零戦がテーマの「ゼロシリーズ」最新作は、幕末物とマッシュアップ! 零戦の若者たちが高杉晋作と出会う? 身体だけで見せ切るシリーズの到達点

零戦がテーマの「ゼロシリーズ」最新作は、幕末物とマッシュアップ! 零戦の若者たちが高杉晋作と出会う? 身体だけで見せ切るシリーズの到達点

 劇団ひまわりのプロダクション部門「ブルーシャトル」が企画する「ブルーシャトルプロデュース(BSP)」。戦国時代の武将や新選組など、歴史的な題材を元にした身体性の高い作品に挑戦し続けている彼らが、零戦をテーマにした人気シリーズ「ゼロシリーズ」の最新作『Blue Zero』を上演する。今回出演する松田大輝、鐘ヶ江洸、石田直也、梅林亮太、原田賢治に話を聞いた。


 2012年の舞台『ゼロ』から始まり、その後4本の作品が発表されたゼロシリーズ。日本生まれの戦闘機「零戦」にまつわる様々な逸話を、俳優たちが時に零戦、時に飛行兵、時に周囲の風景までも身体1つで表現して見せる舞台。さらにワクワク感がありつつも、戦争と平和について考えさせるという内容で、BSPの作品群の中でも高い人気を誇っている。

鐘ヶ江「僕が初めて舞台に立ったのが『ゼロ』。あの頃はまだ“2.5次元”って言葉が出始めたぐらいで、本当に珍しい舞台だったと思います。プロとしての初舞台で、右も左もわからなかったんですけど、先輩たちにいろいろ教えてもらった思い出があります。ずっと自分の根幹にある作品です」

原田「ゼロシリーズは、僕がBSPを大好きになったきっかけ。舞台自体は子役の頃から出ていたんですけど、無尽蔵の熱量と、繊細な美しさに感動して、『人間はこんなことができるんだ』って思いました。でも今実際に自分が演じてみると、ずっと(舞台袖に)はけずに何かしているので、想像した以上に大変です(笑)」

 今回の『Blue Zero』は、BSPの中でやはり人気の高い幕末物とマッシュアップ。高杉晋作や近藤勇たちが、太平洋戦争時の日本にタイムスリップし、飛行兵たちとともに祖国を守る戦いに臨んでいく

梅林「BSPでは歴史物をやることが結構多くて、太平洋戦争や新選組とか、いろんな戦いをやってきました。その中でも零戦の時代は、一番現代人に近い戦争体験。『こんな戦いがあったんだよ』というのを、メッセージとして一番届けやすい世界なのかなと思います」

石田「昔あったことを、じゃあ今にどう生かすか?ということが、特にゼロシリーズにはこもってますよね。戦争もののドラマって、昔ほど作られなくなった気がするんですけど、これから戦争を起こさないためにも『こういうことがあった』という歴史は、知っておく方がいいと思うんです。単純に作品として楽しんでもらいつつ、いろんなことを考えるきっかけになればと思います」

 近年はプロジェクション・マッピングなどで、風景をリアルに見せるような演出が増えた。そんな中、俳優たちが小道具すら一切使わずに1人何役もこなし、マイムやダンスで様々な風景を想像させるゼロシリーズは、俳優および集団のパワーを、ダイレクトに感じられるのが魅力だ。

松田「ゼロシリーズを演じる面白さは、だんだんキャラクターの境目がなくなってくること。各々の人物や、戦闘機や、海や風などを演じ分けるうちに、その境目がどんどんなくなって、もう『全部演じてる』って感じになるんです」

(全員が同意したようにうなずく)

松田「その気持ちが一斉にバーン! と出た時の一体感は、本当にすごい。そのためには、それぞれの役を切り分けて考えないこと。今回初めて出る人たちも、早くその域にたどり着いてほしいです(笑)」

