“リスペクト”と“挑戦”の両輪をもって挑む、命を削って書かれた台詞 話題の「KERA CROSS」第7弾は、KERAの半自伝的戯曲

 ケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲を才気あふれる演出家たちが新たに作り上げる連続上演企画「KERA CROSS」。第7弾となる今回、演出にマギーを迎え、KERA本人が半自伝的戯曲であると公言する『シャープさんフラットさん』の上演が決定した。実は2008年の初演に客演として参加したマギー。かつての出演者が、出演した作品の演出を務めるのはKERA CROSSにおいて初めてのことだという。

マギー「KERAさんは、稽古場で役者を見ながら書き進めていくタイプ。当時の“一筆書きで書いた勢い”みたいな良さは変えちゃいけないなって。でもやっぱり時が経って、あの時のKERAさんより年上になった自分がいて、台本も最後までできているわけだから、ある種の分析的な目で台本を捉え直して、この台本が求めている最上の形にしたいですね」

 物語の舞台はバブル経済が崩壊へ向かい始める1990年代初頭。笑いを作ることに人生を賭ける劇作家・辻煙(つじけむり)は、あるトラブルをきっかけにサナトリウムへ逃げ込む。そこで、煙の恋人・美果を始め、様々な人たちとのやり取りを通して、悲劇を喜劇に変換して生きてきた煙の生き様が浮かび上がってくる……。主人公の辻煙を演じるのは、KERA作品初挑戦の柄本時生。マギー曰く「光の当たり方で色んな色を見せてくれる」唯一無二の存在感と、「悩むことを含めて稽古が好き」という芝居への思いで、作品の屋台骨を担う。

柄本「人が書いたものを別の人が演出して、それをみんなでこういうことなんじゃないかって想像して作っていく。そういう作業が僕はすごく好きで。今回参加できることがとても嬉しいです」

 そして美果を演じるのは、15年ぶりの舞台出演となる高梨臨。「今回逃したら一生やらないかもしれない、挑戦するタイミングだと思った」とのこと。

高梨「舞台からすごく縁遠い人間だったので、だからこそノープレッシャーというか、本当に新人のような気持ちです。久しぶりの舞台、全力でやらせていただきます!」

 他にも、安達祐実、田中俊介、トリンドル玲奈、マキタスポーツ、堀部圭亮、そして初演にも出演した松永玲子と、多彩な顔ぶれが揃った。18年前、自らの命を、魂を削るように紡いだKERAの言葉たちが、新たなメンバーの心身を通して客席にどう届くのか、期待が高まる。

(文:前田有貴 撮影:敷地沙織(平賀スクエア))

プロフィール

マギー
1972年5月12日生まれ、兵庫県出身。1993年にお笑い集団「ジョビジョバ」を結成し、人気を博す。2002年に活動停止するが、2014年に再始動、コントライブを不定期に開催。現在、俳優・脚本家・演出家として、幅広く活躍中。

柄本時生(えもと・ときお)
1989年10月17日生まれ、東京都出身。2003年に俳優デビュー以来、名バイプレーヤーとしてテレビ・映画・舞台に引っ張りだこ。父の明、兄の佑も俳優で、佑とは演劇ユニット「ET×2」を結成しともに活動している。

高梨 臨(たかなし・りん)
1988年12月17日生まれ、千葉県出身。2007年より俳優として活動を始め、映画・ドラマを中心に活躍。代表作に、映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』、NHK 連続テレビ小説『花子とアン』、ドラマ『恋がヘタでも生きてます』など。

公演情報

KERA CROSS 第7弾
『シャープさんフラットさん』

日:2026年6月19日(金)〜7月5日(日)
  ※他、愛知・大阪公演あり
場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
料:平日昼・土日公演9,900円 平日夜割9,400円
  U-25チケット[25歳以下]4,800円
  ※要身分証明書提示
  ※他、中高生割引チケットあり。詳細は下記HPにて(全席指定・税込)
HP:https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/keracross_7
問:キューブ tel.03-5485-2252(平日12:00〜17:00)

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