音楽座、挑戦の年に贈るのは『マドモアゼル・モーツァルト』 オーディションで選ばれた主役 モーツァルトで18年ぶりの再演に挑む

音楽座、挑戦の年に贈るのは『マドモアゼル・モーツァルト』 オーディションで選ばれた主役 モーツァルトで18年ぶりの再演に挑む

 “もしもモーツァルトが女性だったら?” そんな発想から生まれた福山庸治の漫画を原作に、音楽座ミュージカルが創った『マドモアゼル・モーツァルト』。初演は1991年、その後も度々再演されてきた代表的なレパートリーだ。代表の相川タローが「新しいフェーズに入る度に選んできた作品」というほど、音楽座ミュージカルにとって大切な意味合いを持っている作品が、18年振りに再演される。初演当時、音楽に小室哲哉が参加したことも話題になったが、さらに今作のために新曲を用意したという。キャストは、カンパニー内の俳優からオーディションで選ばれ、昨年の『リトルプリンス』で活躍した岡崎かのんがモーツァルト役、森彩香はコンスタンツェ役を務める。2人に、今の気持ちや抱負を聞いてみた。


―――18年振りの再演ということは、おふたりとも初めて取り組む作品だと思います。ご自身にとってどんな作品でしょう。

岡崎「『マドモアゼル・モーツァルト』は入団した当初から気になる作品の1つとして、自分の頭の中に残っていました」

森「入団した後にコンサートや稽古場で、メインの楽曲をカンパニーメンバーが歌うのを聴いて親しんでました。だから作品より前に楽曲に触れていたんです」

―――それでは主役候補として決まった現在、抱負を教えてください。

岡崎「代表から、『2026年は音楽座ミュージカルがカンパニーとして挑戦する年にしよう』という話がありました。今までもそんな心づもりでやってきましたが、カンパニーの存続や発展を考えると、自分自身この1作をなにかを飛び越えるパワーを持った作品にする、という決意と想いで溢れています」

森「私はこの作品に、スタートとエンドがつながっているような印象を持っています。2026年、器を大きくドシッと構えて、世の中に躊躇なく飛び出していく。そんな覚悟の作品だと思って挑みたいと思います」

―――「挑戦の年」という相川代表の言葉もありましたが、その後には新作も控えているようですね。大きな発展を期待します。ところで『マドモアゼル・モーツァルト』は“モーツァルトが女性だったら?”という発想から物語が始まりますね。あまりにも天才なのだけど、当時は女性であると世に出られないから父親が男性として育てようとする。今考えるととんでもない押しつけですが、もしご自身がモーツァルトの立場だったとしたらどう思うでしょう。

岡崎「どうなんでしょう。子供だから訳が分からないかもしれません。でも子供の頃は、大人の言ってる世界が全てみたいなところがあると思うので、自由に楽器を弾くための選択肢がそれなのであれば、その瞬間は疑わないんだろうなとも思います。私ならそう思いそうですね」

森「多分、疑問には思わないでしょうね。世の中もそうですよね。私達には、あまり考えずに当たり前にやってしまっていることがある。つい世の流れの中に乗ってしまう自分っていうのが、このモーツァルトに象徴されているんじゃないかな、とすごく思います」

―――おふたりはクラシックやモーツァルトの作品がお好きですか?

岡崎「私は音楽の中でもクラシックが一番好きなんです。一番好きな作曲家はモーツァルトではないのですが(笑)。でも子どもの頃から聴いていました。母も好きで、『のだめカンタービレ』のアルバムが家の中でずっとかかっていて、それに親しんでいました。だからモーツァルトの楽曲はすごく聴いていました」

森「私はそれほど詳しくないですが、小さい頃にヴァイオリンとピアノを習っていて、やっぱりクラシックから入りました。結局なにも身につかなかったタイプなんですけどね(笑)。でも曲だけはすごく自分の体の中に残っています。あと、今でも名前と作品を残している人の人生ってどんなものなのか、何を考えて生きていたのか、どんな葛藤をしていたのか。作品よりもその生き様にすごく興味があります。同じアーティスト、クリエイターとして、どんな人生だったのか思いを馳せますね」

