オーケストラに豪華ゲストやクワイヤーを加え圧倒的な歌でつづるコンサート 演奏スタイルにとらわれない八神純子が魅了する夏と秋

 シンガーにとってオーケストラコンサートは特別であることは間違いないだろう。そして、その透き通る歌声でニューミュージック全盛期を牽引した八神純子には、さらに特別な意味があるという。

 「プロデビュー前に初めての大舞台でオーケストラをバックに歌って、その感動が忘れられないんです。だから私にとってオーケストラとのコンサートは、ずっと憧れを持ち続け、挑戦したいスタイルです。バンドとオーケストラでは、私の気持ちも歌い方も違います。私自身が指揮者やオーケストラと一緒に、うねりを作り出す気持ちがないと、オーケストラのダイナミックさを生かせないと思っています。すごく緊張しますが、緊張を喜びに変えて歌っています」

 ステージを共にするのは、色彩豊かな音作りで知られる、ピアニスト・岩城直也が率いるNaoya Iwaki Pops Orchestra(NIPO)だ。

 「岩城さんの魅力は、ものすごいアレンジ力ですね。NIPOのみなさんとは何度も共演していますが、18名の若い弦楽器奏者たちが生み出す、まるでバネがしなるような感覚。それがすごく好きです」

 さらに特別ゲストとして、ピアニスト・塩谷哲を招いた。

 「塩谷さんは上手いだけでなく、私の歌を本当によく理解して奏でてくれて、活かしてくれます。塩谷さんとの共演は大切な機会です。彼との出逢いは東日本大震災後に企画されたチャリティーのステージでした。舞台袖で聴いていたのですが、素晴らしいピアノだったので、『いつか一緒にお仕事をさせてもらえますか』と声を掛けました。
 岩城さんも塩谷さんに憧れているそうで、以前塩谷さんが自分のピアノを手放すと公表したときに、岩城さんがそれを競り落としたくらいです」

 これだけの豪華メンバーに加えて、100名規模のクワイヤー(合唱)が参加する予定だ。

 「2021年に出した『TERRA here we will stay』という曲に、どうしてもクワイヤーを入れたいと思っていたのです。なかなか実現できる話ではないですが、塩谷さんが教鞭を執っている国立音楽大学の学生さんたちにお願いしました。私の祈りを一緒に声にしてもらえる機会になりますね」

 なんとも豪勢なステージだ。

そして10月31日、11月1日には、八神が「歌いたい歌を歌いたいだけ歌う」ライブ『ヤガ祭り』の8回目の開催が決定している。異なるスタイルのステージを夏と秋、2度にわたって楽しめるというなんとも贅沢な半年間になりそうだ。

(取材・文:渡部晋也 撮影:間野真由美)

プロフィール

八神純子(やがみ・じゅんこ)
愛知県生まれ。3歳からピアノを始め、音楽に親しんで育つ。1974年、「第8回ヤマハポピュラーソングコンテスト」、「第5回世界歌謡祭」に出場。1976年、「第17回チリ国際音楽祭」にて、6位入賞を果たす。1978年にリリースした「みずいろの雨」が大ヒットし、その後も「ポーラー・スター」、「パープルタウン 〜You Oughta Know By Now 〜」とヒット曲をリリース。その後、アメリカ・ロサンゼルスに移り、子育てなどで一時活動を休止するも、2011年に活動を再開。2022年、優れた女性ソングライターに贈られる「女性ソングライターの殿堂(Women Song writers Hall of Fame)」を日本人で初めて授賞。最新アルバムは2024年にリリースした「TERRA – here we will stay Premium」。

公演情報

八神純子シンフォニックコンサート Season of Songs and Strings~翠緑

日:2026年7月19日(日)14:00開演(13:00開場)
場:サントリーホール 大ホール
料:11,000円(全席指定・税込)
HP:https://classics-festival.com
問:DISK GARAGE https://info.diskgarage.com

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