。その後、花組に組替え。1975年、『ベルサイユのばら』で演じたオスカルが大きな当たり役となり、第1期“ベルばら” ブームを築く。1978年、宝塚を退団。退団後は、ミュージカル『南太平洋』、『屋根の上のバイオリン弾き』、『レ・ミゼラブル』などの舞台やドラマに出演。2014年、宝塚歌劇団創立100周年に創設された「宝塚歌劇の殿堂」最初の100人の1人として殿堂入り。

公演情報

シャンソンの祭典 第64回 パリ祭

日:2026年7月22日(水)・23日(木)
  ※他、地方公演あり
場:文京シビックホール 大ホール
料:S席12,000円 A席8,000円 B席5,000円
  学生席[25歳以下]1,000円
  ※要学生証提示(全席指定・税込)
HP:http://www.paris-sai.com
問:パリ祭実行委員会 tel.03-6416-4858

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