 ちなみに飛行機がテーマということで「2026年に飛んでいきたい所」というのも全員に聞いてみた。

鐘ヶ江「今年と来年は、海外にバンバン行こうと思ってます。今はLAに行くことを決めてて、ダンスとかヒップホップカルチャーに触れたいです」

石田「行ったことない所に行きたいですよね。今浮かんだのはベトナム。本場のベトナム料理が気になってます」

原田「僕もイタリアの食に興味があるので、イタリアに行きたいです。本当は高所恐怖症なんですけど(笑)」

松田「いつか現地でワールドカップが観たい。今年は北中米なので、観に行きたいと思うけど、結局家で応援でしょうね。僕も高所恐怖症なので(笑)」

梅林「僕はリアルに、飛行機は無理です(笑)。車で行けるところがいいです」

 意外と飛行機苦手派が多かった『Blue Zero』出演者たちだが、本番ではそんなことはまったくお構いなしに、雄々しく優美に、舞台上を飛び回ってくれるだろう。

鐘ヶ江「本当に0のところから始まったゼロシリーズですけど、作品を通して積み上げてきたものがありますし、そこに新しい人が加わってくる楽しみもあります。僕は今回アクションデザインも担当するので、1つの節目みたいな気持ちもあるし、作品を支えられたら嬉しいです」

梅林「ゼロシリーズを通した見どころは、やっぱり生と死。特攻する人たちの気持ちや葛藤、各々の考え方をちょっとずつ紡いでいって、死と隣り合わせで生きた人たちのメッセージを、現代人に届けられたらと思います」

原田「僕が大好きな『ゼロ』と新選組が、ついに一緒にやっちまうのかー! と(笑)。僕たちが大事に思って演じることから生まれる、BSPならではの衝撃……僕がお客さんとして観た時の、あの圧倒的な衝撃を味わっていただきたいです」

石田「『ゼロ』は自分たちの体力、気力を最大限に削って、お客さんに伝えるということを大切にしていて。『何でこんなしんどいことやってんねやろ?』みたいな気持ちを乗り越えた先にある、お客様に届けられるものを、一体となって届けられたらと思います」

松田「先ほど僕が言った、BSPのただ事じゃないような一体感……『異質の一体感』と言えるものを持った舞台になると思うので、それをぜひ観て欲しい。全員が『Blue Zero』になる姿を観て欲しいです」

(取材・文&撮影:吉永美和子 衣裳提供:RINEN)

プロフィール

松田大輝(まつだ・たいき)
2000年生まれ、兵庫県出身。2016年にBSP『真田幸村』で俳優デビュー。『新選組』シリーズでは立川主税を演じている。映画『関ヶ原』や「進研ゼミ中学講座」のCMなどにも出演。兄はBSPの看板俳優・松田岳。

鐘ヶ江 洸(かねがえ・こう)
1992年生まれ、福岡県出身。2012年にBSP『ゼロ』で俳優デビュー。BSPの舞台以外にも、ミュージカル『忍たま乱太郎』シリーズ、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』シリーズ、舞台『弱虫ペダル』シリーズなどに出演。近年は振付やプロデュースも手掛けている。

石田直也(いしだ・なおや)
1992年生まれ、兵庫県出身。2000年にドラマ『天の瞳』で俳優デビュー。2014年以降、全てのBSP作品に出演している。BSP以外の主な出演作品に、STAR☆JACKS『幕末鳥人伝2023』、NHK連続テレビ小説『舞い上がれ!』など。

梅林亮太(うめばやし・りょうた)
1984年生まれ、兵庫県出身。1995年に舞台『宮沢賢治』で俳優デビュー。BSPの数々の作品で重厚なキャラクターを担当する。その他にも、NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』、NHK連続テレビ小説『まんぷく』、映画『鴨川ホルモー』などに出演している。

原田賢治(はらだ・けんじ)
1994年生まれ、愛知県出身。子どもの頃から「劇団ひまわり」の舞台に出演し、『幸村 ~真田戦記~』でBSP初出演。BSP以外にも「劇団☆新感線」、「劇団☆龍童子」の公演や、オペラ『魔笛』などの舞台に出演。映像では、NHKスペシャルドラマ『15歳の志願兵』などに出演。

公演情報

ブルーシャトルプロデュース『Blue Zero』

日:2026年3月12日(木)~15日(日)
場:ABCホール
料:SS席9,900円 S席8,800円
  A席5,500円(全席指定・税込)
HP:http://www.blue-shuttle.com
問:下記URLよりお問合せください
  https://forms.gle/UmhGcZoXrn9awJNR9

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