夢を追いかける若者たち 学生時代の青春を呼び起こす注目作 テレビでも放送される「高専ロボコン」が舞台上に現れる

 1988年から毎年開催されている「高専ロボコン」を題材にした舞台が12月に上演される。廃部になっているロボコン部を舞台とした青春群像劇で、主人公・正岡冗駆郎(まさおかじょうくろう)を演じるのは、これまで2.5次元ミュージカルをはじめ、多くの作品に出演経験がある笹森裕貴だ。

 「座長として舞台に立てる嬉しさと、ロボットにあまり詳しくないので、大丈夫かなという不安の気持ちでいっぱいでした。冗駆郎は“無駄な事に命を懸ける”をモットーに生きている高専生です。僕も“一見意味がないように感じていたけれど、後に役立っていると思える”人生を送っているので、自分と重なるところがあります。ある意味自分と一緒であり、全く違うような役を演じさせてもらえるので、すごく楽しみです」

 冗駆郎との共通点は、「楽しむべきところで、とことん楽しめるところ」と口にする笹森。演じる役柄にちなんで、ついつい夢中になってしまうことについても聞いてみた。

 「『アーチャー伝説』というアプリゲームですね。友人に勧められたのがきっかけなんですけど、僕はとりあえずやってみようという精神を持っているので、いざはじめてみたら面白くて」

 そんな笹森が長く青春を捧げていたと語るのは野球だ。役者人生にも活かされているという自らの野球人生を今、どう捉えているのか。

 「当時はかなり厳しかった記憶があります。でも今後の人生であれより辛いことはないと思っているので、本当にかけがえのない時間でした。その頃に出会った仲間とは今でも交流がありますし、俳優をはじめてからは野球に携わるお仕事もさせてもらっているので、今思えば良い経験でしたね」

 “高専生の甲子園”とも呼ばれている高専ロボコン。ロボットに向き合い、仲間とともに切磋琢磨する姿は、舞台上でも多くの人の胸を熱くさせるはずだ。

 「何かに打ち込む姿に僕はすごくグッとくるし、物事を10割こなせる人よりも、5割しかできないけど頑張っている人の方が応援したくなるんですよ。冗駆郎にも苦手なことやできないことがたくさんあると思うんですけど、学生のうちに挑戦し続けることができるのはとても美しいことだと思うので、昔や今の自分と重ねながらお芝居を作っていけたらいいなと思っています。ぜひ楽しみにしていてください」

(取材・文:渡辺美咲 撮影:間野真由美)

 

自分が日本で100位以内に入りそうなタイトルは?

「『危険なことを神回避できる能力』。昔から自分の“直感”が驚くほど当たっていることが多く、もう少しこうだったらまずかった、あと1日行動が遅れていたら取り返しがつかなかった、などという体験を何度もしてきました。これからも自分の直感を信じて生きていこうと思います!」

プロフィール

笹森裕貴(ささもり・ひろき)
1997年6月21日生まれ、東京都出身。近年の主な出演作に、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ 松井江役、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』マーキューシオ役、舞台『賭ケグルイ』豆生田楓役など。

公演情報

『ロボコォォォン! -ROBOT COOONTEST!-』

日:2025年12月4日(木)~7日(日)
場:ヒューリックホール東京
料:10,500円(全席指定・税込)
HP:https://robocooon.com
問:上記HP内よりお問合せください

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