品川プリンスホテル クラブeXが4月より人気少女漫画『美少女戦士セーラームーン』の体験型専用シアターとして新たにオープンした。2019年に営業された「美少女戦士セーラームーン ーSHINING MOON TOKYO ー」を引き継ぐ形で誕生し、完全新作のストーリーによるステージのほか、キャストによるグリーティングやオリジナルドリンクなど特別な体験を楽しむことができる。
構成・演出の植木豪、脚本の亀田真二郎という『ヒプノシスマイク ーDivision Rap Battle ー』Rule the Stage シリーズや舞台「サイボーグ009」など数々の人気2.5次元ミュージカルでタッグを組んできた2人が、初めて少女漫画を原作とした作品に挑む。
植木「脚本の担当者を決める際、誰もが知る作品だけどオリジナルのストーリーで、しかも1時間弱という短い上演時間の中、数多くのキャラクターを出演させて、ダンスやパフォーマンスを入れながらも感動させつつ、全スタッフが実力を発揮できる脚本を書けるのは、亀田さんしかいないと思って声を掛けました。僕の強みも弱みも全部知っているのも理由の1つですね。最初に台本をいただいた時、まるで好きな漫画の最新刊が出たような感覚になって、実際に読み始めたら、本当に面白過ぎて。30分ぐらいで一気読みしてから、すぐに『めっちゃ面白かったです!』と報告しました(笑)」
亀田「もちろん作品のことは知っていますが、小さい頃に少女漫画を通ってこなかったこともあって、作品の細かい部分までは把握していなかったので、最初にお話をいただいた時は『はたして僕が書いていいのだろうか』と思ったんですけど、世界的に有名な少女漫画の舞台を豪さんと一緒に作れるんだと思って引き受けました。実は原作ベースのお話にする案も出たんですけど、1時間弱という短さだと原作の良さを引き出せないまま終わってしまうと思って、オリジナルで進めることになりました。作品の世界観を理解するために、まずは原作の漫画を徹底的に読むことから始めて、僕なりに思った『美少女戦士セーラームーン』らしさを作品の中に散りばめたところに拘ったのと、最新の映像を駆使する豪さんの演出が活かされる脚本をと思って書きました」
これまで2人が何度も関わってきたクラブeXを専用劇場とすることを最初に聞いた時は、2人とも驚いたそう。
植木「専用劇場になるということで、言ったらどこまででもできるじゃないですか。だからこそ、どこに何をするかというのを本当に考えなければと思ったんですけど、セーラー戦士があれだけ色鮮やかで、しかも人数がたくさんいるので、その部分が活かされるような専用劇場になったらいいなと思いました」
亀田「本当にビックリしました。自分が書いた脚本の作品が、専用劇場で上演されるというのは光栄だと思いましたし、まずはその規模に驚かされました」
取材した日は開幕前のプレビュー公演。観劇した2人に感想を聞いた。
亀田「僕のイメージを超えた『美少女戦士セーラームーン』になっていて、とても嬉しかったです」
植木「みんないきいきしていましたね。ロングラン公演なので毎日頑張らなきゃいけませんが、ここからセーラー戦士として生きていくんだなというのを感じました」
本作ではTeam Gold Moon とTeam Silver Moonの2チームで上演される。それぞれの特徴を伺ってみた。
亀田「Gold は“力強く美しいパフォーマンス”、Silverは“明るさと溢れる芝居心”にそれぞれ特化しているイメージ。全く同じ台本でも全然違う印象なので、是非両チームの公演を観ていただきたいです」
共にリスペクトし、阿吽の呼吸がピッタリの2人と思いきや、感動する部分は微妙に違うそうで。
植木「例えば、キャストの良さを見る視点も違うんですよ。そのことで脚本を書いた亀田さんのイメージとパフォーマンスを作った僕のビジョンが上手い具合に混ざるところが面白いんです」
亀田「逆にダメな部分や面白くない部分というのは絶対に合うんです(笑)。ただ、カッコよさや面白さのベクトルはお互い同じ方向を向いている感じはするので、豪さんと一緒に作品を作って心地いいなといつも思いながらやっています」
取材時点で7月までの上演スケジュールが発表されているが、8月以降も上演予定。超がつくほどのロングラン公演だからこそ、一度だけでなく何度も観劇して欲しいと2人は口を揃える。
亀田「いつも豪さんの演出作品を観ると、本当に目がいくつあっても足りなくなるくらい、素敵な瞬間が多すぎて、1回観劇しただけでは絶対に堪能しきれません。まず1回目は普通に観劇していただいて、2回目以降は自分の好きなキャラクターたちやValusia Codeという名称で出演されている素敵なダンサーさんに焦点を当てて観て欲しいですし、映像や照明の細部までこだわって作られているので、両チームの公演を何回も観劇して、“豪さんの細かすぎるこだわり”に気づいていただきたいです」
植木「稽古開始してから、彼女たちはめちゃくちゃ成長しました。技術的にはいい意味でまだ発展途上ですけど、これからいくらでも伸びしろがある子たちばかりです。きっと彼女たちは、この振り付けや歌が世界一上手くなっていくと思うんですよね。個性豊かで素敵な彼女たちの成長を一緒に応援してもらいたいなと思うし、ショーの後はお見送りや写真撮影などのグリーティングもあるので、推しを見つけていただいて、ライブパートでは写真や動画の撮影が可能なので、どんどん撮っていただいてSNSにUPしてくれたら嬉しいです」
最後に本公演への想いを語ってくれた。
植木「見どころは生のパフォーマンスです。『美少女戦士セーラームーン』が登場する前は、女性が強いというイメージを持つ作品は少なかったかもしれませんが、時代を先取った形で(原作の)武内直子先生が強い女性を描かれて、それがやっと今、時代が追いついたと思うんです。きっと女性たちはこのショーを観てパワーをもらえると思うし、男性も彼女たちのパフォーマンスに憧れや力強さを感じて、観ていて熱くなるんじゃないかと思います。それと、『美少女戦士セーラームーン』を観てなかった方が、原作漫画を読み返してくれたら嬉しいですね」
亀田「脚本的なことを言うと、現代において“AI”が社会問題になっていて、今回の敵がまさに“AI”になるんです。でも、個人的には『人間って素晴らしいよね』というテーマで描いたつもりで、本作を通して、このテーマをお客様が感じてくれたら嬉しいですし、観劇を終えた後、自分の家族や友達、恋人などにちょっとでも優しくできたらいいなと思っています」
(取材・文:冨岡弘行 撮影:平賀正明)
※誌面に掲載の内容に、訂正前の発言がございます。正しくは本ページの内容となります。
プロフィール
植木 豪(うえき・ごう)
1975年12月15日生まれ、福岡県出身。歌手・ダンサー・俳優・演出家。ボーカルダンスグループ「PaniCrew」メインボーカル。主な演出作に、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageシリーズ、『進撃の巨人』-the Musical-、「サイボーグ009」シリーズなど。
亀田真二郎(かめだ・しんじろう)
1980年3月30日生まれ、埼玉県出身。脚本家・演出家。主な脚本作に、MANKAI S TAGE『A3!』シリーズ、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stageシリーズ、「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE など。
公演情報
『美少女戦士セーラームーン -Shining Theater Shinagawa Tokyo-』
日:公演中
場:品川プリンスホテル Club eX
料:Premium seat18,000円 Class S seat13,000円 Class A seat8,000円 ※他、各席種あり。詳細は下記HPにて(全席指定・税込)
HP:https://prettyguardiansailormoon-stst.com 問:公式HP内よりお問合せください