それぞれの愛をボレロの旋律のように積み重ね、大きな愛に到達する 多彩なジャンルのアーティストによるコラボレーション

それぞれの愛をボレロの旋律のように積み重ね、大きな愛に到達する 多彩なジャンルのアーティストによるコラボレーション

 ダンサーの西島数博がプロデュースする『LOVE IS ALL』。BAROOMで4回目の開催となる今回は、フランスをテーマに盛り込んだ“BOLERO Collaboration”だ。

西島「ラヴェルの『ボレロ』のように1つのものを積み重ね、徐々に大きな世界を創る。そんな過程を、フランスを舞台に展開するとどうなるかと考えました。文学・音楽など様々なフランスの特色を活かして、最終的にダイナミックな世界を創ります。色々なジャンルの表現者たちが少しずつ“愛”を積み重ねることで、大きな“愛”に到達する。今までとはまたひと味違う『LOVE IS ALL』になりそうです」

 西島が言うとおり、バレエ 永橋あゆみ・吉本真由美、タップ 清水夏生、ジャズ 水島渓、太鼓 岩切響一に加え、ゲストに山本芳樹と山田まりやによる朗読という様々なジャンルで活躍する面々が集められた。なかでもシンガーソングライターの川島ケイジは、過去全ての公演に参加している。

川島「『LOVE IS ALL』は毎回凄くスリリングです。一緒にやっていても、西島さんのダンスは毎回違いますからね。シャンソンは今までライブでカバーさせていただくこともありましたが、ここまでしっかり向き合うのは初めてのことなのでどう表現していくかこれから楽しみです」

 LE VELVETSで活躍する歌手の日野真一郎は2度目の出演。

日野「シャンソンは大好きで、そこにしかない良さを感じています。まるで一人芝居というか、1曲の中でドラマがあるんです。ダンスとのコラボレーションでは、歌だけではない何かを伝えられると思います」

 そして今回初参加となるゲスト 武田真治。出演のきっかけは?

西島「武田さんは凄く忙しいのに、前々回の『LOVE IS ALL』を観に来てくださって。こんな世界は観たことがないと言ってくれました。だから今回、ぱっと武田さんが思い浮かび、オファーしました。武田さんにはサックスだけでなく、朗読もしてもらいます。武田さんならではの雰囲気がありますから」

武田「公演を拝見して、普段僕がいる情熱至上主義的な世界とはまた全然違う、独特な品位があると思いました。情熱と品位が素晴らしいバランスで共存している世界観を初めて知ったんです。この劇場の大きさで、ステージを客席が取り囲む構造だと、ごまかしがきかない。全身全霊で取り掛からないとボロが出るので、大げさではなく、結構な挑戦だと思います。僕のサックスと西島さんの品位が出会うとどうなるか。“大人の武田”が発見できるかもしれません!」

 その他の出演者も、各界の第一線を走るアーティスト揃いの『LOVE IS ALL』。これまで以上に愛を感じるステージになりそうだ。

(取材・文:渡部晋也 撮影:間野真由美)

自分を主人公にするなら、どんなストーリーにしますか?

西島数博さん
「この世とあの世を行ったり来たりするストーリーに興味があります。あと、もう一度自分に生まれ変わって同じ環境に育っているなかで、違う人生の選択をするストーリーも面白そうです」

川島ケイジさん
「自分は学生時代の時に、空想の中で自身がロックスターの主人公になって活躍している物語を毎日展開させて遊んでいました。楽曲を作っては自分でライナーノーツも書き、架空のドラマの主題歌にしてみたり、ランキングを上位に組み込ませたり、聴きどころなども説明して楽しみ。その楽曲がコンサートで観衆を熱狂させている場面を想像して楽しんでいました。今ではその物語を展開させて遊ぶことはなくなりましたが、ほんの少しだけですが現実になっていることもあります。今ならぜひあの物語の続きを演じてみたいです」

日野真一郎さん
「冒険ファンタジー的なストーリー。音楽を愛する主人公が、不思議な音に導かれ異世界へ。そこは音と色を失った灰色の国。主人公の歌声には人々の心を動かし、世界に音と色を取り戻す力があるとわかります。仲間と共に“失われた旋律”を集める旅に出て、自分が本当に歌う意味を見つけ出す物語。まさに、仲間は=メンバーや周りで支えてくださっている方々、そしてファンの皆様であり、今の自分の活動、音楽を届ける意味を物語にするとこんな感じです」

武田真治さん
「父と母の夫婦の絆を目の当たりにしたある日の家族のかけがえのない時間を描きたいです。僕は父役かなぁ?」

プロフィール

西島数博(にしじま・かずひろ)
宮崎県出身。フランスの国際コンクール第1位受賞後、国内外で活動。ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』出演から多彩に活躍。様々な空間で企画演出振付を手掛けている。

川島ケイジ(かわしま・けいじ)
和歌山県出身。ロックバンド・7thを経てソロ活動を開始。自身がパーソナリティを務めるラジオ番組にゲスト出演した、Chageとの交流を経て、2016年にメジャーデビューを果たした。

日野真一郎(ひの・しんいちろう)
福岡県出身。男性ヴォーカルグループ・LE VELVETSのメンバーとして、2008年にメジャーデビュー。歌手活動だけでなく舞台にも積極的に出演。過去には、西島数博プロデュース『ドラマティック古事記』に出演。

武田真治(たけだ・しんじ)
北海道出身。俳優・タレント・ミュージシャンと幅広く活躍。1995年、蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』で主演を務め、高評価を得る。その後、ミュージル『エリザベート』、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』など数多くの作品に出演。

公演情報

『LOVE IS ALL 2025 –BOLERO collaboration–』

日:2025年10月9日(木)~19日(日) 
場:BAROOM
料:12,000円(全席指定・1ドリンク付・税込)
HP:https://baroom.tokyo/loveisall2025/
問:上記HP内よりお問合せください

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