―――この作品は『リトルプリンス』に引き続き、振付にKAORIaliveさんが参加されています。お互いにだいぶ慣れてきたというか、気心が知れてきたのではないでしょうか。

森「確かに先生とは、もう長いことお付き合いさせていただいている感覚があります。今回も振付が始まっていますが、そのスピードがとても速いんです。例えば今回“精霊”という役があるのですが、その一人ひとりに名前と役割があり、振りがみんな違うんですよ。だからそれぞれに任されるミッションが大きくて、覚えることも多くてすごく大変なんです。集中力と自分を律する気持ちがないと次に進みませんね」

岡崎「『リトルプリンス』とは違う、先生の新たな一面、全く別のものが来たなという感覚があって嬉しいです。先生が音楽座ミュージカルのことを理解して創ってくださっていることを身に染みて感じています。信頼感がありますね。先生が創る世界観を私たちがちゃんと再現できたら、本当に面白いものになるんじゃないかなという期待がすごくあるんです。でも結構大変で苦しんでもいますけれど(笑)」

―――それでは観客、読者に向けたメッセージを頂けますか。

森「自分自身が何者なのかを考え、答えをだそうとするのは当然のことだと思いますが、その中で自分を見失わず、この世界でどれだけ思い切り生きられるかについて思いを馳せる。この作品で、そんな時間を受け取っていただけたらなと思っています」

岡崎「誰しも人生の背景にはいろんな出来事を背負っていますが、それを悲観せず希望に捉えていくべきだと思うんです。幕が引けた後、お客様の心に少しでも光が差す作品にしたいと私は思っているので、ぜひこの作品を、そして音楽座ミュージカルを観て頂きたいと思います」

(取材・文:渡部晋也 撮影:間野真由美)

プラス
5/30は「国際ポテト・デー」! 好きなポテトの調理法を教えてください。
(ハッシュド・マッシュ・フライ・芋煮など)

森 彩香さん
「好きなポテトの調理法は、2つあります。まず1つはお味噌汁の具材としていただくこと。海藻類と煮込むと独特のトロミがでて本当に美味しい。
あとは韓国映画から影響を受けて、ただ蒸したジャガイモを皮ごと丸かじりすること。サバイバルな感覚でいただけて、これもだいすきです!」

岡崎かのんさん
「好きな調理法は、シンプルなローストポテトです。
外はカリッとして、中はほくほく、口に入れた瞬間に満たされる安心感が大好きです。
普段から素朴な味付けが好きなこともあり、どの国やお店で食べても素材そのものを楽しめる安心感があるので、迷ったときにはつい選んでしまう、私の“安心メニュー”です!」

プロフィール

森 彩香(もり・さやか)
広島県出身。大阪芸術大学舞台芸術学科卒業。2016年4月に入団。『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』里美役で初舞台を踏み、『リトルプリンス』王子役、『グッバイマイダーリン★』ねずみの奥さん役と続けて主役に抜擢、大胆な演技とのびやかな歌声が注目を集め主要な役で出演している。さらに声優としても活躍し、海外ドラマ『クリミナル・マインド/ FBI vs. 異常犯罪:エボリューション』ハーロー役の吹き替えを担当。その他アプリゲームなどでも声の出演を担当している。

岡崎かのん(おかざき・かのん)
東京都出身。子どもの頃からミュージカルに魅せられ、将来ミュージカルに関わることを目標にバレエやダンスを学ぶ。高校時代はダンスなどのレッスンを優先するため、全日制から通信制高校に転校。在学中に音楽座ミュージカルに参加し、2019年『SO-KATSU』で初舞台。その後、『7dolls』、『ラブ・レター』、『ホーム』などで主演を務める。2025年の『リトルプリンス』ではヒロインの花役を好演した。

公演情報

音楽座ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』

日:2026年7月24日(金)〜26日(日)
  ※他、地方公演あり 
場:IMM THEATER
料:SP席15,400円 SS席13,200円 S席12,100円 A席7,700円
  ※他、U-25席あり。詳細は下記HPにて(全席指定・税込)
HP:https://ongakuza-musical.com
問:音楽座ミュージカル tel.0120-503-404

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